今から35年ほど前、それはぼくが小説らしきものを書き始めたころのこと。
ぼくは、京都の或る同人誌に所属していた。
そこでなぜか不思議に気が合った3人、ぼくと、猪飼丈士、伊佐四四信。
3人で同人誌を発行しようではないかと意気統合した。原稿用紙400字詰め30枚
あれば何でも書ける。だから「さんじゅうまい」と、いう同人誌名は猪飼が考えた。ぼくはいちばん若かったため、猪飼からいわれ表紙デザインをしたらしいのだが、そのことをまったく覚えてはいない。が、猪飼はぼくのデザイインした表紙画を持って35年ぶりに現れた。なにか忘れ物をしたようで、気になって仕方がない。3人で今更ながら同人誌を出そうではないかということだった。
6か月の間に作品を仕上げ、11月に発行することを決め、ぼくらは判れた。暫くして猪飼から写真の葉書が送付されてきた。その葉書には、「砂山の 錆びたナイフに 春の雨」と、書かれていた。
そして11月、「さんじゅうまい」はひとり20部ずつ出来た。
さて、ナイフは錆びているかどうか、楽しみである。
ぼくのデザインが35年ぶりに生き返った。
猪飼さんからの葉書。左から、猪飼、伊佐、ぼく。
目次。
ぼくは、京都の或る同人誌に所属していた。
そこでなぜか不思議に気が合った3人、ぼくと、猪飼丈士、伊佐四四信。
3人で同人誌を発行しようではないかと意気統合した。原稿用紙400字詰め30枚
あれば何でも書ける。だから「さんじゅうまい」と、いう同人誌名は猪飼が考えた。ぼくはいちばん若かったため、猪飼からいわれ表紙デザインをしたらしいのだが、そのことをまったく覚えてはいない。が、猪飼はぼくのデザイインした表紙画を持って35年ぶりに現れた。なにか忘れ物をしたようで、気になって仕方がない。3人で今更ながら同人誌を出そうではないかということだった。
6か月の間に作品を仕上げ、11月に発行することを決め、ぼくらは判れた。暫くして猪飼から写真の葉書が送付されてきた。その葉書には、「砂山の 錆びたナイフに 春の雨」と、書かれていた。
そして11月、「さんじゅうまい」はひとり20部ずつ出来た。
さて、ナイフは錆びているかどうか、楽しみである。
ぼくのデザインが35年ぶりに生き返った。
猪飼さんからの葉書。左から、猪飼、伊佐、ぼく。
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