全トヨタ労働組合(ATU)

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トヨタ系アンデン「帰国すれば退職」、

2010年06月06日 12時36分59秒 | Weblog
5月16日 当ブログで紹介したデンソー子会社アンデンに
動きがありましたので紹介します。

「帰国すれば退職」、団交で撤廃
――労組「職場改善へ大きな成果」――
http://imadegawa.exblog.jp/13886905/

■トヨタ系アンデン構内請負会社で
トヨタ系アンデン(デンソーグループ)の
岡崎工場で
日系ブラジル人労働者を用いて
構内請負を行なっている
「トゥエンティファースト」が、
長期休暇や有給休暇などで
従業員が母国に一時帰国した場合は
退職扱いとする就業規則を
定めていた問題で、
会社側は6月3日に
労働組合と団体交渉を開催し、
この条文を撤廃する考えを
明らかにした。

「帰国すれば退職」の就業規則の
撤廃を求めていたのは
愛知県の個人加盟制労働組合・
名古屋ふれあいユニオン
(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)。
同ユニオンでは
トゥエンティファーストで働く
日系ブラジル人労働者らが
「トゥエンティファースト分会」を
結成している。
名古屋ふれあいユニオンは
トゥエンティファーストの退職規定を
「非人道的」と指摘し、
その撤廃を
今春闘の中心的課題として
取り組んできた。

名古屋ふれあいユニオンの
三河支部長を務める
小林敏之副委員長は、
「職場労働者の切実な要求を、
 団体交渉で実現したのは
 労働組合として大きな成果だ」と話し、
職場で働くブラジル人労働者も、
「よかった。
 国に帰るとクビになるのは
 とても怖かった」と
喜びを表明した。

《「帰国すれば退職」規定撤廃を受けての感想》
トゥエンティファースト社の
「日本国を出国すれば退職」の規定については、
2月のトヨタ総行動での発言以来、
多くの方から「信じられない」・「本当なのか」という声を
かけられてきた。

まず、かなりの人
(特に弁護士などの法律家の方)が口にしたのが、
「帰国すれば退職」というのは
完全にブラジルに帰国するときであって、
有給休暇を使っての一時帰国などは
含まれないのではないのか、
組合側が何か誤解しているのではないか、
ということだった。

まぁ、たとえ条文に
「帰国すれば退職」と書いてあっても、
「常識的」にはそのように解釈するのが
一般的だと私も思う。
(というか、
 普通はそうとしか解釈できまい。
 まさか、
 「有給休暇を使ってブラジルに帰れば
  クビになる」というようなことが
 会社の就業規則に堂々と書いてあるとは
 「普通は」誰も思わないものである)。

しかし、
トゥエンティファースト側は団体交渉においても、
一貫してこの規定により、
一時帰国であっても日本国を出国する場合は
原則として退社手続きとなる旨の説明を
繰り返してきた。

そうしたことを説明すると多くの人は、
「その会社は多分、
 暴力団がやっているのではないか。
 気をつけたほうがいい」と
「忠告」してくれるのである。
(何人もの人が判を押したように同じことを言うので、
 正直、かなりびっくりした)。

が、
『残念ながら』トゥエンティファーストは、
実にまっとうな、堅気の会社なのである。
同業他社と比べても、
特別にあくどい会社である、というわけではない。
取締役の役員たちも
ごくごく普通のサラリーマン風の人たちで、
「私たちは外国人を差別するつもりは
 毛頭ありません」と団体交渉で言い切る。
そして恐ろしいことに、
どうやらこれが「建前」で言っているのではなく、
当人たちは本気で
「自分たちは外国人を差別していない」と
思っているような節があった。

やくざな会社がこういう規定を作って、
ブラジル人に帰郷の自由も与えずに
半奴隷労働を強いている、というのなら
まだ話はわかるのだ。
しかし、今回の件の問題点は
そうではない。
暴力団でもなんでもない、
ごく普通のまっとうな会社が、
こういう規則を作っておいて、
それが問題だとは思わない。
「私たちはブラジル人を
 差別したりはしていない」と
どうかすると本気で信じている。
そこのところがとてつもなく、
私には恐ろしく思えたのである。

ともあれ私たちは、
「日本国を出国すれば退職」という
非人道的規定の撤廃を
会社側に約束させることができた。
労働組合としてこうした形で
職場の改善に資することができたことを
本当にうれしく思っている。

名古屋ふれあいユニオン
コメント (4)
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