うーん、まずい傾向です(笑
この”まつり”シリーズなんですが、メジャーなPSA、ルノーを差し置いて、
まだまだまつらないといけない車種はいっぱいあるというのに、
二回連続でタルボに行ってしまいました(汗
ということで、本日は一部の方々の熱烈なコールにお答えして(いるのかなw)、
タルボ・オリゾンまつりでございます(号泣
タルボ・オリゾンは、クライスラー・ヨーロッパで開発された、
1974年に登場した初代ゴルフに真っ向から勝負を挑んだ世界戦略車でした。
同時に北米向けにはダッジ・オムニ、プリマス・ホライゾンが用意されているあたりにも、
その本気がうかがえるというものです。
でも、どこの国のクルマかわからんwシムカ・タルボ萌えな理由ですw
登場は1977年。開発は北米仕様も含めシムカ(タルボの前身)主導で行われ、
名称もフランスではシムカブランド(英国ではクライスラー)だったのですが、
クライスラーは1978年、欧州部門をPSAに売却したため、
1979年以降は「タルボット・ホライズン」(英)、
「タルボ・オリゾン」(仏)と呼ばれることになりました。
ゴルフっぽい 超意識してるのわかるね!
どこかで見たことのあるようなこのクルマ、そう、デザインは初代ゴルフの影響を
思い切り受けたものになっています。
メカニズム的にはシムカ1307/1308(これまたマイナーなクルマで、ぜひ紹介したいw)
を継いだ、オーソドクスともいえる横置き直4で前輪を駆動する方式を持ちますが、
ここからがオリゾンの面白いところで、
欧州仕様のエンジンは、オリゾンの前身であるシムカ1100と同じ直4 1118cc/1294cc
および1307/1308と共通の1442cc(いずれもOHV)だったのですが、
シムカ主導でクライスラーが開発し、米国生産が行われたダッジ・オムニおよびプリマス・ホライズンのエンジンは、
アメリカ製のゴルフ、フォルクスワーゲン・ラビットと同じエンジンでした。
ちなみにこれがシムカ1307/1308ね
これまた地味ーな車...萌えーw
さらに面白いのは、欧州版と北米版は外観がこんなに似ているというのに、
サスペンション形式も(欧州:トーションバー、北米:マクファーソン・ストラット)違うし、
前述の通りエンジンも違うし、車体パネルも実はまったく違う(笑)ので
互換性が無かったらしいのです。なんでだ(笑
クライスラーが当時傘下だったクライスラーヨーロッパのシムカに開発を導いてもらったのは、
まあ、ご想像どおりなのですが、
クライスラーには小型車、および小排気量エンジンを作るノウハウが少なかったためなのです。
で、このオリゾン。なのですが。
まずは欧州・フランス版(シムカ/タルボ・オリゾン=Simca/Talbot Horizon)。
これが欧州・英国版(クライスラー/タルボット・ホライズン=Chrysler/Talbot Horizon)。
すごい色だなあ
欧州版の内装。
やばいかっこいいぞ。PSAやルノーに見られないデザイン。ドキドキしてくる(変態)
なお、オリゾンはクライスラーヨーロッパがPSAに吸収されたあと、5速MTや
PSA各車に載せられて実績のあったプジョー製の1905ccディーゼルを追加するなど
バリエーションを拡充していったのですが、
プジョーはタルボブランドの廃止を決定、結果としてオリゾンは1985年に製造を中止されてしまいました。
なお、このクルマの後釜が、PSAグループ内的には、
プジョー309(タルボ・アリゾナとして設計された)なのですね。
で、いよいよこれが北米版。
ダッジ・オムニ/プリマス・ホライズン。
まあ見事なアメリカンテイストなんですけどもね(笑
なお、ダッジ・プリマスで初めてのFF車だったりします。
プリマス版。
これもプリマス版だな。
これはオムニか。しかしこの色遣い!カーデザインの学生時代に散々描いた色合いw
で、内装はごらんのとおり、イメージがまったく違う!色といい、ステアリング形状といい、
いかにもアメリカン!
ステアリングがアメ車だなあ!ダッシュボードは欧州版と基本、同じッぽい。
赤いビニールレザーとか、この内装すごすぎるよ...。
なお、クライスラーがシムカをPSAに売却した後も、これら北米版オリゾンは
欧州版よりも長く、1990年まで作られました。
クライスラーはこの小型FF車から得たノウハウを、のちのKカー、
そしてネオン(直接の後継者はこれになる)へとつないで行く事になります。
PSAにとっては価値のない車だったオリゾンなのですが、クライスラーにとっては
とても有益な車だったようです...。
.....で、実は....オムニといえば、これをベースにしたクーペ版、
オムニ024ってのがあるんですよ...(プリムス版はホライズンTC3という)。
いかにクライスラーが、この小型FF車のシャーシを活用していたかがわかります。
がーん
なんだこれー(涙
なんだか三菱のクルマっぽいんですが、実際、このクルマ、細々と日本に
なんと三菱から販売されていたらしい!
そういえばほかにもクライスラー318とか入れてたなあ三菱...
いろんな意味ですごいよ三菱...(汗
>>ちなみに、こんな地味なクルマなのですが、
当時では斬新なデザイン、フランス車らしい広い室内と快適な乗り心地や、
世界戦略車であるという意味を評価されて、
ホライズン/オリゾンは1979年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを取っていたりするんですなあ。中身はしっかりしたいいクルマなのでしょうね。
そう、実際はかなり高い評価を得ていた車だったようなのです。
>>まあ...地味の極みであるあのルノー9(ヌフ)もこの賞貰ってるんですよね...。
>>やべえ、おらすっごくドキドキしてきたゾ(笑
「何に乗ってるんですか?」
「タルボ・オリゾンです」
「....え???」
って会話したーい!(爆
>>おまけ。
なんでも救急車にしなさんな(涙
これの救急車も狭そうw。
欲しい(笑
番号の振られた装備が気になります^;
4はラジオキットでしょうか!?
しっかし北米版とそんな中身が違うとは!!
びっくりしました。
画像を見ていて鉄バンパーなことに時代を
感じました。樹脂バンパーのはしりといえば、
R5なわけですが、この1307/1308も樹脂バンパー
でしょうかね~!? ついでにちょこっと
調べてみましたが、プジョー初の樹脂バンパーは305で、シトロエンは、ヴィザでしょうかね~。
救急車orz
やっぱしオムニ024にも言及いただきありがとうございます!
うちの会社でも旧い資料とか見ると、車種一覧の中に「オムニ」が散見されます~
なんでも同車、そもそもは今やプジョーに吸収されて消滅して久しいフランス・シムカ社と米国クライスラー社との吸収合併の産物なだけあってヨーロッパ流合理設計を取り入れつつも薄味、片やアメリカ版たるダッジオムニ/プリムスホライズンは見事にアメ車になっている、そしてどちらも見事にはまっている辺り、よくも悪くもワールドカーの真髄ですね。
この1978年ヨーロッパ・カーオブザイヤーたるシムカオリゾン→タルボオリゾンには当初シムカ製OHV1294ccが積まれ、やがてプジョー製1580cc/1905ccがそこに仲間入りしてヨーロッパ車らしく機敏に走った一方でアメリカ版はVW(フォルクスワーゲン)製1715cc(ゴルフのアメリカ仕様と共通)が積まれ、1982年よりプジョー製1592cc/62psとクライスラー自製の2213cc/94psの編成となった―まさしくルーツを探り当てることが困難な「無国籍な雑種」というのが今見れば傑作ですね!
そんな、タルボオリゾン一族のアメリカ版変種たる<ダッジオムニ024>、前述のVW製1715cc/65psを搭載し、日本では三菱の販売網から販売されたことを思い出します。200万円を優に超えて道理で売れなかったものです(苦笑)。あまりにも売れなかったので三菱の工場の構内連絡車として何台も自社登録されたとか。
あれから30年余り、今や米国クライスラー社は同社の「秘蔵っ子」クライスラー300Cを提携先イタリアのフィアット社のブランド「ランチア」を冠してランチアテーマ名で欧州大陸で販売することが決定したわけだから歴史は繰り返すというか、何が起きても驚きませんね。
by41歳・山羊座・B型・レクサスIS350+ヴィッツ1300U-L所有
欧州版を見るとタルボ・サンビーム・ロータスに乗るヘンリ・トイボネンを思い出します。
北米版は白ボディでサイドに木目シールありで赤内装が欲しいです!(当方変態です)
70年代後半の北米ってコンパクトカーは何気にフランス車多いですよね。クライスラーが今回のオムニ・ホライゾンでAMCがR5とR18を売ってましたよね。フランス車じゃないけどフランス車風なダッジコルト(初代ミラージュ)も好きです。これらが新車時の北米でどれを購入するか迷いたいです!
ん~、だんだん思い出してきたぞ~。
間借りしていたカナダ人の愛車がゴルフⅠディーゼルで、小生がオムニに乗っていた訳ですが、
並べると一見似てるけど、やっぱり別物で、一番の違いはプロポーションの緊張感でした。
言い換えるとパッケージングの詰めでしょうか。ゴルフのプロファイルにはやっぱり理詰めの説得力があるけど、オムニは良く言えばおおらか。緊張感はありませんよね。その辺が北米で受けたポイントでしょうか。
まぁ、要するにドンガラですよね。走り味もドンガラそのままで、これはこれで嫌いではなかったのですが、如何せんサーボレスのブレーキはペダルが靴の底を通しても足の裏に食い込んで閉口しました。いろいろあって1年足らずで手放しましたが、ポンコツとの付き合い方を教えてもらった気がします。
実用車なのにどうしてそこまで刺激的!
あと、黒ボディに夕焼け・・・懐かしいです。
このまま、こんな路線でいくのもよいかと。
オムニ024
興味があってカタログをもらいに行きました。
今も保管しています縦長のカタログを。
やたらFオバーハングが長くてスラントノーズ。
そのころはVW初代シロッコに乗っていたので
デザイン比較してみたもんでしたが、何かと大味なクーペでした。
煮詰めきっていないデザインが、アメリカンな処という印象をもった。
後のシルビア、ガゼールのサイドビューが思い浮かびました。
話しは変わりますが
そのころの三菱はクライスラーと販売提携して
確かにオムニを販売していました。
オーストラリアからマグナステーションワゴンを
逆輸入したり、
ヒュンダイ・ポニーエクセルを販売したり
また、ランサーセレステを米国でプリムス・アロー名で販売したり、
http://livedoor.2.blogimg.jp/thetombo2/imgs/f/7/f721fda1.JPG
なにやら複雑な時でした。
いすゞはグロバルカー・ジェミニを販売。
オーストラリアでは、ホールデン・ジェミニ
GMはシボレー・シベット。オペルはカデット。
その後
ホンダは英国BLと提携、トライアンフ・アクレイム(バラード)を販売。
タルボ・オリゾンが歩んだいろんな車種名同様、
国産車も販売提携や、輸出の試み企ての入り乱れた時でした。
話しがバラバラになりました。
ダッジ・オムニが韓国でヒュンダイ「オモニ」とは・・・、ならなんだですね(笑)
次回は「セアトまつり」とか「タトラまつり」「シュコダまつり」とかも期待します(爆)
でも、嫌いじゃないです、外装も含めて。
元が無国籍なのが功を奏してか、見事にアメリカンしてますね。
マッスルカーでもSUVでもなく、ショボいアメ車に萌えてしまいます・・・(笑
>シャレードと言う言葉しか頭に浮かばず
まあそれだけこのクルマがワールドカーという意味では成功しているとも言えるのでは(汗
《》 nekさま>
>いいですね~トップ画像のカタログが
欲しい(笑
そうなんです、番号の先がわからない(笑
>樹脂バンパーのはしりといえば、
R5なわけですが、この1307/1308も樹脂バンパー
でしょうかね~!?
たしか樹脂製だったと思います!
けんじさま>
>やっぱしオムニ024にも言及いただきありがとうございます!
まだ資料には残っているんですね...知らない方が見たら「???」な車種ですよね(涙
真鍋清さま>
>よくも悪くもワールドカーの真髄ですね。
そうなんです。いかにも仏車をアメリカンにしたてたR9/アンコールと違い、どちらも極めてそつがないのがいいんですよね!
>タルボオリゾン一族のアメリカ版変種たる<ダッジオムニ024
このあとトラックになったりしちゃうんですよね024(涙)。
>あまりにも売れなかったので三菱の工場の構内連絡車として何台も自社登録されたとか
その話は初めて聞きました(哀
>「ランチア」を冠してランチアテーマ名で欧州大陸で販売することが決定したわけだから
いやはやこれは...正直ショックです...(号泣)
よーすけさま>
>北米版は白ボディでサイドに木目シールありで赤内装が欲しいです!
こういうアメ車を日本で乗っても難解なんですけど、だからこそ乗りたいですよえ(わたしも変態ですw)。
>70年代後半の北米ってコンパクトカーは何気にフランス車多いですよね。
そうなんです。フランスの小型車づくりに賭けたのでしょうねー
issayさま>
>並べると一見似てるけど、やっぱり別物で、一番の違いはプロポーションの緊張感でした。
>オムニは良く言えばおおらか。緊張感はありませんよね。その辺が北米で受けたポイントでしょうか。
なるほど!そのイメージは間違いないと思います!たしかにオムニは緊張感が無いですなあ(汗