テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 新・誕生石のものがたり ~

2023-10-05 22:07:59 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふじさんッはつかんせつゥ~でスよゥ!」

「がるる!ぐるがぅるー!」(←訳:虎です!白いシャポー!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 富士山の初冠雪が観測されたというニュースを見たら、

 あらぁ♫ 可愛い帽子ですね。

 これも秋の風物詩だなぁ~と感心しながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

             ―― 深掘り誕生石 ――

 

 

 著者は奥山康子(おくやま・やすこ)さん、

 2023年7月に発行されました。

 『宝石大好き 地球科学者が語る鉱物の魅力』と副題が付されています。

 

 誕生石――

 著者・奥山さんは御本冒頭の『はじめに』に於いて、

 誕生石の歴史を綴っています。

 

 18世紀頃のヨーロッパでは、

 経済的に大きな力を持っていたユダヤ人コミュニティーで

 生まれ月にちなんだ宝石の婚約指輪を贈っていたことや、

 1912年に米国カンザスシティーで開催された宝石組合大会で

 現在広く知られる誕生石が決められたこと、

 日本版の誕生石は

 1958年に全国宝石商協同組合が決定・公表したこと。

 

 そして2021年、

 日本の誕生石に

 新たに10種類の宝石が仲間入りしたこと。

 

「あたらしいィ~たんじょうせきィ?」

「ぐるるるっる!」(←訳:知らなかった!)

 

 従来の誕生石はそのままに、

 新しく加わった誕生石は、

 

   2月……キャッツアイ

   3月……ブラッドストーン、アイオライト 

   4月……モルガナイト

   6月……アレキサンドライト

   7月……スフェーン

   8月……スピネル

   9月……クンツァイト

   12月……ジルコン、タンザナイト

 

 といった鉱石たち。

 

 聞き覚えがあったりなかったりする

 さまざまな誕生石について、

 詳しく解説してくださる奥山さんは、

 変成岩岩石学の研究で博士号を持つ学者さんですから、

 御本の本文はプロフェッショナルというか、

 シリアスな理系要素が頻出いたします。

 

 結晶図、元素周期表、

 光の屈折実験、

 変成岩のできる場所の図解、複屈折、

 変異元素の成立に至る電子配列のモデル……。

 

「あわわわわゥ~…!」

「がるぐるぅ!」(←訳:混乱するぅ!)

 

 しかし、奥山さんは

 文系なツボもしっかり押さえています。

 

 鉱物(宝石)が発見された経緯や、

 命名のエピソード、

 鉱石の産出・流通の歴史……

 特に、

 トルコ石の産地の変遷、

 政情不安に翻弄されるラピスラズリ、

 といった“石たちのものがたり“は

 印象に残りますね。

 

「これェ、きゃわゆいィでス!」

「ぐるるるる!」(←訳:いい色の石!)

 

 大富豪J・P・モルガン氏の名をもらって、

 モルガナイト、と名付けられた4月の新誕生石は、

 優しいピンク色をしていて、

 サクラの花の色のようです。

 

 ミステリ小説にたびたび登場する

 アレキサンドライトの色変わりっぷりも楽しいし、

 タンザナイトの青紫も、美しい……!

 

「みがけばァ、きらきらッ?」

「がるるぐるるる!」(←訳:原石も面白いよ!)

 

 巻頭には宝石のカラー図版も収録されていて、

 これがとっても見応えがあります。

 スミソニアン博物館収蔵の

 ナポレオンⅠ世皇妃マリー・ルイーズの宝冠、

 という写真が載っているんですけど、

 え? トルコ石をメインにした冠?!?

 こんなデザインの宝冠があるなんて!と驚かされました。

 いったい誰が、この宝冠を造らせたのでしょうか。

 

 宝石、そして鉱石たちへの興味も増してゆく一冊は、

 石好きな方々はもちろん、

 歴史好きな活字マニアさんにもおすすめですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
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