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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【ナローゲージ】頸城のホジに会いに行ってきました(2)ホジ3編

2009-10-29 | ナローゲージに思いを馳せる


さて、お目当てのホジ3は、奥の側線に移動したあとからゆっくり見ることが出来ました。


ただ...
村おこし的なイベントなので子供たちの似顔絵はかわいいんですが、
「そのまま」のホジが見たかった自分にはなんとも(涙





でもなにはともあれ
平成も21年になった今日日に、廃止後40年近くたった頸城のホジ3を
ほかの場所...たとえば博物館などではなく、
ゆかりある百間町の車庫で見ることの出来る素晴らしさに感動しました。


ホジ3の「ホジ」は、「ボギー台車」を持つ「ジーゼルカー」の頭文字。
ホジ3が導入される前に頸城にあった「単端(運転台が片方にしか無い車両)」が
ジ1・ジ2だったので、その続番号で「ホジ3」になりました。





ホジ3を人気ものにしているのが、このユーモラスな外観です。

大正14年の開業時に用意された客車のうち、
畳敷きだった特別車両「ホトク1」を自社工場で
昭和7年にエンジンを取り付けて「自動客車」に改造したのがホジ3なのですが、
現在の姿になったのはエンジンをいすゞDA45ディーゼルエンジンに換装したのと同時の昭和26年。

戦後の改造なのに車体はオール木製。唯一乗務員ドアが鉄...。
客ドアは真ん中にぽつんと。左右にデッキがあった客車時代の名残か、
車端の裾だけ下に伸びています。


そしてこの顔...。アンバランスな窓のサイズに、ぽつんと1つだけついた小さな前照灯に、
なぜか半埋め込みのテールランプ。



何もかもが、変わった外観ですよね。
でもそれがナローファンの心をつかみ、神格化された存在にもなりました。


それが目の前にあるんです。
ケイベン野郎になりつつあるieには、夢のような時間でした。



車内がすくころまで待って、ようやく乗りこみました。

すべて木で作られた空間は、やさしくて、まるで落ち着いて過ごせる部屋のようです。
シートの生地も張り替えられています!

そしてゐぬ乃師匠とホジの車内で軽便&クルマ談義...
なんとも濃厚な時間でしたね!




ホジ3といえば車内のど真ん中に堂々とに張り出したこの木箱...
物置台にしか見えないんですが...。





これ、実はエンジンカバーなんですねえ。
エンジンの背が高いので、車内に飛び出てしまってます。
木の板一枚で熱や音を遮蔽していないという大胆さ(^^;
夏は暑かったでしょうねえ...。


鎮座ましますDA45 部本欠品は無いようだが、こりゃあ動くようになるのかなあ(涙



吊革の金具も凝ったデザインですね。ハート形の部品もあります(@^^@





続いてエンジンや足回りを外からチェックです。

90馬力を発生したという、いすゞDA45型エンジン。
だいぶサビサビです。




ドライブシャフトは外されています。
これがつながって、このホジが動いたら嬉しいなあ。





客車用台車を無理やり駆動台車に改造した動台車。
本来はロッドつきだったそうです。
ロッドを外した後の軸がむき出しですね。





従台車。客車用台車そのものの姿です。




いやはや、すごい。ホジ3まじまじ見てきました。夢のようでした。

ここまでこぎつけられたのは、
くびきのお宝のこす会や地元のみなさんの努力のたまものでしょう。
そして、これを長期間にわたり保管していた方、
さらには頸城に返してくださったそのご子息様。
ありがとうございました。


21世紀の奇跡に乾杯。




>>似顔絵を消し、お客さんも極力写らないように撮ってみました。
柿の木が渋すぎる演出です。
現役時代にタイムスリップしたような錯覚を感じました。





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3 コメント

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明延鉱山の (あんまや)
2009-10-29 00:40:19
10円電車に乗りたい
返信する
明延と (ie)
2009-10-30 00:14:39
あんまやさま>
同じ日だったんですよね...

30mの移動とはいえ
復活運転には変わりなし!
軽便野郎のハートに火が付いています!
来年いかがですか?ieは行くかもしれません!
返信する
ホジ3-2 (とことこ)
2012-09-20 12:12:32
動いたそうです。
新潟日報2012年9月20日
「ホジ3」40年ぶり発車
上越・頸城
 上越市頸城区の「くびき野レールパーク」で保管中のディーゼル気動車「ホジ3」が19日、エンジンなどの修理を終え、パーク内で約40年ぶりに自走した。レトロな自動客車として鉄道愛好者に人気があり、10月20、21日に乗車体験会が開かれる。
 ホジ3は42人乗り客車で、旧頸城鉄道で活躍した。全長約10メートル、幅約2メートルで、重さは約8トン。現在は市が所有し、地域活性化に取り組む地元のNPO法人「くびきのお宝のこす会」が維持管理している。

是非、動いているところをUPしてください。
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