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一日も早い国交回復を

2005-11-05 | 政治
朝鮮人民民主主義共和国との政府間交渉がようやく軌道に乗りだしたようだ。日本政府は表向き拉致問題の解決が先決だという主張を述べていることになっているが、本当はきっとそうではない。任期中に国交回復をなんとか成し遂げたいという小泉首相の焦りがあるのだろう。六カ国協議で拉致問題はまったく取り上げられなかったから、二国間交渉でそれを言わざるを得ないのだろう。それも政府が拉致被害者を連れ帰った時に間違った対応を取ったためである。阿倍晋三が日朝国交回復に反対するために拉致被害者を共和国との約束を破って返さなかったためだ。阿倍たちネオコンの思惑どおり、日朝の国交回復は立ち往生してしまった。拉致被害者の家族たちの心情は気の毒至極であるが、それをおのれの政治的野望に利用した阿倍たち政治家のやり方は本当に腹が立つ。

 拉致被害者の家族たちは、問題の解決のために経済制裁をせよとか、拉致問題の解決なしに国交回復には反対するとか言っているらしいが、それは大間違いだ。日朝国交回復がなされなければ拉致問題は解決できない。現在も日本と朝鮮の間は法的には戦争状態のままだ。太平洋戦争で日本が降伏した時に、朝鮮半島全体と戦争を終え、賠償を行わなければならなかったはずだ。それだけのことを日本帝国はやったのだから。100万人に及ぶ朝鮮人の拉致を行い、強制労働や人種差別政策で多くの人を死に追いやり、その家族を路頭に迷わせたのだから。しかし、日本政府は韓国とは30年もあとになってやっと日韓条約を結び戦争状態を終わらせたが、朝鮮半島北部の共和国とは、今になってもまだ戦争状態を終わらせるための賠償も、平和に相互の政府が共存するための平和条約も結んでいない。それは、日本政府がアメリカのいいなりになって故意に遅らせたせいなのだ。(北)朝鮮による拉致事件が起こったのは、そのような戦争状態が続いている中に起こったことであり、日朝の国交回復を故意に遅らせた日本政府にもその責任はある。

 なにはともあれ、日本が過去の日本による侵略と拉致を謝罪し、賠償をすることを申し出ることが先決だ。戦争に負けて日本は連合軍には謝罪したのだから。一刻も早くそれをやらねば、いつまでたっても日本は国際社会に受け入れられない。小泉さんはむしろ孤立化の道を自ら取っていることをわかって欲しい。名誉欲だけで外交をして欲しくない。