ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

京都とサミットとテロ対策

2008-06-25 | ちょっと一言
今週は梅雨空が続いたが、そのちょっとした休みの間に滋賀県の琵琶湖のほとりに出かけた。海になじんでいるせいか琵琶湖の波のない静けさと穏やかさに心が弛緩するのを覚えた。晴れた空ではなかったが、かすんだ湖面が風情をかもして、ああ、こんな景色も日本にはあったなあ、と懐かしく思い出した。

 帰りに手ぶらで京都の町を歩いてみようと京都駅のコインロッカーを探したが、見つからない。案内嬢に聞いてみると今、すべてのロッカーは封鎖されて使えないという。洞爺湖サミットをにらんだテロ対策だという。道理で駅の周辺におかしな警官がいっぱいウロウロしている。代わりの措置はなんか無いかと聞いたが、何ともならないらしい。この重たい荷物を提げて蒸し暑い京都の町を歩くのかと思うと怒りがこみ上げてきた。

 そもそもサミットとコインロッカーにいったいどんな関係があるというんだろう。サミットの警備にコインロッカーをすべて閉鎖したらテロが防げるというのだろうか?だったらなぜ常日頃からロッカーを禁止しないのだろう。市民の生活の必要からコインロッカーというものがあるのだ。コインロッカーやゴミ箱を閉鎖してテロが防げるなら、たいしたものだ。そう言うやり方でテロが防げるなら、なぜ土浦や秋葉原で無差別テロを防がなかったのか。

 「誰でも良い、殺したかった」という犯人の動機は、まさに無差別テロである。この世の差別・貧困・失望などで無差別テロに走る人がいるというのは、本当は政治の中枢にいる人を狙うべきテロが、物理的に困難なので一般人に向かった場合と(イラクではこれが多い)、自分が誰に意趣返しをしたいのか、自分をここまで追い込んだのが誰なのかハッキリしない場合に、無差別テロに走る。土浦や秋葉原の犯人はこの後者である。言い換えれば、本当は政治の中枢にいる人が狙われるべきだったということだ。そしてその無差別テロの実行を許したのは警察の責任のはずだ。しかし、無差別テロを許してしまったといって警察の幹部が辞表を出したというのを聞いたことがない。もし、テロの刃先が首相や自民党の幹部だったら、警察幹部は辞表を出すに違いない。ここでも誰が被害者かで明らかな差別がある。

 ようするに、サミットをにらんだテロ対策とは、市民の自由を少々奪っても、政治の中枢にいる人を守るのが最大の目的なのだ。庶民がコインロッカーを使えず、蒸し暑い中を重たい荷物を担いで汗を流そうが、そんなことは知ったことではないのだ。唯でさえ渋滞の激しい京都の町中では、テロ対策の検問とかで道路の半分は封鎖されている。洞爺湖サミットのテロ対策でなぜ京都の町で検問などをしているのだろう。庶民の犠牲などかれらには何の関心事でもないということか。

 洞爺湖サミットで地球温暖化対策を話し合い、成功させなければいけないというのは先進国の思い上がりでしかない。国連などでアメリカや中国に逃げ場を許さない対策を話し合うべきであり、大国だけで偉そうに決めることではない。またアメリカは何のかんのと逃げ口上を探すだけだろう。アメリカの役に立たないとなったらG8なんか簡単に捨て去るのがアメリカのやり口だ。実際国連がアメリカの言うことを聞かなくなったのが、サミットをやって世界のリーダーシップを取ろうというアメリカの思惑でしかないのだから。そろそろ日本はG8から抜け出して、アジアやアフリカ、ラテンアメリカの国々といっしょに世界をアメリカの支配から抜け出させる努力をして欲しい。民主党にそれだけの覚悟のある政治家はいるのだろうか。

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6 コメント

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テロではない (ほえーる)
2008-07-24 19:41:05
土浦の事件についてはよく知りませんが少なくとも秋葉原の無差別殺傷事件はテロではありません

テロとは、一般に恐怖心を引き起こすことにより、特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力行為、またはその手段を指す
-wikipediaより
秋葉原の事件は政治的な事柄は何も関係ないのでテロではありません。

更に言うと
「テロ対策とは、市民の自由を少々奪っても、政治の中枢にいる人を守るのが最大の目的なのだ。」
とありますが大きな間違いです。
まず京都の駅と各国の首脳は直接的には関係ありません。ではなぜ関係の無い京都の駅を警備しなければならないのかは自分で考えてもらいたいです。

最後に、「日本はG8から抜け出して、世界をアメリカの支配から抜け出させる努力をして欲しい。」とありますがそんなことをすればどうなるか。そんな考え方がどれほど危険なことなのかを考えてみてください。
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これこそテロ (比呂志)
2008-07-26 14:18:46
wikipediaのテロの定義は、いったい誰が書いたか知りませんが、まさにブッシュがいう対テロ戦争のテロの定義とそっくりです。対テロ戦争の先頭に立つアメリカこそが国家テロの総本山というのは、もはや常識でしょう。テロリズムは組織的暴力なんかではありません。あくまでも個人による権力への個人的な暴力による政治的目的を持つものです。

 秋葉原に始まる「誰でも良かった」という犯罪は、まさに政治によって虐げられた人たちの(はっきりと意図しない)政治的テロそのものです。虐げたもの(権力)の姿を見抜くことができない人が走った犯罪です。「誰でも良かった」という動機が、はっきりとこの犯罪の政治性を物語っています。

 それを警察力を誇示することによって防止できると思う自民党政権のあほらしさ。ダガーナイフの販売を禁止するという対策のばからしさ。
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何を仰っているのかわかりません (ほえーる)
2008-07-26 18:30:05
wikipediaでは信用できないようなので
あらゆる暴力的手段を行使し、またその脅威に訴えることによって、政治的に対立するものを威嚇(いかく)すること。-大辞林より

暴力を行使して政敵を恫喝し、自らの政治的主張を通す行為。もともとは恐怖政治に由来する言葉であり、その意味ではヒトラー、スターリン、ポル・ポトなどはテロリストの代表的存在といえる。-航空軍事用語辞典より

「テロリズムは組織的暴力なんかではありません。」
とありますが、たった一人で政治的目的を達成するのは独裁者でもない限り無理ではないでしょうか。
同じ考えを持つ同志が集い、暴力的手段によって政治的目標を達成しようとするのがテロであり、どの国でもたまにあるような大量殺傷事件はただの事件であり政治的な意味合いを見つけるのには少し無理があると思います。「誰でも良かった」という動機から政治性を見出すことが私にはできません。もし政治性があったとして、秋葉原の事件の犯人からあなたはどのような”政治的な訴え”を感じましたか?

さらに「警察力を誇示することによって防止できると思う自民党政権のあほらしさ。ダガーナイフの販売を禁止するという対策のばからしさ。」とありますが、ダガーナイフの販売を禁止したのは間違いですか? あなたならどんな対策を立てますか?

それと「アメリカこそが国家テロの総本山」とありますが、アメリカが中東地域に進出した理由はどう考えても石油です。石油ももちろん政治にからみますが”自らの政治的主張を通す行為”には当てはまらないと思います。

ところで”京都の駅を警備しなければならない理由”はわかりましたか?
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まさに政治的 (比呂志)
2008-07-26 20:14:21
秋葉原事件以後も同じような「誰でも良かった」事件が続いています。ダガーナイフ禁止に防止効果はあったでしょうか?

 政府と与党が日雇い派遣労働を禁止する作業に入ったのは、この秋葉原事件がきっかけではないですか。警察力の誇示やダガーナイフ禁止などではない、根本的な解決法に少し近づいたといえるでしょう。これこそがこの事件が政治的であることの証拠です。
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犯人は日雇い労働の禁止を求めていたのか (ほえーる)
2008-07-26 20:47:28
ダガーナイフの禁止は無差別殺人の防止のためにしたわけではありません。日常生活でも使わず殺傷能力が高いため禁止されたのです。つまり銃と一緒です。日本は銃社会ではないので銃による殺人はほぼ無いですが殺人が無いわけではありません。ほかにもいろんな凶器がありますから。銃の所持を禁止する必要があるようにダガーナイフも禁止が必要なのです。

犯人は一時期正社員として勤務していたにも関らず自ら申し出て退職したのにもかかわらず政治的に不満があったのですか?
それに若者が政治的に虐げられるのは当然です。なぜならば若者は選挙に参加しない、つまり政治家は若者の意見を聞くよりも投票率の高い高齢者にとって都合のいい法律を作るに決まってるじゃないですか。結局悪いのは若者自身です。

ところで”京都の駅を警備しなければならない理由”はわかりましたか?
日本がG8から抜け出して、世界をアメリカの支配から抜け出させようとするとどうなるかわかりましたか?
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筋の通る説明を (かなぶん)
2008-07-26 23:17:24
今までのやり取りを見せていただきましたが、どうにも比呂志さんの主張は首を傾げる場面が多いです。
「これこそがこの事件が政治的であることの証拠です」「はっきりとこの犯罪の政治性を物語っています」等と仰っていますが、それまでの文章と仰っている結論がどうしたら結び付くのかよく解らない物ばかりです。
何かを主張するのは自由ですが大衆が納得する説明を付け加えなければ「コイツは何を言っているんだ?」と言う事になりますよ?
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