ねーさんとバンビーナの毎日

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毛利元就より。その3

2009年09月08日 19時03分17秒 | 考えるねーさん
たしかに近隣の諸将を敵に回すのは怖い。しかしそれが本当に恐ろしかったのは、昨年までではなかろうか。相合元綱の事件は悲劇であったが、それが幸いした面も大きい。あの事件で反元就分子が一掃され、家中は元就中心に固まった。いまや、少しぐらいの敵がふえたとしても、一致団結の毛利には跳ね返す力を持っている。だが、皆が萎縮すれば、できることもできなくなる。弾みがつけばできないこともできてしまうのが人である。

弾みをつけて、大内と手を握りたい。広良はそう思った。

突然、元就が笑い出していった。

「じいさま、心配するな。わしはよい家来を持っておる。わずか五、六百で一万五千もの大内衆を走らせた家来をな…。山陽はおろか、天下にこれほどの強兵はおるまい」

さらにいい添えた。

「周りが敵なら討ち滅ぼせ。味方が味方を打つのは許されぬが、敵となればなんの遠慮がいろうか…。いまこそ、毛利鷹の餌場を広げる絶好のときぞ」

一座はちいさくどよめいた。一同のしおれた顔に活気が戻り、顔もゆるんだ。福原広俊が自分の顔を叩きながら、

「なるほど、銀山でのことを思えば、周りのものが束になっても、御当家はびくともするものではないか。それがしも年を取り申した。とかく引っ込み思案になりおった」

と、いって笑い出した。一座も笑い声につつまれた。



フムフム。
いやぁ心意気がいいや。
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