CAOS
建築設計事務所カオスのホームページから
リンクしているブログをこちらに引っ越しました。
ホームページの作成ソフトの不具合で
直接リンクが設定できないために
OCNの古いブログを経由しての
アクセスになっています。
漏れ聞くところによると、
司馬遼太郎にはお抱えの古書店があって、
「今度はこんな資料が欲しい。」とオーダーしたら、
先生が気に入ってくれそうな資料を
沢山集めて届ける仕組みができていたのだとか。
巨匠っていいなぁ。と思うけど、
司馬先生は、欲しい資料が見つけやすくて、
古書店は、高い値で本を買ってくれて、
先生がいらなくなったら安い値で買い戻すから、
儲かる仕組みだそうです。
その結果出来上がった濃い~ぃエキスを
私達が500円そこそこで手に入れることができる。
っていうことなので、みんながハッピーな仕組みですね!
そうして出来上がった濃いエキスのなかで、
『街道を行く』のシリーズは有名ですが、
こっちのシリーズの方が面白いんじゃないかなぁ。
と思っています。
この鑑では、仏教の話題が特に目立った気がしますが、
仏教に触れてしまうと、
私の持論が入ってややこしいので、そこは避けるとして、
割りと前の方で出てきた奈良の古寺の話題をご紹介。
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大正時代に出た和辻哲郎の『古寺巡礼』以後、大和の古寺を
見る人が多くなった。
ところが、大和の良さは古寺だけではなく、民家もそうである。
もし古寺が、白壁・大和棟といったこの地方の大型農家にかこま
れていず、裸で野に孤立しているとしたら、大和の景観はよほど
貧寒としたものになるに違いない。 ---
そのまま、現代の私達が考える問題な気がします。
周囲の有り様を考えずに、どんな魅力的なものがあっても、
それが、文化財的な古いものでも・今からつくる新しいものでも、
本当に愛されるものにはならないんだろうと思います。
これを感じ取って文章にする巨匠の作家の迫力を感じる
一文な気がします。