Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

縦揺れと機械油のリズム

2004-10-15 | てつどう。
晴れました。
今日は仕事で平塚へ直行。
空気も澄んで、きもちのいいこと...

いつもとは違う駅(学芸大学)から電車に乗ります。
そこまでのまるで散歩みたいなご機嫌な時間も、
いつものちょっと薄暗いイメージな田園都市線のホームと違って
陽光燦々な学芸大学駅のホームも、がらんがらんの下り電車も、
すべてが僕に「仕事しないでいいよ、ぐうたらしなはいな」って
言ってる(w
しかも横浜からは熱海行き。いつもなら旅に出る電車。
平塚で降りずに逃避してしまお(以下略

な~んもしないを、したかった。そんな朝でした。

さてさて。
昼過ぎに仕事も終わり
都内へ戻ります。
平塚駅で乗った電車はオレンジとグリーンの東海道線、
113系ってヤツです。
見慣れたこのちょっと古い電車も、じつは残り数年で
東京口から姿を消すことが決まっています。

たしかにもう30年~20年まえに製造されたものばかり、
揺れもひどいし、外装もガタガタのもいます。保守も大変なのでしょう。
でも、銀色の山手線と同じ形式の電車が代わりにここには来るのです、
はたして、それで、いいんでしょうか。

113系、実に快適でした。東京駅までの1時間くらいを、
荷物盗まれてもわからないくらい眠りました。
眠って起きても、疲れてません。

これが新しい椅子の固い電車(E231系といいます)だと、
耐え難いほどの苦痛。眠っても、起きると残る倦怠
(新型の山手線の電車で、1時間くらい座っているのを想像してください)。

同系は革新的な機構と、量産性、先進性をもってはいます。
合理的、機能性でいえば、その設計思想は僕は大好きです。
でも、ニンゲンにはちっとも優しくない。

電車に限らず、モノは確実に進化していく。利便性や合理性を追求して。
でも、そのぶん、人間工学とかいうものが進歩している割に、
「ここちよいもの」って、どんどん減っているような気がします。

「ここちよいもの」とは、ニンゲンのもっているリズムに合っているもの。
そう思います。

ひどく縦揺れする電車。でも、よほど揺れない最新のものよりここちよい
領域がある。

そういう領域を持っているモノは、他にも
機械巻きの時計、カメラ。不便で、面倒な動作を要求するくるま、
蒸気機関車、木製部品の多い客車などなど...。

これらが気持ちいいのは、操作感、操作音、
そして感触、乗り心地・・・
すなわち感性領域においての「ここちよいリズム」をそれぞれ持っている
からなのでしょう。そのリズムは、技術で掴む快適さとは
ベクトルが違うような気がするのです。


>>べつに僕は懐古論者ではないです。
古きが去り、新しいものがくるのはすべてにおいて
悪いことでは無いと思っています。
(じつはあたらしもの好きだっりする)。
便利になることは素晴らしいですから....
ただ、僕は「ここちよいもの」を追い求めて暮らしている気がしますので、
結果として好きか嫌いかで判断すれば、後者になりがちになるだけです。
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2 コメント

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113系 (とく@千葉県民)
2005-02-05 14:05:57
113系というと、サロ110ですね、やはり。



独特の開放感、デッキ付き付随車ゆえの静かで張り詰めた空気感、妙に懐かしいレトロなリクライニングシート、白い枕カバー、赤いシート地・・・



なんだか、独特のものがありますよね。

めったに乗ったことはありませんが。

そう考えると、2階建てサロはもっとカジュアルな感じがします。特急の自由席車、みたいな。



なくなってしまう前に、サロ110の旅に行こうっと。
返信する
たしかに (ie)
2005-02-05 23:50:10
旧い雰囲気満々?ですよね、サロ110。

...どうも見晴らしが良いのでサロ124とかに乗ってしまうので、今度グリーン車に乗ったら僕もサロ110-1200に乗ってみます。
返信する

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