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イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

【セダン蒐集癖】Vol.275 ジャガー新世代の旗手 「XF」にケンジントンの面影を勝手に見る

2011-08-17 | セダン蒐集癖。



ジウジアーロ御大が好きな方なら、
彼の作品、ジャガー・ケンジントン(kensington。1990年)を憶えておられると思います。


当時ジャガーといえばXJシリーズが象徴するように、低いスタイルが特徴的だったのです。
とくにトランクは低く長く、大型3ボックス・セダンらしい伸びやかさを持っていました。


XJ



ところが、実際にはこのデザインテイストはトヨタの初代アリストに流用された、
とも噂されるこのケンジントン、
どちらかというと丸っこく、縦方向へのボリュームもありました。
これって、XJの前のジャガーのメインストリームであった、
Sタイプ、Mk.IやMk.IIの「丸さ」が再現された!とieは思い、興奮した覚えがあります。



Mk.II


「丸っこいジャガー」は、一時期、このケンジントンよりさらにクラシカルで、
まさにMk.IIのようなデザインでリンカーンLSをベースに開発された「Sタイプ」や、
それよりはもう少し現代的な解釈が施されたモンデオベースの小さなジャガー「Xタイプ」
にも見られましたね。


Stype




で、ようやく今回の話のネタである、「XF」なわけです。
これは「Sタイプ」の直接的な後継車にあたるクルマなのですが、
デザインは大幅に見直され、随所にジャガーのエッセンスをちりばめながらも、
フォルムは若々しく、スタイリッシュなものになりました。





このXFといい、現行のXJといい、
ジャガーってときどきこういう思い切ったことをするのが面白いです。
ただし、前任たる「Sタイプ」のデザインが単なる
レトロフィーチャー気味なところが多少あったことを考えると(でもieは結構好きです)、
古臭さを払拭しようと試みられた「XF」のこのスタイルは十分理解できるものです。



ところで、話しをケンジントンに戻しますと、
ieはこのXFを見た時、なぜか真っ先にケンジントンを思い出しました。
決してデザインが似ているわけでもないし、XJの新型へのプロポーサルだったケンジントンと
XFには何の関連性もないのですが、
でもあの当時、ジャガーといえば「XJ」という印象だった時代に、
斬新なフォルムなのに、伝統的なアイコンをきちんと持っていたデザインを送り込んできた
ジウジアーロすごいなやっぱり、と感じたのですね。

なので、なぜか今でも、XFやXJといった「新しいフォルムのジャガー」には、
ほのかにケンジントンの面影を感じてしまうieなのでした。




>>伝統と斬新さというのはデザイン的に両立するのは大変なことで、
でもそれを実現しているクルマって、やっぱりいいなって思うのです。

>>話がそれるのですけど、そういう意味では「シトロエンC6」って、すごいなあ、
って感じで結局フランス車の話題で終わってしまうのでした(汗


コメント (6)
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