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沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Apr_13】小室直樹の世界

2020-04-13 | BOOKS&MOVIES
引きこもりの読書体験でとてつもない「知の巨人」と出会った。

橋爪大三郎、副島隆彦、大澤真幸、宮台真司といった面々が師と仰ぐ小室博士。
敗戦を拠り所に「日本を戦争で負けない国に」するため、米国以上に近代の本質を理解すること。
情念が目標を与え、合理が手段をもたらす『和魂洋才』の精神で、
数学、経済学、物理学、統計学、社会学、政治学、心理学、人類学と知を横断し、
社会を科学的に構造/機能分析した警世家。


生涯に於いて【天皇】【田中角栄】【三島由紀夫】に関心を持ち、
彼ら同様、日本国構造体の外側から日本を救おうと決死に動いた。


その中で自分が特に響いたのが『日本教』というアプローチ。
「イスラム教が何故日本に入ってこなかったのか」という命題から⇒
日本には行動規範が成立しない、何故なら「神や仏あっての人間ではなく、神や仏は人間のための存在」だからと説く。
島(国)の外側に帰属意識がないから、入ってくる情報がご都合主義に陥りやすく、
よって「自分に役立てば良い、何でもありな状態が良い」という無規範・無連帯な行動規範(アノミー状態)に落ち着くからだと。

外の目が育たないから批判的に捉えることができない…という構造は、まさに今のニッポン。
外部からの指摘や批評が真正面に受け止められず、常に内輪話の空回りが常態化。
だから物事が常に右往左往する「空気」紐帯社会。

そんな島社会が【新コロナ】によって崩壊目前となった今日、
「国」存続を占うのは、どこに帰属性を求めるかだと思う。
小室直樹、掘り下げるわ。


以下コピペ ↓↓↓

日本社会はなぜ、危機にあるのか。それは日本人が構造的アノミー(無規範・無連帯)に陥っていて、そこから脱却する方法を見いだせないからだ。
社会を科学的に分析することもできず、教育によって社会を正常に再生産することもできず、経済が不均衡に肥大化した半面、
政治や文化や学術は停滞したままであり、歴史と直面することもできないし、国際社会と健全な交流をすることもできない。
これら戦後日本の宿痾というべき構造の病理は、アノミーとして、人々を蝕んでいる。
(『危機の構造』)

↓↓↓

平和とは、戦争がない状態。平和とは、戦争する能力がある諸国家が、努力に努力を重ねて戦争を実測しないで済んでいる状態。
ではなぜ戦後の日本人は、そのようなリアルな認識ができないのか。それは、日本が当事者能力を取り上げられ、失っていること。
その代価として、アメリカが当事者能力を日本に代わって買って出て、
米軍を日本に駐留させ、責任をもって、日本の平和を保障する立場にいるからである。
(『新戦争論』)

↓↓↓

ユダヤ教では罪なきゆえに責任を負うことによって同胞である証とするわけでしょう。
自分は何の罪もないのに、他人の罪を、罪の責任を負うことによって、彼と同胞である証とする。
日本ではこれと逆に自分が罪を犯すと自分と同じ共同体に属するものに自動的に罪を負わせることによって、贖わせてしまう。
罪なき同法に罪を負わせる構造になっている。
(『日本教の社会学』)

↓↓↓

憲法の本質は権力を拘束するもの。普通の法律とは役割が違う。
国民には憲法を守る義務なんか一切ありませんよ。
憲法は、憲法を尊重し、擁護し、憲法を守る義務なんかまったく国民には負わせていないんだ。
(『痛快!憲法学』)

↓↓↓

第二次大戦の敗北にも関わらず、天皇が退位せず、非難もされず、処刑もされず、かえって戦後日本の国民統合の象徴として甦ったこと。
天皇とはつまるところ、日本が近代化できた秘密が凝縮された存在である。
それは人であり神であるという、キリスト教のロジックを秘密の核にしているのではないか。
(『天皇恐るべし』)

↓↓↓

行政官僚に対抗し、選挙で支えられる有能な民主政治家を、法律上の形式犯で裁き、葬っても良いのか。(『田中角栄の呪い』)

↓↓↓

三島の自決は同志の死であると。日本の国家や官僚機構、企業体制やアカデミズム、などは近代を体現しておらず、
日本人民のためにもならない、エセ近代だという深い憤りを、小室博士は抱いていて、
それを三島由紀夫に仮託して述べている。
(『三島由紀夫が復活する』)

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