日帰り北陸紀行＃3～福井鉄道へ

お昼頃に会場を後にした505。
といっても、すぐには帰りません。
深夜12時過ぎに料金所を通過すればETCが割引になるという制度を使うべく、
しばしの滞在です。

福井周辺には行きたいところは山ほどあれど、
今回行こうと決めた場所は「福井鉄道」。


福井市内と武生市を結ぶこの地方私鉄は、
基本は一般的な鉄道線なのですが、福井市街地では路面電車のように
軌道上を走るというシステムが魅力的な路線です。
しかも、もと名鉄や静岡鉄道、名古屋市交通局、そして自社発注の
ふつうの（しかも、古い）鉄道車両がそのまま軌道上にゴロゴロ乗り入れていたのでした。

何度か訪問したこともあるのですが、今回はどうしても来たかった。
それは、中学高校時代に「愛して止まなかった」
名鉄岐阜市内線・揖斐線で活躍した車両達が、第2の人生を送り始めたからなのです。


名鉄の600Ｖ（ボルト）区間には、揖斐・谷汲線などの郊外電車と、岐阜市内の路面電車などが
ありましたが、惜しまれながら昨年春に全廃。
まだ経年の新しい車両もあり処遇が気になっていたのですが、
彼等と福井鉄道で再会出来るとあっては、行かないわけにはいかなかった！



西鯖江の駅そばに505を停めて、ここから「鉄」を愉しむ。


西鯖江駅に入ってくる福井駅前行きのモ770。旧名鉄の形式・番号をそのまま踏襲。
色こそ違えど、懐かしさと嬉しさで胸一杯。


まずは福井新で下車。
名鉄からの車両導入で使われなくなった古豪が眠っているので撮影です。


120形。
武生側のモハ１２２は、昭和２５年製造の「運輸省規格型」。
一方のクハ１２２は昭和４年製の名鉄３００２。
実際には、ここ数年はずっと予備車で動いてなかったそうです。

そう、どうみても古いこの電車が、路面電車として市内に乗り入れていたのですから
その光景は違和感があるものでした。でも、それこそ福井鉄道の魅力だったのです。



デキ11型電気機関車。昭和2年梅鉢鉄工場製。
もとは福井鉄道の前身、福武電気鉄道が開業時に新製したデワ1という電動貨車だった。
いうならば福井鉄道の生え抜き車両。現在は、冬季の除雪に使用。



福井新からは数駅ぶん歩いて、福井市内へ。
出身の名鉄時代も郊外～路面用として開発されたこのモ770には
まさにぴったりのシチュエーションです。


ここからはＪＲで武生へ。そして、武生からまた福井鉄道に乗って、
クルマを置いてきた西鯖江に戻るプランです。

武生にて。もはや北陸線、敦賀口のヌシとも言える
もと寝台特急改造（！）の４１９系。食パンみたいなカオが特徴。
敦賀までの直流電化後の処遇が気になります。


福井鉄道の武生駅から一駅、おとなりの西武生には車庫があります。
ということで途中下車。

古い車庫の側線に休む、同じく名鉄出身のモ８８０。



古い木造建築が特徴の福井鉄道本社前に佇む、用途を失った車両たち。
左の電車はもと名古屋市営地下鉄。
両運転台仕様のこの６００型は輸送力が小さく、運用を外れた模様。
そして右では、もと静鉄の３００型が解体されています。
西武生にはこのほか、１４０型などの古い電車が留置してあり
今後が気になるところです。



にわかに空が暗くなり大粒の雨が降ってきた頃、朝夕にしか動かなくなってしまった
福井鉄道生え抜きの昭和３０年代のロマンスカー、２００型がやってきました！
この車両は大きいため、輸送力確保のため残ったのです。
いえ、福鉄の誇りとして残したのでしょう。


今回、名鉄から床の低い「ＬＲＶ」の導入にあたり問題が生じてしまいました。
いままでは大型の鉄道車両が市内に乗り入れるカタチだったので、郊外区間は
ホームの高さが電車のドアにそろえてあったのです。
ところが、ＬＲＶに合わせてすべてのホームの嵩を削った結果、
旧来の車両ではこのように、市内区間用ステップを使用しないとならなくなったのです。



西鯖江までの短い区間を楽しんだあと、越前海岸まわりで敦賀へ出て、
北陸～名神～東名～中央ルートで帰りました。
相変わらずプジョー５０５のワーニングはぼんやりつく状態。
オーディを消したり、ヘッドライトをこまめに消したり。ひゃー。
しかも途中談合坂SAでエンジンストール...ぎゃー。
なんとかかかったけど、いやあ、ビビりました（泣


>>本来の使い方が似合う路線に引き取られた、もと名鉄の車両たち。
末永く福井の地で活躍することを願います。

>>たいへんかもしれないのだけど、あの名鉄モ510も購入して走らせれば、
十分な観光資源になったのになあ、って思うのですがそれは高望みかもしれません。