全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

あまりにも対応がひどすぎるデンソー

2014年10月25日 08時50分51秒 | Weblog
 征伐してやる

 10月24日(金)午後2時50分、某警察署から当労働組合に電話が鳴った。何事かと思ったら、(株)デンソーで働く期間従業員が全トヨタ労働組合に助けを求めてきました。理由は警察で聞くことにして、私が出かけました。生活安全課で(保護)されていました。署にきた当初はかなり興奮していたそうで署員と話をしているうち落ち着いた様子でした。
 事の発端は、入社されたのが10月22日で、某独身寮に入居したのはいいのですが、独身寮の間取りは玄関が一か所で中は6畳程度の部屋が4部屋に仕切られており、トイレ洗面所は共同使用です。水洗トイレですが、シャワー温便座がついておらず、共同のためカバーをつけることができないのと、トイレと部屋に異臭がこもり咳が出るようになるなど住居環境が悪く、よほど我慢が出来なかったようです。部屋を変えてくれるように要望したが、どこの部屋も同じ環境でした。会社の担当者は前向きに検討しますと返事をしてくれたにもかかわらず、3日目の研修中に呼び出され、「要望に応えられない」とむげに断られたそうです。「まえむきに・・・」という言葉と回答とにかい離があり、期待していた彼は怒りを覚え、とっさに会社を飛び出し自殺を図ろうとして近くの山に逃げ込んだそうです。その行動に危険を感じた会社担当者は、追いかけ捜索しながら、某警察署に捜索願をだして大騒ぎになり、某警察署に保護されたようです。ところが、私が署に着いた午後3時40分時には会社関係者はおりませんでした。デンソーの従業員なのに引き取ることもせず、あきれることに警察に丸投げをしていました。昼食も差し出さず、空腹状態と目をはらし、むなしいほどでした。初対面でしたが、彼を当労働組合が身元引受人になって引き取りました。
彼を車に乗せて、まず遅い夕食を餃子王将で腹いっぱい食べてもらいました。23歳と若いのに考え方もしっかりしていて自己主張ができる青年です。なのにこんなことになってしまったのか、彼だけを責める気にはなりませんでした。

 警察署では、署員から「採用を取りやめること」を会社が言っていることを聞いたそうです。(後に会社は、採用取りやめを本人と合意していると言っています)青年は文書で交わしたわけでもなく、合意した覚えはないと言っています。従業員証は会社が没収していました。住んでいる寮は、25日(土)に退寮するよう告げられていました。あまりにもひどすぎるデンソーの対応です。西尾工場の人事担当者に面会を求めて行きましたが、退勤していて話ができませんでしたが、本社の人事採用課の担当者に電話がつながったのが午後7時くらいでした。詳しくわかる人が退勤しているとのことでしたが、連絡を取ってみる旨で、折り返し連絡をくれることになりました。独身寮に出向き、担当者と話をしたら事情をすでに知らされていたようで、デンソーからは明日(25日)中に退寮するよう指示を受けていますとのことでした。デンソーは理由も述べずに一方的に「採用取り消し」を決定し、寮から追い出そうとしました。雇用契約が来年の4月まであるのに一方的に破棄することは解雇であり、労基法違反です。このことを人事担当者に話して対処するよう求めました。今から検討をして折り返し返事しますとのことだったので、寮で彼と連絡を待ちました。21時、22時、23時になっても返事がきません。再三催促をしました。返事が来たのが23時15分でした。とりあえず、26日(日)まで寮の使用ができることになりました。
 27日(月)の今日刈谷労働基準監督署に「すでに働いており、採用取りやめは、解雇にあたるので違法であるので調査するよう申告しました。

 寮の件でこの程度は我慢できないのかとの意見もあるかと思いますが、聞くところによると他の同僚も自分の部屋のトイレは使用したことがないといいます。私のような年配は洋式でも温便座等がない時代ですからボットンでも平気でしたが、住宅事情も変化して住居環境がずいぶん変わりました。若い人たちはそれだけに抵抗があるのはよくわかります。彼が入居している寮はいわば独房みたいなもんです。今どきの寮は当然個室化されてプライバシーが守られるような環境になっています。郵便受けも集合方式になっていて、他人の郵便を故意に持ち去ることもできるなど、プライバシーが守られていませんでした。期間従業員の皆さん、疑問に思うことがあるのに、黙っていては何も変わりません。労働組合に加入して、自らを守り、みんなで声を上げてより良いものにしていきましょう。
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AKK吉田裁判高裁口頭弁論日程

2014年10月21日 15時53分41秒 | Weblog
名古屋高等裁判所における口頭弁論日程が決まりました。
11月28日(金)午前11時30分で口頭弁論が1003号法廷でおこなわれます。多数の傍聴をお願いいたします。

 控訴理由答弁書、反論準備書面、附帯控訴状、附帯控訴理由書を出すことになっています。国側は地裁の労災認定判決を一旦確定させたうえで、今回高裁に臨みます。どのような新しい証拠を出してくるのか興味のあるところですが、進行協議で行われた「作業再現実験」でも明らかなように、手首への負荷がかかっていることは明瞭です。高裁の不当決定を押し返すためにも何としても勝たねばなりません。ご支援よろしくお願いいたします。
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名古屋高裁はどこを向いているのか

2014年10月19日 09時15分54秒 | Weblog
名古屋高裁「補助参加」受理を決定

 2014年10月15日付通知書によると、名古屋高等裁判所は、アイシン機工(株)の補助参加を認める決定をしました。3月18日地裁で労災決定の判決が出た後に、アイシン機工が補助参加を求めた事例ですが、これまで全国的にも同事例がなく、高裁の判断が注目されていました。
 高裁の判断は、労災として認められると、会社にとって労災保険料が増額されることになり利害が発生するから、参加を認めるというものです。この判断はどう見てもおかしいです。労災保険は被災者の救済のために制度化されているものであり、制度の趣旨をまったく理解していません。保険料が増額されると会社が倒産するとでもいうのでしょうか。
 こんなことを司法が認めてしまうと、これからの労災裁判は被災者の心情を重苦しいものにしてしまいかねません。ほかにも心配しなければならないのは、労働災害を私病扱いにして隠したり、休業しなければならない怪我でも出勤させたりなど、会社の責任を逃れるために被災者責任にされることです。
 労働災害保険の意味をなさないことになることだけは避けなければならないと思います。吉田裁判は高裁で審理に入ることになりますが、認められなかった左手については付帯控訴をして争うことになります。これからもご支援をよろしくお願いいたします。
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AKKの補助参加問題におもう

2014年10月15日 13時40分05秒 | Weblog
労災損害賠償訴訟をたたかっている梅村さんから寄稿いただきました。

「ともにあゆむ裁判(南医療生協労災損害賠償訴訟)」原告の梅村紅美子です。
 アイシン機工の吉田さんには、提訴当時から熱い支援をいただいてきました。
吉田さんの3月18日の名古屋地裁での判決も傍聴し、実質的勝利判決だと喜びました。
 しかし、控訴期限直前になってアイシンが前代未聞の「補助参加」をすると聞き、怒りに震えました。国との間で労災を争ってきたのに、結審のあとにここまで悪あがきをするとは、大企業としても恥じるべき行為だと思います。
私は、南医療生協で事務として21年間、「弱いものの立場」に立つ職場に誇りを持って働いてきました。2000年に病院増改築工事の事実上の現場責任者という重責を任され、うつ病を発症しました。しかし、南医療生協は入院中のベッドから出勤させるなど、安全配慮義務違反を重ね、2008年、休職期限満了を理由に「自然退職」とされました。
「うつ病発症は労災である」と申請し、2010年裁判提訴直後に愛知労働局は、逆転認定しましたが、その後も南医療生協は裁判でも「労災」の事実を否定し続けてきました。
 証人尋問で勝ち目がないと判断したのか、被告から和解協議の希望が出て、現在協議中です。
吉田さんの裁判もそうですが、会社が労働者の安全に配慮し、労災を起こしたら、重く受け止め、謝罪し、原因究明・再発防止に努めるのはあたり前のことです。
 吉田さんの裁判が一刻も早く解決し、労働者が元気に働き続けられる職場になってほしいと思います。梅村紅美子
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トヨタ系アイシン機工吉田裁判の経過

2014年10月10日 22時53分44秒 | Weblog
裁判所前報告会

 本日(10月10日)、午後1時10分から地位確認・賠償裁判の課題として、進行協議が名古屋地裁で行われました。法廷外の別室で行われた「作業再現検証」は傍聴を認めず、原告吉田氏と会社側が指名した若手の作業者で行われました。
 エンジンカバーとカバー立ては、会社が用意しました。スタットボルト・内手袋と外ゴム手袋は双方で入手し、違いがないか確認をしました。双方で5基づつエンジンカバーを手配され、一基づつ二本のスタットボルトをどのように仮締めするのかの動作を再現しました。
 会社の作業者は、指先でスタットボルト廻しながら締めていましたが、原告は従来とおりスタットボルトをつまみ、手首を回転させながら連動して締めていましたが、双方に違いがあることがわかりました。一分一秒を争うトヨタ生産方式のもとで、会社の作業者の動作はありえません。そんなのんびりしていては間に合いません。というのが原告吉田氏の解説でした。
 ほかに、仮締めした場合のねじの深さ等を双方が測定して、データにして裁判所に提出することになっています。次回の裁判は、12月2日です。
 尚労災裁判の問題は、近じか高裁判断が出る予定です。会社側は、補助参加が認められない場合は、最高裁に「抗告」すると公言しており、どこまでも裁判を長引かせて原告を苦しめてやろうとしています。このような企業は典型的な「ブラック企業」です。何のために労災保険をかけているのかわかったもんではありません。

以下は再現検証のために何をすべきか述べたものです。
 
 作業再現の準備について

⑴ エンジンカバーについては、被告が未使用のもの20枚(当日は10枚)を用意し持参する。
エンジンカバーをたてる台についても、被告が用意し持参する。
 但し、使用するエンジンカバー及びスタットボルトの仮締め穴は、新品のドリルで空けられたものであり、原告が実際に作業していたものとは異なる。
ねじ切り用のドリルやタップは、本来、3000個の穴を空けた時点で交換するよう決められていたが、被告会社では9,999個の設定と変更し、それを超えた場合も、折れるか検査係が検査をしてもう駄目だよと指摘するまで使用を続けていた。新品のエンジンカバーに新たに新品のドリルで穴を空けた場合に比較すると、実際のスタットボルトの仮締め作業は、穴が狭くなったりバリがついて固くなった状態で続けていたものである。
 原告としては、以上の指摘は行うが、当時の作業状況を再現することが困難であることに鑑み、上記の点を指摘し、裁判所においてこの点に留意されることを前提とした上で、被告が用意したエンジンカバーを使用して作業再現を行うことには同意する。
⑵ スタットボルトについては、双方が未使用のものを用意し持参したうえ、期日の席上においてその同一性を確認する。
同一性につき異議があった場合は、原告と被告双方が自らと相手方の用意したスタットボルトを半分づつ使用して再現作業を行う。
⑶ 作業者が着用する手袋については、原告が原告の手元に残っている当時支給されたものを持参し、被告が未使用のものを用意し持参したうえ、期日の席上においてその同一性を確認する。
⑷ カメラ及びビデオカメラ等撮影機材は、双方で用意し持参する。
⑸ 計測用のノギスについては、双方で用意し持参する。

 再現作業について
ア 原被告の作業再現担当者において、それぞれエンジンカバー10枚分(当日は5枚)づつ、下記の手順でスタットボルトの仮締め作業を行う。ただし、作業の内容はそれぞれが主張する態様による。
① スタットボルトをつまみあげる。
② ねじ穴にスタットボルトを入れる。
③ スタットボルトを手で回す。
原告については、左手でも作業を行ったと主張しているため、左手作業を1回再現する。ただし、いまだ左手に痛みがのこっているところ、作業による悪化が懸念されるので、左手作業については作業手順を確認するだけにとどめる。
作業の状況については、作業者の正面方向にビデオカメラを設置して作業全体像の定点撮影を行うほか、原被告それぞれの動画撮影担当者が手持ちのビデオカメラを使用して任意の位置から作業者の手元の状況を撮影し、記録化する。また、双方の写真撮影担当者が、作業の要所について任意の位置から写真を撮影し、記録化する。
イ それぞれの作業者がねじ込んだ後、双方のノギス計測担当者が、原被告双方の作業結果につき、次の①及び②の方法によりねじ込まれた深さの測定を行う。
① 外形的にねじの頭からエンジンカバーまでの距離を測る。
② ねじを抜いて、ねじの全体の長さを測定する。
それぞれの担当者が特定した計測結果を数値として記録化するほか、目盛の読み方についての争いを避けるため、計測時のノギスの目盛の状況について、双方の写真撮影担当者が写真を撮影し、記録化する。
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AKK吉田裁判の現況Ⅴ

2014年10月01日 22時55分19秒 | Weblog



控訴審が始まれば「付帯控訴」をする
 もし仮に、国に対する裁判の控訴審が始まるということになれば、こちらからも左手についても労災を認めてくれと主張していくことになります。その場合は、付帯控訴をすることになります。
 右手は認めて左手は認めないという一審判決に対して、国およびアイシン機工側は、右手を労災と認めたのはおかしいとして控訴しているので、そのままでは、控訴審は右手についてしか判断しません。こちらから左手について控訴しないといけないのですが、すでに控訴期限は過ぎているので、控訴できません。しかし、相手が控訴している場合は、それに乗っかって控訴できるのです。それを付帯控訴と言います。 
 「補助参加」が認められれば付帯控訴はできる。認められなければそれはできない。控訴審になれば、左手についても業務との因果関係があるのだという主張をしていくことになります。
 吉田さんは、スタットボルトの仮締め作業をやっているうち、右手が痛くなり、仕方なく、利き手でない左手で仮締め作業をやりました。その結果、左手首も痛めてしまいました。
 しかし、労基署で聴取をされた頃は、吉田さんは仮締め作業が原因であると思っていませんでした。エンジンカバーを両手で持って検査のためにぐるぐると廻していたのが原因だと思っていました。ですので、左手で仮締め作業をしていたとは、特に言わかったのです。だから、一審判決の左手についての判断はおかしいのではないかと主張していくことになります。
 最後に今度の裁判で特徴的なのは、アイシン機工の職場の人をはじめ各層から大変注目されているということです。負けるわけにはいきません。

裁判が長引いています。支援募金にご協力を!

ATU裁判を支援する会が裁判支援募金を訴えています。宜しくお願いいたします。
振込先 (郵便振込 0820-1-128457 ATU裁判を支援する会)
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