テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ふんわり、ひらり、《白》の歴史 ~

2023-10-31 22:07:07 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はぴィはろゥ~!」

「がるる!ぐるぅがるる~!」(←訳:虎です!ハピィハロウ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ハッピーハロウィーン!

 待ちに待ったハロウィーン当日の読書タイムの主役は、

 魔女さん? 黒猫ちゃん? オバケ型のお菓子?

 いえいえ、思いっきり天邪鬼に、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 白の服飾史 ――

 

 

 著者はニーナ・エドワーズさん、

 原著は2023年に、日本語版は2023年8月に発行されました。

 英語原題は『PAZAZZ The Impact and Resonance of White Clothing』、

 『人はなぜ《白》を着るのか』と日本語副題が付されています。

 

「まッしろォ??」

「ぐっるがぅるる?」(←訳:真っ黒じゃなく?)

 

 ハロウィーンの街に湧きいずるのは、

 黒いドレスのチビ魔女ちゃんや黒ニャンコたち。

 あ、私ネーさが見かけたベストな仮装は

 グリフィンドールのガウンとマフラーの女の子でしたけど、

 やはり、黒をベースにした装いでした。

 

 そんなパワフルカラー《黒》と対極にあるのが、

 《白》。

 

「さわやかァ、なのでスゥ!」

「がるるるぐる~!」(←訳:清々しいよね~!)

 

 人はなぜ《白》を着るのか。

 

 実際には、衣服の《白》は少々厄介な色です。

 さわやかで、清々しくて、可愛くて、上品ではあるけれど、

 とにかくもう、すぐ汚れてしまって、

 染みやシワも目立ちますから、

 こまめにクリーニングが不可欠、という“贅沢な色“であるのに、

 それでもなお、なぜ《白》を着るのか。

 

 その疑問へ、著者・エドワーズさんは

 御本冒頭の『序』で↓こう答えています。

 

   古来、白はつねに好ましい色だった。

   ずばり、印象的な色だから。

 

「いんしょうてきィ?」

「ぐるるるる~!」(←訳:なるほどね~!)

 

 美しくも清冽な印象を観る者に与える、ドレスの《白》。

 それでいて《白》は、

 働く者の色でもありました。

 科学者さん、医師さん、看護師さん、料理人さんや

 パン職人さん、ペンキ職人さんたちの仕事着も《白》。

 

 エドワーズさんは、

 古代の神々がまとった《白》から、

 聖職者の《白》、制服の《白》、

 ヴェールや手袋などの《白》、

 下着や普段着の《白》、

 近現代のファッションに於ける《白》と、

 《白》の衣服の歴史を辿り、解析してゆきます。

 

 マリー・アントワネット妃の、

 モスリンの白いドレス。

 白いウェディングドレスの原型とされる、

 ヴィクトリア女王のウェディングドレス。

 白いテニスウェア。

 ドガさんの画の中の、ダンサーたちの白い衣装。

 

 本文231ページには、

 日本の衣服の《白》に関する記述もあって、

 西欧の視点とはこういうものか……と

 考えさせられたりもしますよ。

 

「しりょうッ、おもしろいィでス!」

「がっるぐるるるる!」(←訳:もっと見たくなる!)

 

 巻頭にはカラーで図版が、

 本文中にもモノクロの図版資料が掲載されています。

 できれば全部カラーで、もっとた~くさん収録してほしかった!

 と思うのですが、

 アート好きさんや服飾史好きな方々に

 おすすめのノンフィクション作品ですよ。

 

 非日常なドレスの《白》に留まらず、

 日常の中の、仕事着としての《白》の役目を

 丁寧に拾い上げてゆく力作を、

 活字マニアの皆さま、ぜひ~♪

 

 

コメント
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