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ごまめの歯ぎしり・まぐろのおなら

サンナシ小屋&京都から世界の愛する人たちへ

冬は冬らしく・・

2007-12-02 | 花と自然
陰々滅々とした天候が3日も続いたあと、今日は穏やかに晴れた。風もなく昨日までの寒さがウソのように暖かだ。日射しに誘われて、隣の町の公園を歩いた。紅葉がいま盛りだ。銀杏の黄色が初冬の陽に輝いて目が覚めるように美しい(写真)。赤く紅葉しているのは楓(フウ)の木だ。

 日射しが暖かい。草むらにはセイヨウタンポポ、オオイヌノフグリ、ホトケノザが咲いている。どれも春の花だが、これから冬だというのにもう花を開いている。セイヨウタンポポなんかは冬でも花を咲かせているのを見るのがそれほど珍しくもなくなったような気がする。しかし、オオイヌノフグリやホトケノザが12月の始めに咲いているというのは、やはりおかしいと思う。今日の暖かさに急に咲いたのだろうか?それとも数日間の寒さの中でも花を開いていたのだろうか?天候が悪いとあまり外に出たくなくなるし、ましてや道ばたの花を見る気持ちにはならない。今度はそんな時にもしっかり見ておきたい。

 何でも地球温暖化のせいにしたくなる昨今だけど、植物たちも、とくに都会周辺の草花たちは、季節を読み違えるほどの生理異常におそわれているのかもしれない。やはり冬は草も虫も姿を隠す時期であって欲しい。その方が、春の喜びと生きとし生けるものへの愛情はいっそう深まるだろう。

 散歩途中にあるすてきなしかし、ひっそりと建っている小さなお店に立ち寄って、庭の素朴なテーブルの前で紅葉を眺め、コーヒーを飲みながらいろいろなことを考えた。

サンナシ小屋の静けさに思う

2007-11-19 | 花と自然
 空は晴れ上がっているが、空気は凛と張り詰めている。今朝の気温はマイナス8℃。サンナシ小屋の周囲はもう枯れ草色一色である。横の小川の流れも岸よりは氷が張り付いている。

 課題だったひと仕事を不満を抱えながらもようやく終えて、ひとりサンナシ小屋で静かなひとときを過ごす。風の音とストーブで薪が燃える音以外は何の物音もしない空間に、人との交わりを絶って、ぽつねんと火を見つめていると、心が深いところから癒されていくのを感じる。昨日までの自分がますます小さくみえる。

 明日の暖房のために、薪割りをしながら考えた。私は何を怒っていたのだろう。私は何を望んでいたのだろう。そんなことが心に去来する。自然の中に生きることのすばらしさを、サンナシ小屋は教えてくれる。

狂い始めた花たち

2007-10-16 | 花と自然
 先日、大宮花の丘公園を訪れた。都市型公園であったので、私には公園の周りの雑木林の方が親しみやすい風景だった。ただ、公園の中のキンモクセイの生け垣が香り高かったことが印象に残っている。また、公園の一角に広くサルビアの真っ赤な花を寄せ植えていたのも強烈な色とともに印象に残っている(写真)。

 驚いたのは、ソメイヨシノの花が咲いていたこと。2本のソメイヨシノが花をつけていた。どちらも春に比べるとやや花が少ないきらいはあるが、個々の花は春の花に遜色のないくらい立派な花だった。気温が高く異常な季節を象徴するように、春の桜が狂い咲いていた。キンモクセイの花も今年は半月以上遅いとか。

 沈黙の春に気がついたレイチェル・カーソンが警告を発したのはもう40年近く前だった。環境の変化を植物や動物は敏感に感じて、しかし、徐々に徐々に警告してきた。人々がそれを感得するには、常日頃から植物や動物と親しく接していないとわからないだろう。カーソンの代わりを私たちが務めなければならない。みんなの一人一人が。
 

消えていく日本の自然

2007-10-08 | 花と自然
 つい一週間前まで暑い暑いと言い続けてきたのがまるで嘘のように涼しくなった。今日は朝から雨が降り、ますます涼しい。明日からはさらに涼しさが増すらしい。朝晩は今までのような薄着では寒いと思うほどだ。秋を求めて雨の中を少し歩いてみた。

 山を歩くとかならず下山の時には膝が痛くて歩くのが苦痛になる。年齢のせいだと思っていたが、医者に診てもらったところどうやら膝の付け根の筋肉が弱っているせいで、年の問題ではないと言われてしまった。年のせいではないということは、筋肉を鍛えればまだまだ歩けると言われたのと同じ。これは嬉しかった。そこで最近は毎日30分くらい膝の筋肉トレーニングをやっている。その結果は歩いてみないと分からないので、今日はその結果を試しに歩こうと思ったのだが、折悪しく雨が降ってしまったので、ほとんど歩けなかった。筋トレの効果は分からずじまいだ。

 散歩程度に歩いた山の麓の道では、花はもう少ない。ミズヒキ、イヌタデ、ツリフネソウ、ツユクサ、アメリカセンダングサなどが咲いている程度だ。ウバユリもすべて花は終わり青い実を実らせている。麓の民家の家でたくさんの花を見た。ほとんどが洋物の園芸種ばかりでそれなりに綺麗なのだが、やはり野生の花の美しさとは美しさが違う。

 民家の庭に咲いていた花のうち、強い香りの花に気づいた。月桃(ゲットウ)の花だ。沖縄では自生している月桃だが、関東には数年前から栽培が流行しているようだ。今日だけでも何カ所か民家の庭で咲いている月桃を見かけた。ちょうど花の最盛期だったようだ。大きなショウガのような葉を持っているが、花は真っ白な大ぶりの花を咲かせる。何よりも強烈な香りで虫を引き寄せると言われるが、自生している沖縄から関東に持ってこられた月桃には引き寄せられる虫はいない。役に立たなくなった香りをむなしくあたりに漂わせながら、月桃は温暖化した関東の地でも綺麗な花を盛んに咲かせている。

 車で道路沿いに見かける花のほとんどがいまや外来種で占められるようになった。秋の花で今日見た在来種は、ススキ、ハギ、クズくらいか。キキョウもフジバカマも見かけたのは民家の庭と花屋の店先だけだった。日本の自然はこんなところからも確実に消えていっているようだ。

暗闇の散歩を邪魔するのは

2007-10-02 | 花と自然
 今日は一日部屋の中に缶詰で仕事をしたので、夜9時を過ぎて散歩に出た。20日の月もそろそろ上ってくる時刻だけど、曇り空なので見えない。近くを流れる荒川の土手に上がり、土手の上の道をひたすら歩いてみた。明かりは何もないので暗闇の中を歩く。両側の草むらにコオロギの声が賑やかに聞こえる。暑さも山を越え、夜の土手は風が無くても涼しい。

 しばらく歩いていると闇に目が慣れてきて土手の斜面に生えている草も見えてくる。この季節はそろそろススキの穂が伸び始める頃なのだが、残念ながらこの土手は最近草を刈ってしまったので、風情は全くない。コオロギも心なしか悲しそうだ。2年くらい前にこの土手を改修したとき、土木事務所が無粋な西洋芝を植えてしまった。この土手にはカントウタンポポがたくさん咲き、春にはカラシナの黄色で埋め尽くされ、秋には深紅のヒガンバナで彩られるすばらしい土手だったのに。セイヨウタンポポばかりの草原が多い中でここの土手は自然を取り戻しつつあった。しかし、土手の自然などどうせ人間が壊した後だからどうなってもいいという考えなのだろうか、土木事務所は調べもしないで改修した後、芝を張ってしまった。

 明かりのない道を一人歩くのも、北海道では毎日のように経験したことだ。しかし、ここでは北海道と違って明かりがないとは言いながら空の雲は町の明かりを写して赤く染まっているし、遠くの橋の上の国道では車が次々と明かりを照らしながら通りすぎていく。ときどきは土手の下の田舎道を若者のオートバイが爆音を轟かせながら通り過ぎる。

 暗闇の道の散歩を楽しんでいたが、土手の下の道に置いてある自動販売機の光が眩しい。自動販売機の周囲はまるで真っ暗で何も見えない。それは自動販売機の明かりに目がくらまされてその周囲がよく見えなくなること。どうしてこんなに自動販売機の明かりは明るくするのだろうか。まるで光の暴力のごとくに。ジュースやたばこを買うのにこんなに明るい光が必要なのだろうか?

 コンビニの明かりやガソリンスタンドもものすごい光の量だ。眩しくて目がくらむほどなので、北海道でよく聞いていたラジオでは、コンビニの明かりの周囲がよく見えなくなるから特に歩行者などに注意するように言っていた。自動販売機もそれと同じ原理で、その周囲の風景を殺してしまう。近くの駐車場の投光器の明かりも明るくて、暗闇の散歩を楽しんでいる私には迷惑なのだが、自動販売機の明かりはそれよりももっと眩しい。近くを歩いているときは気をつけないと足下が見えないので(土手の下の自動販売機から土手の上に光が届くので足下が見えないのだ)、石に躓いたり草に足を取られたりする。

 夕方までは散歩をする人や行き交う人や自転車があった土手の道だが、夜9時も過ぎると人っ子一人いない。誰に気兼ねもいらず、自由に自分のペースで散歩ができる。月が出ていたらもっと素敵な散歩になっただろうに。ちょっと残念だったが、だから人もいなかったのかもしれない。
 

キノコと木の実は秋を知っている

2007-09-27 | 花と自然
 秩父の小さな山、四阿屋山(772m)に登った。かなりの部分が杉の人工林で花も少ない。わずかに季節の花であるミズヒキ、ツリフネソウ、キクバハグマが少し見られただけだった。そのかわり、キノコや木の実は豊富だった。もっともキノコでは名前の分かったものは猛毒のドクツルタケくらいだったが、それが一面に地面からつきだしている様は見事だ。登山道には栗のイガがたくさん落ちており、中にはすでに十分実を太らせた3人兄弟が顔をのぞかせていた。

 気温はまだまだ夏の暑さだ。秩父とはいえ、こんな低山に夏に登る人は少ないと見えて、山の中には私一人だった。汗みどろになってたどり着いた頂上でお昼のにぎりめしを食べて、ゆっくり帰り道をたどった。彼岸過ぎてもまだまだ暑い気候だけれど、キノコや木の実は確実に秋の時間を進めているのを痛切に感じた。このような自然が無くなっていることが都会のあの異常な気候の原因であることを身(実)をもって悟った。

 昨日の追記:鯨だけではなかった。マグロも水銀汚染がひどいようだ。しょっちゅうマグロの刺身を食べている人は要注意だ。詳しくはhttp://www.lbv.jp/ninpu/htm

日本の花たちはどこへ?

2007-09-01 | 花と自然
ようやく涼しくなった埼玉県から道東へやってきた。寒くて風邪を引かないようにしないといけないと思いながらやってきた道東だが、暑い! もっとも埼玉のような暑さではないけれど、こちらを知っている人間にとっては、何だ、この暑さは!というほどの暑さ。釧路で汗を掻くほどの暑さは過去でもあまり経験がない。道東は夏真っ盛りだ。

 暑さは夏だけど、自然の花はやはりもう秋。秋の花が咲き競っている。エゾミソハギ、サワギキョウ、ハンゴンソウ、キオン、アキノキリンソウ、エゾトリカブトなど色とりどりだ。さらに、外来植物のオオハンゴンソウ、アラゲオオハンゴンソウ、オオアワダチソウなどが放棄した牧草地を黄色で埋め尽くしている。まるで菜の花畑のように。

 これら外来植物も日本本来の植物を駆逐してしまうおそれが多いので、できればいないほうが良い。しかし、シロツメクサなどのように、古くからやってきてすでに在来植物の間で一定の地位を占めてしまったようなものは、なかなか単純に排除できない。江戸末期の文明開化以来外国からやってきた植物をすべて排除したら、日本の草地の植物はほとんどいなくなってしまうかもしれない。

 それにしてもオミナエシやフジバカマ、キキョウなどの懐かしい花たちが絶滅危惧種になっているのは、やはりさみしい。なんとか在来の日本人に好まれた植物たちがあちこちに見られるように帰ってきてほしいものだ。
 

常念岳から蝶ヶ岳へ(2)

2007-08-14 | 花と自然
二日目。朝食を5時半に終え、ほとんど見上げるような常念岳(2867m)の稜線をひたすら登る。この高度であればヒンヤリする冷気を感じるはずなのに、気温は30℃近い。すでに太陽は直接肌を焼き始めている。汗を流しながら登っては西に見える槍ヶ岳と穂高連峰の残雪を眺めながら小休止する。しかし、太陽が早くも高く登り始めたので、岩の陰に寄っても太陽の直射から身体を隠せない。

 1時間15分かかって頂上を踏む。すばらしい眺めだ。天気も良すぎるくらい。昨日から前になり後になりして登ってきていた関西からの二人連れと頂上でも出会う。写真を取り合って一足先に頂上を後にし、蝶ヶ岳に向かう。蝶槍と称する稜線からの突起が小さいながらも槍の穂のように登頂意欲をかき立てる。

 しかし、常念岳から蝶ヶ岳へは予想に反して稜線沿いのそぞろ歩きではなかった。これまで苦労して登ってきたのとほぼ同じくらいまでいったん下る。まだかまだかと言うくらいどこまでもどんどん下る。鞍部まで垂直に600mくらい下って、ゆっくり休息をする。これから登るぞと気合いをかけて、蝶ヶ岳への登りにかかる。再び400m以上の標高差を登らねばならない。蝶ヶ岳への登りは、樹林帯があって太陽の直射から遮ってくれるのがうれしい。ダケカンバやアオモリトドマツが涼しい木陰を創ってくれる。

 樹林帯を抜けたら蝶槍の岩礫の登りにかかり、すぐに蝶槍の頂上を超えた。あとはなだらかな稜線をのんびり歩く。途中、一等三角点の蝶ヶ岳(2667m)頂上が登山道の脇にあった。三角点を踏んで蝶ヶ岳ヒュッテを目指す。蝶ヶ岳ヒュッテにたどり着いたのは11時半。ヒュッテでコーヒーを入れてもらって飲む。疲れた身体に甘い砂糖が染みこむようにうまい。

 今日の予定はここに泊まるつもりだったが、まだ体力は問題なさそうだし、あとから来た関西からの二人連れもこのまま徳沢まで降りるというので、がんばろうと決めて長塀山(ながかべやま)の尾根にかかる。

 長塀山に降りる手前の高まりに「蝶ヶ岳頂上」と記した道標が立っている。しかし、地形図を見る限り小屋の手前にある三角点が頂上のはずだ。どちらも標高はそう違わないのでどちらを頂上としてもかまわないと言えばかまわないのだが、こちらの頂上はおそらく山小屋を利用してさらに南へ縦走する人のために、わざわざ北の方へ10分ほども行かないでも頂上を踏んだと言えるように、だれかが作ったにせの頂上なのだろう。三角点はない。

 長塀山の尾根はあまり期待していなかった。ただ梓川のほとりまで降りるにはこのコースがもっとも近いので取ったまでだった。ひたすら降りることだけを考えて歩き始めたのだが、実はこの蝶ヶ岳ヒュッテから長塀山までの40分間が今回の登山でもっとも多くの高山植物を見た場所だった。狭いながらもあちこちにお花畑があり、しかもよく残されている。このコースは登山者に不人気であまり歩かれていないらしいことが幸いして、お花畑が残っているのかもしれない。

 長塀山を越えるとあとはひたすら樹林帯の中を下る一方だ。朝から5時間以上あるいたためにこの下りの頃から左足の膝関節が悲鳴を上げ始めた。痛くて前に進めない。もってきたサポーターを左膝にきつく巻いて、なんとかごまかしながら歩く。60分歩いては休息5分のペースで歩いてきたのが、30分歩いて5分休むとスローペースになり、やがて30分続けて歩けなくなり20分歩いて10分休みとなり、最後は15分歩いて15分休むという情けないことになってしまった。

 やがて左膝だけでなく右膝も痛み出した。前に歩くと激痛が走る。平坦な道は何とか歩けるが、段差のある道はとても歩けない。もっとも山道は80%以上が段差のある道だ。しかたなく、後を向いて歩き始めた。急な坂道を下るときは後ろを向いて歩く方が歩きやすい。目は身体の下を見ていれば行き先は何とか見える。

 あと少しと言うところまで来てとうとう歩けなくなってしまった。しかし、梓川の流れはもうすぐそこに見えている。夕方の樹林帯はどんどん暗くなってくる。足が壊れてもかまわないからと歯を食いしばって歩き出す。小さなコーナーを回ったとたん、目の前に山小屋「徳沢園」の赤い屋根が見えた。どんなにうれしかっただろう。屋根を目の前に見ながら大休止。心からゆっくりと休憩をとった。

 徳沢園も金曜日の夜で大入り。飛び込みの私も押し入れの下に寝床を確保できた。徳沢園は梓川のほとりにあるので水は豊富。温泉もある。稜線の山小屋ではお風呂などはない。笑い話で「山小屋の宿泊客がお風呂はどこ?って聞いてきた」というのがある。山小屋に風呂はないのだ(サンナシ小屋も同じ!)。しかし、徳沢園は特別の山小屋だ。ゆっくりとお風呂に入り、汗と足の痛みを流す。生き返った思いとはこのことだろう。

 翌日も上天気。週末の登山客の入り込みで大賑わいの徳沢から上高地までをのんびり花や川の流れを見ながら歩く。上高地からの登山客はまるで銀座並み。あとからあとから引きも切らずに人の波が続く。今夜の山小屋は大変だ。布団一枚に2-3人が寝ることになりそうだ。平日でよかった。

 私が歩いているときも、穂高連峰などでヘリコプターが遭難した登山客の救助に飛んでいるのを見た。私がヘリコプターに乗らなくて良かったとつくづく思う。遭難しても、ヘリコプターに乗るのはいやだ。遭難したくはないが、そうなったらひっそりと死ぬのが理想だ。

 まだ足の痛みは残っている。再度の山行に備えてリハビリの毎日だ。さあ、次は北海道の山だ。
 

常念岳から蝶ヶ岳へ(1)

2007-08-12 | 花と自然
暑い関東の夏を逃げようと、久しぶりに北アルプスを目指した。コースは常念岳から蝶ヶ岳を越えるコース。本当に久しぶりだったので、ゆっくりと山小屋に泊まりながら歩くことにした。

 第1日。前夜新宿発の快速列車に乗り大糸線豊科駅で降りる。時刻は午前4時40分。ようやく夜が白み始めたころだ。その列車で降りた登山客はたったの四人だった。四人はすべて同じコースを歩くと言うことなので、登山口までタクシーに相乗り。登山口でそれぞれ身支度を調えてそれぞれのペースで歩き始める。

 天気は快晴。風もない。樹林帯の登山道を上っているうちに太陽が顔を出した。照りつける太陽は強烈な暑さ。汗を流しお昼頃になって常念小屋(2300m)に到着した。5時間の行程。まだお昼だけど最初なので無理をしないで、この小屋に泊まることにした。夏休み中とはいえ平日の山小屋だから空いているだろうと思ったが、どんどん登山者が詰めかけてほぼ満員。私の部屋は四畳半に6人が泊まる。これでも少ない方だとか。

 疲れたせいか、昼ご飯を食べてすぐに昼寝をした。風もなく、快晴で、槍・穂高連峰が目の前に圧巻だ。こんなに晴れ渡って槍も穂高も雲一つなく見えるのは、非常に珍しいとか。ラッキー!  気持ちの良さにすーっと眠りに引き込まれた。気がつくと夕方5時の夕食の案内だ。インスタント食品を並べたような料理を食べて、所在なく寝床に入ったら、またそのまま寝てしまった。気がついたら、また翌日の朝食の案内だ。午前5時。起床して朝食を食べる。今日も快晴。槍と穂高を見ながらの二日目の行程が始まる。

 高山植物は今が盛り。実に多くの花を見ることができた。以下に咲いていた花を書いておこう。麓の登山口から頂上近くまで見られた花を思い出す限り書いておいた。

  ヤマハハコ、ガンクビソウ、サワヒヨドリ、ミヤマコウゾリナ、タカネニガナ、シロバナニガナ、チシマギキョウ、チシマキンレイカ、ウサギギク、ミヤマコゴメグサ、オタカラコウ、アオノツガザクラ、ミヤマアカバナ、イワオトギリ、キンロバイ、カニコウモリ、クモマミミナグサ、イワツメクサ、ミヤマキンポウゲ、コバイケイソウ、バイケイソウ、ハクサンシャジン、クガイソウ、エゾシオガマ、ハクサンフウロ、シモツケソウ、ミヤマカラマツ、ホソバトリカブト、ハクサンイチゲ、イブキトラノオ、ネバリノギラン、ニッコウキスゲ、クルマユリ、ツマトリソウ、コケモモ、ゴゼンタチバナ、ハリブキ、ズダヤクシュ、センジュガンピ、マイヅルソウ、タニギキョウ、ヤマホタルブクロ、オトコエシ、マルバノホロシ、ツリフネソウ、キツリフネ、ヤマトリカブト、イタドリ、ヤマホトトギス、その他シソ科の花がいくつか。

サンナシ小屋に泊まってエコツアー

2007-06-11 | 花と自然
サンナシ小屋を利用することが引っ越してからは少なくなってしまった。そこで、もっとみんなに利用してもらおうと以下のような使い方を考えました。みなさん、
大自然の中の北海道で、ちょっと野生の生活を楽しんでみませんか?

道東のエコツアーにいきませんか。私が案内します。私の持っているサンナシ小屋に無料でお泊めします。

エコツアーの内容は、
①湿原の花探索、②カモメ、タンチョウ、オジロワシ、ウミツバメなどの探鳥、③アッケシソウと湿原探索、④カヌーから見る湿原、⑤厚岸湖、風蓮湖などの海跡湖の生態系観察、⑥牡蠣の養殖場見学と生牡蠣賞味、⑦満天の星空観察、など、予算と日程と希望に応じて相談して決めます。

泊まるサンナシ小屋は、野性味たっぷり。電気も水道もありません。まわり360°どこをみても人間の作ったものは何もない世界。エゾシカ、エゾキツネ、ノウサギ、タンチョウ、オジロワシなど野生動物がいます(ヒグマはいません)。トイレは野外のテント。お風呂はありませんので、近くの温泉までお連れします。夜は野生動物の声以外、音がありません。本当の静けさを楽しめます。心が洗われ、癒されます。自然以外は何もありませんので、観光旅行を期待してくる人はお断りです。

気になる費用。釧路空港まではご自分でお越しください。それ以降の費用は、基本的に私のガイド料をお支払いください。私はいま、埼玉県に住んでいますので、ガイドへ行くために釧路空港までの往復航空券が必要です。その費用を負担していただければ、それ以外のガイド料は無料とします。のこり必要な費用、たとえば施設の入場料、お風呂の入浴料、食事の費用などは、各自でお支払いください。小屋でも簡単な炊事は可能です。卓上コンロ、薪ストーブがあります。

以上の旅行をお引き受けする条件があります。第一は、自然を愛する人であること。自然破壊行為をする人はお引き受けできません。大きな音を出すこともご遠慮ください。静けさを楽しんでください。第二の条件は、私の日程にあわせていただくこと。私は比較的暇ですが、ときどき抜けられない予定が入ることがあります。私が一緒に行かねば、小屋を利用していただくこともガイドすることもできません。ただし、二度目以降の方は、私が行かなくても小屋を利用することができる場合もあります。

以上の条件で、一度北海道でゆっくり一人の時間を持ちたいとか、自然の中で生活して出直したいとか、観光旅行でなくて北海道の自然を見たい、経験したいと考えている人は、ご相談ください。少し話を聞いてみたいと思われる方は、コメントでご連絡ください。