「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふじさんッはつかんせつゥ~でスよゥ!」
「がるる!ぐるがぅるー!」(←訳:虎です!白いシャポー!)
こんにちは、ネーさです。
富士山の初冠雪が観測されたというニュースを見たら、
あらぁ♫ 可愛い帽子ですね。
これも秋の風物詩だなぁ~と感心しながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 深掘り誕生石 ――
著者は奥山康子(おくやま・やすこ)さん、
2023年7月に発行されました。
『宝石大好き 地球科学者が語る鉱物の魅力』と副題が付されています。
誕生石――
著者・奥山さんは御本冒頭の『はじめに』に於いて、
誕生石の歴史を綴っています。
18世紀頃のヨーロッパでは、
経済的に大きな力を持っていたユダヤ人コミュニティーで
生まれ月にちなんだ宝石の婚約指輪を贈っていたことや、
1912年に米国カンザスシティーで開催された宝石組合大会で
現在広く知られる誕生石が決められたこと、
日本版の誕生石は
1958年に全国宝石商協同組合が決定・公表したこと。
そして2021年、
日本の誕生石に
新たに10種類の宝石が仲間入りしたこと。
「あたらしいィ~たんじょうせきィ?」
「ぐるるるっる!」(←訳:知らなかった!)
従来の誕生石はそのままに、
新しく加わった誕生石は、
2月……キャッツアイ
3月……ブラッドストーン、アイオライト
4月……モルガナイト
6月……アレキサンドライト
7月……スフェーン
8月……スピネル
9月……クンツァイト
12月……ジルコン、タンザナイト
といった鉱石たち。
聞き覚えがあったりなかったりする
さまざまな誕生石について、
詳しく解説してくださる奥山さんは、
変成岩岩石学の研究で博士号を持つ学者さんですから、
御本の本文はプロフェッショナルというか、
シリアスな理系要素が頻出いたします。
結晶図、元素周期表、
光の屈折実験、
変成岩のできる場所の図解、複屈折、
変異元素の成立に至る電子配列のモデル……。
「あわわわわゥ~…!」
「がるぐるぅ!」(←訳:混乱するぅ!)
しかし、奥山さんは
文系なツボもしっかり押さえています。
鉱物(宝石)が発見された経緯や、
命名のエピソード、
鉱石の産出・流通の歴史……
特に、
トルコ石の産地の変遷、
政情不安に翻弄されるラピスラズリ、
といった“石たちのものがたり“は
印象に残りますね。
「これェ、きゃわゆいィでス!」
「ぐるるるる!」(←訳:いい色の石!)
大富豪J・P・モルガン氏の名をもらって、
モルガナイト、と名付けられた4月の新誕生石は、
優しいピンク色をしていて、
サクラの花の色のようです。
ミステリ小説にたびたび登場する
アレキサンドライトの色変わりっぷりも楽しいし、
タンザナイトの青紫も、美しい……!
「みがけばァ、きらきらッ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:原石も面白いよ!)
巻頭には宝石のカラー図版も収録されていて、
これがとっても見応えがあります。
スミソニアン博物館収蔵の
ナポレオンⅠ世皇妃マリー・ルイーズの宝冠、
という写真が載っているんですけど、
え? トルコ石をメインにした冠?!?
こんなデザインの宝冠があるなんて!と驚かされました。
いったい誰が、この宝冠を造らせたのでしょうか。
宝石、そして鉱石たちへの興味も増してゆく一冊は、
石好きな方々はもちろん、
歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪