Retrospective...

イラストレーター/ライター遠藤イヅルの困った嗜好をばらす場所

2万5千馬力

2006-09-12 | てつどう。


東海道・山陽新幹線を「のぞみ」として走る500系が、
東海道区間から引退することになったようです。


500系は、JR西日本が開発した新幹線電車で、1996年に運転を開始しています。
山陽新幹線内での営業最高速度は300km/h。
これを実現するために先頭のノーズは極限まで低く長くなっていて、
さらには車体断面は従来に見られない円形なので、
まるで翼のない航空機のような車両になりました。
技術的にもハイライトが多く、まさに日本の鉄道技術の結晶とも言えるものです。

で。この500系。すさまじい高出力なのです。
なんと発車後4分程度で300km/hまで加速出来る圧倒的な加速力。
これは、連続定格出力285kWのモーター×4/両 ×16両なので18240kW=約2万5千馬力という
途方もないパワーがもたらすものです。

日本の代表的な電気機関車・EF65型が定格2550KWですから、
500系は1編成でこの機関車7両分にも相当します。

それでいてブレーキ性能も優れていて、
滑走防止の「セラミック噴射装置」を装備。
なんと300km/h走行時でも270km/h走行時の300系と同じ程度の制動距離なのだそうです。







そんなこんなのハイテク・超弩級新幹線500系ですが、それゆえ製造費も桁違いで、
1編成50億円!とも言われています。
そのため量産は9本(144両)で終了し、以降はJR東海と共同設計の700系に
引き継がれました。


それにしてもわずか10年程度で東海道筋からの引退は、想像範囲内であったとはいえ
やはり衝撃的です。
●定員が他の車両(300系・700系)と合わず、緊急時の運用変更に問題があったこと。
●車両の断面が円形で窓際の席の居住空間に圧迫感があり、不評だったこと。
などの理由があげられていますが、どうもJR東海側のわがままなn(ry

500系のあと量産された700系は性能と居住性などのバランスが勘案され、
そして500系の後継にもあたる「N700系」は500系に近い性能+700系の居住性をもつと
言われています。
ですが、やはりオトナも子供も熱中してしまうような、
誰もが「すごいなあ」と思わせるインパクトを持っている500系が表舞台から姿を消すのは
とても残念です。




>>オーバースペックということばに滅法弱いもんで...それも好きなんですよねえ。

>>高速で酷使される新幹線車両の寿命は一般の鉄道車両よりも短く、
つい最近出たばっかりという印象の300系ですら、もう廃車の予定がたっています。
丸い鼻の0系は最近まで東海道新幹線にいたし、
西日本ではいまでも使っているけれど?という話ですが、
これは0系が昭和39年から昭和61年まで延々と作られていたからなのですー。
コメント (14)
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