BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
読んだ本や見た映画、食べた料理、旅先、育児や日常のことなど、趣味をつらつら語ります

シュリーマン旅行記

2019-04-01 13:34:14 | 読書感想文
今日から新学期・新年度ですね。
そして新しい元号も発表に!
「令和」
平成に比べるととても落ち着いた響きで私は好きです♪
和がつくあたり、、、日本らしい感じですかねぇ。

さて、先日読み終わった本を紹介します。
新しい世界とは真逆に、
古き日本へタイムスリップできる内容でありました。
トロイの遺跡を発掘したシュリーマンが幕末の日本を訪れていたとは!!
その観察力と記録の細かさと言ったら、
読んでいて江戸時代の日本人の生活が手に取るようにわかる。
時代劇が好きな私にとっては読んでいて始終飽きない内容でありました。
外国の特使でもはたまた武器商人でもないシュリーマン。
でもようようなツテをとり、ついに幕末の江戸に参入。
毎日江戸の町や時には八王子などの田舎まで足を運ぶ様子が、
細かい描写で日記のように記されており面白いです。
日本の独楽回しの曲芸のすばらしさや、
店で売られている小鳥の玩具の仕掛けのすごさ、
また質素ながらもとにかく清潔でシンプルな生活の様子など。
この時代の日本はとにかく外国人が危険にさらされた時期でありました。
そんなときによくここまで見て聞いて調べられたなぁと感嘆します。
また警護の日本人の役人の勤勉さにも触れており、
ああ、最近はこういう日本人って少ないかも、、、と思うくらい、
武士道精神にあふれた誇り高き清らかな様子がうかがえました。
銭湯の話なども面白いし、
浅草の浅草寺にも観光に行っていて、
その時の仲見世の仰々しさも今と変わらないのだなぁとクスリとさせられます。

対照的に日本に来る前は清=中国に滞在されており、
その様子も書かれているのですが、
町の様子や人民の姿をかなり辛辣にコケおろしています。
その比較がまた面白いです。
こんな遠い昔でも外国で遠い島国日本のことが「あそこはよかったよ」なんて、
外国人の間で評判になっていたなんて嬉しくなりますね。
〇シュリーマン旅行記 清国・日本 石井和子訳 講談社学術文庫