『 良くない 』 という話をするのに、施設の名前を書くのもはばかられるので、
少々濁しますが、
紀の川筋に、江戸時代の外科医で、世界で初めて麻酔手術をした人の記念館があります。
母や妻で実験した人です。
今日、ここに立ち寄ったのですが、
建物全体、ダウンライトとスポットライトをたくさん使っていますが、どれも蛍光灯です。
トイレに入るとわかりやすいと思いますが、ここの照明も蛍光灯のダウンライトです。
なんとなく全体に明るさは足りていますが、妙にぼやけた感じで印象が暗い。
暗いのに色気がない。
これを電球のダウンライトで照明していたら、印象は全く違ったと思います。
全体にいい雰囲気の暗さ ( 本当は “ 明るさ ” と表現した方が理解されやすいのでしょうけど ) だったでしょう。
ぼやけた感じがなくて、必要な場所がうまく明るい空間で、色っぽく仕上がったと思います。
『 照度が足りていればどれでも同じ 』
ではないんです。
何年振りかで既製品の建具を使うプランをしました。
予算がタイトで、現作の建具では対応できないだろうと予測できるためですが、
久しぶりに既製品で考えると、驚くくらいプランに自由度がない!
既製品を使わない理由はいくつかありますが、
建具に建物を合わせるような思考の順序になるので、
プランが建具によって制限されてしまうこと。
他の部分と同じスピードで古びない ( 正確には、いつまでたっても味が出ない ) こと。
この2つが主な理由です。
今回のプランは、そんな中でよくまとめたと思っていますが、
無限にあるパターンの中で、選択肢が狭められたことは確かです。
改めて既製品を使うことが厳しいことを確認しました。
施工屋さんは、仕事が断然楽になるので喜ぶと思いますが。