Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【シトロエンな話】商用車の広告までもが美しい。

2011-11-10 | シトロエンな話。
1977年のオランダ版のシトロエン商用車カタログです。

商用車のカタログなのに、全編にわたる息をのむような美しい写真。
裏寂しい、どこかしら抒情的な風景の中、見事なシチュエーションに配置されたクルマたち。
商用車のカタログに、なぜここまで...(感涙)。

多くは語りません。どうぞ、ゆっくりご覧ください。




表紙。たたずむC35のシルエット。これでまず圧倒される。日本の商用車のカタログにはありえない。







カタログはオランダ版だが、それは言語の問題だけであって、カタログ自体はフランスで作られているものと思う。
いきなり農業国フランスの、人の手が介在した幾何学模様を持つ美しい農村の俯瞰風景を持ってくるあたりに、
類まれなるセンスを感じさせる。







下位レンジからの紹介のため、2CVのバン、250からカタログはスタートする。
計算して作っているとはまったく思えない、あまりにも自然なシチュエーション。
250はそれまでの「AZU」の名前が1970年に変わったもの。







続いて400。AZU~250よりも積載量が多い。こちらも「AK」という名前だったが、1970年に400(AKS)になった。






続いてメアリ。ユーティリティビークルでもあるメアリは、もちろんその多用途性を活かし、商用車としても紹介されている。
漁港で使われているというこの絵が最高。水で丸洗いといったイメージのメアリには似合っている(汗







2CVの仲間はまだまだ続く(笑)。次はAmi8 Service(セルヴィス)。
言うまでもなくAmi8のコマーシャルバン仕様。
青いボディカラーといい、窓がない荷物室部分といい、たまんない。これ欲しい。
これで仕事したらいい看板になりそう。






いよいよGSの登場。これまた2ドアで窓の無い、GS Service。
どんなに荷物を積んでも車高も光軸も変わらないハイドロの商用車というのは、
ある意味ハイドロ車の使い方の極意ともいえる。かっこいい。
BMWのバイクを先導につけ、重要な医療品を安全に優しく、かつ速く届ける、といった状況なのだろうか。








いよいよ真打?H(アッシュ)。でもこのころはもう「1600」などといった積載量で車名を示すのみとなっていた。
カタログ写真を見ると、キャビン以外はそれこそぶら下がってるだけの「FF」の構造を活かし、
どんな車体も作れることを示唆している。それにしても「牛」を積むのはデフォなのね(笑







最後はHの後継、C35。シトロエンなので、むろんFFの商用車。このC35もまた、限りなく低い床を持ち、
さまざまなボディを架装出来た。そしてまた牛の搭載シーンも(爆
なお、C35には、兄弟車として「フィアット242」がいる。





>>どうでしたか。多くは語らないって言いながら語ってしまいましたが(汗)、
ひとつひとつの写真の空気感というのがすごいですよね。スタジオ写真で済まさないで、
外でさまざまな使用シーンを与えられているのですけど、そのどれもが「ここまでせんでもw」
ってものばかりで、なんだか感動してしまいました。

>>しかも、どれもこれも薄暗く、ウエッティで、そして抒情的で、なんだかフランスっぽくてたまらないんですよねえ(^^;

コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする