goo blog サービス終了のお知らせ 

#photobybozzo

沖縄→東京→竹野と流転する、bozzoの日々。

【Mar_25】「犠儀」(1963年)

2020-04-05 | KANAZAWA
『笠井叡DUOの會』@KAAT

「犠儀」(1963年)
「丘の麓」(1972年)
「病める舞姫」(2006年)
「笠井叡の大野一雄」(新作)

構成・演出・振付/笠井叡
出演/川口隆夫 笠井瑞丈 笠井叡 (特別出演)


写真UPしました〜!
【on_Flickr】0325_AKIRADUO



2回の公演で打ち切りとなった歴史的作品。
笠井叡という踊り手のひとつの結集点かと思います。

「奔放なイメージを身にまとって踊った大野一雄。
そんな大野の魂をそのまま自分の器に受け入れた笠井は、
終わることのない思索の旅を続け、声・言葉・動きがせめぎ合う独自の世界を築いてきた」

(石井達朗)

まさに。

舞台監督/中原和彦
音響/山田恭子
照明/中山奈美
衣装/富永美夏
プロデューサー/笠井久子(天使館)

主催/一般社団法人天使館
提携/KAAT神奈川芸術劇場
協力/大野一雄舞踏研究所
NPO法人ダンスアーカイヴ構想

助成/文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術創造活動活性化事業)
独立行政法人日本芸術文化振興会
公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団

制作/ハイウッド

#photobybozzo

【Feb_19】世界の無意味性の自覚

2020-03-03 | KANAZAWA
20世紀の倫理-ニーチェ、オルテガ、カミュ by 内田樹

「世界の無意味性の自覚」

私がここにいま存在することのたしかさが希薄になり、
見慣れた人々が機械仕掛けの人形のように見えてくる。
私たちが不意に転落する、この状態をハイデガーは
「世界の適所全体性の崩壊」とか「世界の完全な無意義性」というふうに表現した。

ある社会学者はこれを「規範喪失」と名付けて、そのあり方を次のように記述している。

「このような限界状況はよく夢や幻想のなかに生じる。
それは、世界はその〈正常な〉面のほかにもうひとつの面があって、ひょっとすると、
今までそれと認めてきた現実の見方ははかなくて欺瞞でさえあるのではないかという
執拗な疑惑として意識の地平に現れてくる場合がある。(...)

人間存在の限界状況は、すべての社会的世界がもつ内在的な不安定さを露わにする。
社会的に規定されたすべての現実は、潜在する〈非現実〉によって脅かされ続ける。
社会的に構成された規範秩序(nomos)はすべて、
規範喪失(anomy)へと崩壊する不断の危険に直面しなければならない。」

(...)ノモスは、強力で異質なカオスの力にさらされながら建立された殿堂なのである。


【on_Flickr】0220_LA→PETALUMA

【on_Flickr】0106_MERMAID

2020-02-12 | KANAZAWA
高橋楓華『人魚姫』@日暮里d倉庫「新人シリーズ」

舞踊評論家の北里義之さんも『マイ新人賞』に挙げている楓華さんの『人魚姫』、篤とご覧あれ。

「高橋楓華『人魚姫』】承前。エントリー31作品のなかで、アンデルセン童話の『人魚姫』を扱い、
足首を縛った拘束ダンスと足が生えた魚のリアリズムで踊ってみせた高橋楓華さんのパフォーマンスを速報的にレポートしなかったのは、
自分が審査員だったら、間違いなく新人賞に推しただろうと思ったからでした。」


写真UPしました〜!

【on_Flickr】0106_MERMAID

#photobybozzo

【Feb_02】映像芝居『錆からでた実』アメリカツアー

2020-02-04 | KANAZAWA
日曜日は『錆からでた実』アメリカツアー
日本最後の調整で内覧会でした。
ダンサーが間宮千晴さんになったことで
作品全体の印象がガラッと変わり、
より束芋さんのざらっとした感じが深まったかと。
米4都市と巡ることでどれだけ作品が深まるのか、楽しみ。

ボクはLAのみ参加します。

束芋×森下真樹_映像芝居『錆からでた実』アメリカツアー
Los Angeles→Middletown→Washington, D.C.→New York


構想/束芋&森下真樹
構成・演出・美術/束芋
振付/森下真樹
音楽/粟津裕介&田中啓介
ダンス/間宮千晴

舞台監督/河内崇
照明/三浦あさ子
衣裳/堂本教子
音響/堤田祐史
記録映像/加倉井和人
制作/芋々
プロデューサー/高樹光一郎

こちら2016年版『錆からでた実』
ダンサーは鈴木美奈子さん。
【on_Flickr】0707_SABI

#photobybozzo

【Oct_28】飯塚友浩@FAUST

2019-12-26 | KANAZAWA
山本 裕ダンス公演『私達のファウスト』→『変態夢宇宙』@座・高円寺2
演出、構成、振付/山本 裕

出演/津村禮次郎、河内大和、山本 裕、Kana Kitty、
飯塚友浩、近藤みどり、鈴木遼太、山之口理香子

ダンスミストレス/船木こころ
舞台美術、衣裳/小倉あかり
舞台監督/松島ちひろ
照明/石塚瑛美
音響/橘かおり

写真UPしました!
【on_Flickr】1028_FAUST


あらためて『FAUST』から『変態』の流れを
3度の本番思い出しながら写真整理してみましたけど、
『変態』の新しさにはハッとしますわ。
裕さんの次回作、楽しみにしてます〜!

#photobybozzo

【Dec_21】かつての「猪飼野」、鶴橋。

2019-12-21 | KANAZAWA
かつての「猪飼野」、鶴橋。

その「猪飼野」が七十年代に入り、周辺住民の民主的な総意が強固に働いて、
大阪市の市街地図から消えていってしまったのだ。
「イカイノ」と聞くだけで地所が、家屋が、高騰一方の時節に廉く買いたたかれると言い、
ひいては縁談まで支障をきたしているとかで、隣接する「中川町」「桃谷○丁目」に併呑されてしまったのである。

言うなれば「猪飼野」は、在って無い町になってしまったのだ。
いや無くても在る町といったほうがいいのかもしれない。

私をして『猪飼野詩集』を書かしめたものは、この背中合わせの存在意識である。
読者にはたぶん、それが通奏低音のようにも響いていることであろう。
(金時鐘『猪飼野詩集』あとがきより)

#photobybozzo

【Dec_11】homeri_オーナー宮内さん

2019-12-12 | KANAZAWA
朗読と音楽の夕べ4@ホメリ
大柴拓(comp,g)西嶋徹(b)わたなべあきこ(朗読)

多彩な演出に舌を巻いた。2月の音楽劇に向けての様々なチャレンジ!
第二部安房直子さんの児童小説、切ない。拓さんの楽曲も切ない。
『太陽の子』を思い出した。
終演後の音楽談義も有意義なひと時でしたわ。

#photobybozzo

オーナーのバンド→Bacchanales

【Dec_11】わたなべあきこ・西嶋徹・大柴拓

2019-12-12 | KANAZAWA
朗読と音楽の夕べ4@ホメリ
大柴拓(comp,g)西嶋徹(b)わたなべあきこ(朗読)

多彩な演出に舌を巻いた。2月の音楽劇に向けての様々なチャレンジ!
第二部安房直子さんの児童小説、切ない。拓さんの楽曲も切ない。
『太陽の子』を思い出した。
終演後の音楽談義も有意義なひと時でしたわ。

#photobybozzo

【Nov_07】胡波監督作品『大象席地而座』

2019-11-08 | KANAZAWA
29歳で自ら命を絶った中国の胡波(フーボー)監督作品『大象席地而座』。

村上春樹の短篇「象の消滅」から着想を得たと言ってるので、
イ・チャンドン監督作品『Burning』(納屋を焼く)と非常に近しいトーンで厭世的だ。
映像は終始「視野狭窄」な近視ピントで、常に周りはぼやけてる。
アウシュビッツの囚人目線で撮られた『サウルの息子』に近い。
つまり「いっぱいいっぱい」で自分以外目に入らない状況を絵解き。

「象の消滅」は、経営破綻した動物園が売りに出され高層マンション建設予定地となるのだけど、
老齢の象だけ引き取り手がなく、そこの自治体が不動産会社と共同で飼育係を雇って飼うことになるのだが、
1年後、飼育係共々消えて無くなる話。

「納屋を焼く」は不要になった納屋を人知れず焼く話で、
どちらも経済一辺倒のこの社会を揶揄しているのだけど、

「象の消滅」が秀逸なのは、展示会で知り合った独身男女が意気投合してホテルのBARでお互いを語り合うまでになったあと、
男が「象の消滅」の話題を振った途端、会話の流れが止まり、ふたりもそのまま別れてしまう…ところ。
要は、開発の異物となった老齢の象は、押し進める経済成長の障害でしかなく、
誰もが口には出さずとも死ンデ欲しいと思っていたわけで、それが飼育係共々消滅したのは、
この社会システムに殉じたようなもので、語る言葉を持たない。

象の消滅を経験して以来、ボクはよくそういう気持ちになる。何かをしてみようという気になっても、
その行為がもたらすはずの結果とその行為を回避することによってもたらされるはずの結果との
あいだに差異を見出すことができなくなってしまうのだ。
ときどきまわりの事物がその本来の正当なバランスを失ってしまっているように、ボクには感じられる。

(村上春樹著『象の消滅』抜粋)

「やれやれ、流れに逆らったところで、なんら変わらないじゃないか。」そういう気持ちだろう。

この社会を構築する源の共同幻想は、そもそもの着地点が偏狭で自己顕示欲過ぎ、
犠牲を伴うことでしか持続できない仕組みなんじゃないか。
1985年のバブル最盛期に吐露したハルキの言葉が、2018年の中国でコダマし、
作家は命を賭して映画を作った。

ブルドーザーが邁進する如く地球全体が「便宜的」に開発され、
今日も象が一頭消滅しているのだ、と思うと、生きてることが罪なんじゃないかと、
その根本を正さないと、もはや立ってられない。「而座」はその隠喩でもあるわ。


#photobybozzo