全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

ATU創立10周年に寄せてパート2

2016年12月28日 19時31分08秒 | 組合創立10周年


トヨタ自動車過労死遺族の 内野さんから寄せていただきました。

「対外的な視野をもつ貴重な労働組合」

10周年おめでとうございます。
もう10年経つのですね。壮大な目標に向かってATUが設立された10年前の2006年を思い出すと、それは私にとって最悪な年でした。
 夫が2002年にトヨタ自動車の堤工場で過労死で亡くなったのにも関わらず、その過重労働やカイゼン活動が認められず、労災認定を求めて名古屋地裁に行政訴訟を起こしていた最中でした。しかも、2005年秋から2006年春にかけて祖父母と母が亡くなり、悲しみの中で混乱した親戚の支援も受けられない中、暗いトンネルを手探りで進んでいました。そんな中、健康センター、家族会、支援の会、うたごえのみなさんに続いて応援して下さったのがATUの皆様でした。
 トヨタ関連の組合が2つありましたが、労働環境を中から変えようとする組合と、外から変えようとする組合で、前者は取り合ってもらえなかったので、ATUは後者と理解して支援をいただき、おかげさまで2007年に勝訴しました。
 署名や傍聴応援はもちろん助かりましたが、私の裁判の場合は「トヨタ自動車」という会社の名前が大きいので、様々な取材や依頼が舞い込んできました。私は遺族としての意見は言えますが、会社の状況や労働環境などは分かりません。そんな時は、ATUのように外に門戸を解放している組合がとてもありがたく、いつも委員長さんに繋ぐことができ、とても助かりました。
 特に、外国特派員協会の記者会見は判決直後で大混乱の中、その意義も分からず準備もできない精神状態で行う事になり、思い返したくないほど恥ずかしい状況でしたが、労働組合として一緒に行動して下さり、とても心強かったことが思い出されます。
 ATUは会社の内外や日本に留まらず、世界に発信できるパイプを持つ意義ある労働組合でとても貴重だと思います。トヨタの研究者の方々も在籍しています。今後も、個人加盟の労働者など支援のない方にとっても強い味方ですので、その意義ある活動を継続していただきたいと思います。本当にありがとうございました。
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ATU創立10周年に寄せてパート1

2016年12月24日 19時00分09秒 | 組合創立10周年
東海道池鯉鮒付近の冬囲い

西三河地域労働組合総連合 足立議長より寄せていただきました。

全トヨタ労働組合(ATU)の結成10周年にお祝いの言葉を贈ります。
 この組合を立ち上げることになったのは,ある若い一人の労働者の過労死事件からだそうです。既存のトヨタ自動車労働組合は,組合員である,一人の労働者の命をも守る組織ではなかった。ましてやこの事件をきっかけに企業としてのトヨタ自動車の働かせ方を経営者に問うことはなかった。ここから企業・経営者と闘う,本来の労働組合の誕生を求める声が当然のごとく生まれたのでしょう。
 今現在,日本の労働者の働き方を見てみると,今までの企業・経営者と立ち向かってきた労働組合の姿勢というものが決定的な影響を与えてきた,ということがよく分かります。大企業のなかの御用組合は,本来の労働組合としての役目を果たしてこなかったからです。同一労働同一賃金という原則,均等待遇という原則,そして労働者の安全配慮義務に対して真剣に向き合って,労働者の権利を守ってきたという形跡はありません。そして何よりも同じ仲間の組合員に対して支援の手をどれだけ差し向けてきたというのでしょうか?
 資本に迎合することなく,どこまでも資本と対等の立場から労働者の権利を主張することこそが本来の労働組合のあるべき姿といえるでしょう。そのために団結権や団体行動権を憲法が保障しているのです。
 闘う労働組合としての全トヨタ労働組合の活動は西三河地域労働組合総連合においても誇りに思える存在だと思っています。一人の労働者が抱えることになった問題を労働者全体の問題としてとらえ,相談にのり,いろんな形で支援を続けていくという姿勢は労働組合の本来の姿だと思っています。
 私が西三労連議長として関わって印象のある裁判は,アイシン機工の吉田裁判であります。私もこの裁判でいろんな勉強をさせてもらいました。公務員であり教職員であった私には教科書の中の世界であったものが,初めて現実に痛みを感じかつ喜びを感じることになった良き教材でありました。
 労働者を取り巻く日本の状況はますます悪化していくように思われます。我々一人ひとりの労働者が創り出した富が一部の富裕層にかすめ取られ,大部分の労働者・国民はわずかばかりのお情けを恵んでもらっている有様であります。この状況を少しで改善の方向に向かせられるのは,我々一人ひとりの労働者であり,国民であります。未組織の労働者に働きかけ,ともに闘う労働組合員を一人でも多く増やすことが,労働組合に課せられた課題であります。私が日ごろ心がけている標語は,「運動は決して焦らず,しかし急いで」であります。西三労連の仲間としてともに頑張っていきたいと思います。
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大企業と癒着のない労働組合をさがす!寄稿

2016年12月17日 20時34分21秒 | 投稿


トヨタ系で働く労働者からの声

私はATUと出会い1年が経とうとしています。
長年にわたり、職場問題で苦しんでいました。
パワハラ 、セクハラ、労災隠しです。
 これまで沢山の弁護士、相談所、政治団体、メデイア、労働団体へ相談しましたが、本気で「大企業」を相手にする協力者は見つかりませんでした。その間、ストレスが蓄積し疲労でいくつもの病気を患いました。
 数年経ち、最後の望みでNPO団体(東京)へ問い合わせをしました。「大企業と癒着のない労働団体は存在するんですか?」と聞くと「ATUを尋ねてください!」と紹介がありました。人を信用できなくなっていましたが、ATUのブログは冷静な判断と、力強さを感じる記事を拝見しました。委員長の写真を見て「この人だ!」、これが、ATUとの出会いです。
 9月25日に開かれた10周年パーティーに参加したのですが、協力団体や支援者の方々とお会いすることができ、更に心強く感じました。相談者同士の交流会も孤独感から解放され心強いです。前向きに考え前進出来ていることは、ATUに出会えた事が、とても大きいです。
何事にも負けないで頑張ります。
 一人で考えていたらなかなか前向きになれませんね。この人のように誰かに聞いてみる意識と行動を起こすまでが大変だと思いますが、気持ちを切り替える心構えが大事だと思います。全トヨタ労働組合は、土日関係なく、いつでもご連絡が取れるようになっています。ぜひ悩んでいる方がいましたら勇気をもってお電話ください。お待ちしています。☎08015568284
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トヨタ二次下請け企業労働者の労災認定裁判

2016年12月09日 19時44分30秒 | トヨタ自動車

地裁判決後の報告集会

 本日9日10時30分から、トヨタ直系の二次下請け会社(テー・エス・シー)の労働者が過労死して労災認定を求めた裁判が名古屋高等裁判所でありました。今回で原告・国とも弁論は終了して結審となりました。判決は来年の2月23日午後1時10分からです。
 彼は100時間近い残業と東日本大震災後のトヨタの変則カレンダー(休日の土日から木金への変更)によって生活をズタズタにされ、過労に陥り心臓疾患で急死しました。ところが労災認定を求めた名古屋地裁は「残業は85時間で労災認定基準に達していない」との冷酷な一言で遺族の請求を棄却しました。このため遺族は名古屋高裁に控訴していました。
 原告の奥さんは、「夫の働きぶりを知れば知るほどなぜこんなに命を削って働かなければいけなかったのか、怒りがこみ上げてきます。また、夫が懸命に働いた会社の態度には落胆しました。地裁では認めてもらえなかったが、高裁では必ず認めてもらえると信じています」とご主人のご両親ともに心境を語っていました。ATUも加わる西三河地域労働組合が全面支援で闘ってきました。何としても認めさせたいものです。最後まで気を抜かず頑張りましょう。
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ATU機関紙29号完成

2016年12月06日 12時52分24秒 | 機関紙
ATU機関紙第29号が完成しました。 

配布時期:12月中旬~から順次配布していきます。

配布場所:刈谷駅・トヨタ及び系列等で配布します。


記事内容

① デンソーの再雇用制度の問題

② トヨタ再雇用裁判判決

③ 2017年春闘の取組み

④ 安部政権による労働法制関連

⑤ ATUに寄せられた労働相談  等

ご意見・感想などをお寄せください。
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トヨタ社員労災認定裁判(災害補償給付不支給決定、取り消し裁判)

2016年12月01日 15時52分56秒 | トヨタ自動車


 トヨタ社員労災認定裁判7回目の口頭弁論が、11月30日午前11時から名古屋地裁でおこなわれました。原告側からは準備書面4,5号が提出されました。これに対して国側から次回までに反論(準備書面)が出される予定です。

被災者の働き方について「求釈明」の形で国側に求めていたのですが、トヨタ自動車の協力が得られなかったことから、原告側は被災者が残していた業務記録ノート等を解明して準備書面を作成しています。
 
・三好工場プリウスの仕事の内容、上司による繰り返されたパワーハラスメント(準備書面4)
・リーマンショックとトヨタへの影響…収益改善活動→残業規制、人員削減(準備書面5)

「準備書面5」の要点は以下のようにまとめられています。
第1 会社の急成長

第2 リーマンショックの会社への影響
1 リーマンショックとそれの会社への影響

2 リーマンショック後の会社の対応

3 2009年6月以降の会社の動向

3 中国市場と会社の新戦略

4 まとめ

第3 リーマンショックが会社の開発・設計分野の労働者に与えた影響
1 生産現場労働者とは異なる状況
2 危機に対応するための新たの課題の追加

第4 残業禁止と被災者への影響
1 被災者の残業の状況
2 残業規制に関する被告の主張等
3 残業規制と被災者の労働密度

第5 人員削減と被災者への影響
1 人員削減の状況
2 人員削減と被災者の業務への影響

コメント (9)
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