全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

トヨタ一連のリコール問題について

2010年04月09日 11時54分04秒 | Weblog
世界で、トヨタ自動車が一千台に上るリコール問題を発生して、社会的責任が問題になっています。また、トヨタグループで働く労働者で組織している労働組合としての社会的責任も問われています。今回「声明」を出すことになりました。皆さんと問題を考えて行きたいと思います。安全と安心して乗ることができる車つくりのために!
近日中に、トヨタ自動車へ第二弾「要請書」も出す予定です。

全トヨタ労働組合
2010年3月24日

トヨタのリコール問題に関する声明

トヨタ自動車のリコール問題が社会的問題として世界から注視されています。
今回(2010年)世界的に問題となっているリコールは、①フロアーマットがアクセルペダル引っかかる。②アクセルペダルの磨耗により戻りにくくなる。③HV車プリウス等のブレーキ制御が瞬間的に利かなくなる。
 以上三つのリコールが、日中米欧で合計1千20万台を超えるものとなり、きわめて深刻な事態であり、アメリカ議会で問題追及の発端となりました。

なぜこのような事態を招いたのか
 全トヨタ労働組合は、4年前の2006年10月3日付で『リコール問題についての要請書』を会社側に出しており、リコールの急増とリコール隠しとも思える欠陥隠しを指摘、生産における安全性に重大な懸念を表明し、社会的責任を果すよう問題提起をして、回答を求めてきましたが、こんにちまで無視され続ける結果となっています。
 日ごろは「お客様第一」といいながら、従業員の指摘にも耳を貸そうとしない経営体質にこそ、大きな問題がはらんでいたと言わなければなりません。
 豊田社長は記者会見の中で、「品質問題を招いた原因の一つに、社内の一部に市場シェアーと利益を過度に優先していたため」と反省し、「安全性と品質」より「量とコスト削減」を優先していたことを明らかにしました。
 しかしその実態は、次のようなところにあると考えられます。
 即ち、自動車を組み立てるのに約3万点の部品が必要です。その部品の多くは、トヨタとの取引関係にある、300社を超えるサプライヤーから供給されています。
 2000年以降コスト30%削減策が強引に行われたことで、サプライヤーでは部品一点一点を作り上げる職人さんが職場から排除され、安価な労働力として派遣・外国人労働者などが大量に採用されてきました。最低賃金はおろか、時給300円などで働かされ、労災が多発するなど、雇用と生活が不安定な上、劣悪な環境で働く労働者の実態があります。
 まさに、トヨタだけが儲かる仕組みを作り上げてきたことが、今回の真の原因です。
 もう一つは、製造現場における大量の非正規雇用従業員、納期に追われて忙しすぎる技術陣、過労死やうつ病を生むきつい労務管理などの問題を放置したままでは、「お客様第一」と言っても言葉だけになります。相次ぐ企業の不祥事のなかで、歴史と教訓にどれだけ真剣に学び、「生産台数第一」「金儲け第一」の体質を本当に変える気があるのか、今トヨタの本気度が試されています。
 私たち労働組合も、社会的責任を果たす意味で、組合員の労働条件改善に取り組むだけでなく、市民の皆さんと協力して、リコール問題、コストカット、雇用形態を含む会社の反社会的行為に対して厳しい目を向け、改めさせていく取り組みを強めていきます。
以上。
コメント (2)
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