建物の完成写真を依頼して、
カメラマンさんに
「 空気の色だけヨーロッパの空気の色にしてください。 」
とオーダーしたのは、我ながら名言だったと思っています。
空気の色が違うのに、
むこうの色をそのまま日本に持ってくるから
おかしなことになる ( ことがある ) んですよね。
テレビでスウェーデンの夕焼けを見ました。
「 あぁ~ッ!ムンクの空の赤やぁ! 」
『 叫び 』 の空のことですけど、
北欧の夕焼けはホントにあんな感じなんですね。
感動しました。
空気には “ 色 ” だけじゃなくて “ 粘り ” もあります。
空気に粘りがなければ、
飛行機は飛ばんし、
F1は空飛ぶし、
断熱材もペアガラスも性能出ません。
( 余計な話ですが ・ ・ ・ )
建築の仕事は、
その時々で消えていくものを表現している訳ではないので、
そこにずっと存在し続ける怖さを感じるときがあります。
外から見た感じだけではなくて、現実に
リフォームの仕事を受けて現地調査をすると、
何十年も前の職人さんがどんな仕事をする人だったか、
そんなことがみんな見えてしまうんですね。
同業者から
「 ちょっと一緒に見に行ってくれないか。 」
と、相談を受けて見に行った建物です。
平屋の住宅ですが、
とっても良くデザインされて、
プロポーションが上手くとれた建物でした。
( 後に良くない改造がされていますが )
これだけ綺麗な建物をつくれる大工さんが、
何故こんなに雨仕舞が悪い仕事をしたんだろうか?
雨漏りがなければ
まだまだこんなに傷んでいなかっただろうに。
私は不思議でした。
聞けば、デザインは先代のお婆ちゃんがして、
大工さんはそれに従っただけなのだとか。
そのままお話を信じれば、
お婆ちゃんはスゴくセンスの良い人で、
大工さんは ( 失礼ながら ) あまり冴えた人ではなかった。
ということでしょうか?
建ててから何十年も後にそんなことが見えてしまう。
それも建築なんですよねぇ ・ ・ ・ 。
何十年も前には
設計だけを担当する人がいなかったので
仕組みが単純ですが、
今から同じ年数が経つと、
「 この設計者は ・ ・ ・ 」 みたいな話も出てくるのでしょう。
うちの奥さんが言うことにゃ ・ ・ ・
免許証もって年齢を証明できる私と一緒に
映画館に行ったら、
2人合わせて2,000円で映画が観られるのだそうです。
とうとう年齢を担保に料金が割引されるほど
生きてしまいました ・ ・ ・ 。
って、8か月も前に誕生日過ぎてるけど。
「 杉は世界一安い建材ですよ! 」
と、山の人から言われたことがあります。
実際安い!
気の毒なくらい安いです。
まだカンナがかかっていないのと、
照明が悪いのであまり綺麗に見えませんが、
大工さんの加工場に入った杉板です。
湿度の調節と、脱臭の効果を期待して指定した
シューズクロークの棚になる材料です。
長さ 2m40㎝
幅 36㎝
厚さ 3㎝
で、節のない杉板ですが、
1枚当たり値段は8,000円しません。
ムク材と言うだけで
とんでもなく高価だと思われがちですが、
上手く選べば、ごくお安く性能の高い
美しいモノが手に入るんですね。
問題は、
それを扱う知識がない人が仕事すると
困ったことがおこるだけ!
『 ごちそうさん 』 観てます?
私は毎朝キッチリ観ています。
殆どの日は朝食も済ませています。
・ ・ ・ ンなことぁどうでもいいけど!
俳優さんみぃんなの個性が上手く噛み合って
とても楽しいドラマになっている感じがするんですけど、
特に妹の希子ちゃんが良いんですよね。
その場面にいなくても
ストーリーには影響ないんだろうけど、
いい位置で、いい表情して画面に映ってる。
そんな感じです。
“ ものづくり ” って、
何でも同じなんだろうと思うのですけど、
必要なモノだけ集めて組み立てても
気持ち良いものにならない。
隠し味 みたいな、ちょっとした遊びだったり、
余裕だったり。
そんなことがとても大切なんだろうと思います。