先週は東京と茨城県神栖市で集まりがあって出かけた。2月の寒い時期のはずなのに、北海道から出かけた身にはまるで春の盛りのような暖かさだ。集まった人は全国からだったので、いろんなところの暖冬の様子を聞くことができた。
伊豆の河津桜は満開で、花見の人波がものすごいとの話も聞いた。上野公園ではすでに桜がちらほら咲いているらしい。もちろん水戸の梅はもう終わりに近い。郊外では菜の花がいっぱい咲いている。東京周辺ではこの冬ついに零下の気温が記録されていないらしい。雪も一度も降っていない。
暖冬は何年かに一度は必ず起こっている。だからこの暖かさはそれほど心配する必要はないという意見もある。日頃感心して読んでいた田中宇という人のブログ(http://tanakanews.com/)では、温暖化を警告するIPCC(気候変動に関する国際パネル)の報告書をエセ科学だといって批判している。その論拠は、(1)海面上昇が最初言われていたよりは予想が少なくなってきている、(2)メタンガスの濃度は最近増加していない、(3)海洋の温度の平均値は最近下がっている、(4)南極の氷は最近増えている、などである。そして彼は、太陽黒点説が無視されているとか、2001年の報告書に比べていろんなデータが改善の方向にあるのに、報告書は温暖化の深刻さをむしろ強調しているから、この報告書は政治的だ、と論難している。彼は温暖化は人類の影響ではないと言いたいようだ。
しかし、彼の言う論拠はほとんど理由にならない。(1)海面上昇の予測が2100年までの約100年間の海水面上昇の予測値の平均値は、前回の報告書では48・5センチだったが、今回は38・5センチに減っている。それを彼は論拠にしているが、予測が48センチが38センチに減ったからと言って海面上昇の影響がないなどといったいどうして言えるのか。この予測だっていろんな科学的なデータと解析に基づいて行われているので、その解析理論や技術はどんどん向上する。前回よりも予測が減ったから海面は上昇しないなどということこそ、エセ科学でしかない。
田中宇は、「海水面は20世紀中に、人類が問題にしない間に20センチほど上昇している。今後あと40センチ上昇したとしても、大した問題ではない」と言い切る。20センチまで問題なかったからあと40センチあがってもたいした問題ではないなどといったいどうして言えるのか?ものごとには閾値というものがある。ある閾値まではいろんな事象は可塑性を持つ。しかし、一定の閾値を超えたら、カタストロフ(全面崩壊)に突き進む。その程度のこともわからない人に温暖化など問題ない等と言ってもらいたくない。20センチでも国の存亡がかかっている太平洋の島国もあるのだ。
彼の論拠とする(2)メタンガスが増加していないというのは1990年以降のことだという。(4)海洋の温度が下がっているというのは2003年以降という。たったそれだけの期間で下がっているか上がっているか等というのは、まともな科学者なら論拠にならないことは明白である。温度も濃度も氷の量も数年の間隔で増えたり減ったりしながら変動する。全体の傾向が増えているか減っているかは数年のデータではまったく判断できない。長年のデータを解析しないとそんなことは言えないのである。温暖化と言っても寒い冬もある。だから温暖化は嘘だという科学者がいたとしたら、それは御用学者かエセ科学者であろう。
温暖化を嘘だといいつのることで企業利益を最優先にする資本家とそれに依存する政治家以外にいったい誰が得するのだろう。もし千歩ゆずってそれが嘘だったとしても、温暖化対策を国際間で行うことによって人類の生存が少しでも保証される方向に進むことは間違いないだろう。「疑わしきは無罪」というのは、司法の常識であるが(最近常識になっていない怖ろしさについては別に書いている)、「疑わしきは罰する」のが環境問題で水俣病やイタイイタイ病などの深刻な公害を経験した日本いや人類の常識ではないか。
伊豆の河津桜は満開で、花見の人波がものすごいとの話も聞いた。上野公園ではすでに桜がちらほら咲いているらしい。もちろん水戸の梅はもう終わりに近い。郊外では菜の花がいっぱい咲いている。東京周辺ではこの冬ついに零下の気温が記録されていないらしい。雪も一度も降っていない。
暖冬は何年かに一度は必ず起こっている。だからこの暖かさはそれほど心配する必要はないという意見もある。日頃感心して読んでいた田中宇という人のブログ(http://tanakanews.com/)では、温暖化を警告するIPCC(気候変動に関する国際パネル)の報告書をエセ科学だといって批判している。その論拠は、(1)海面上昇が最初言われていたよりは予想が少なくなってきている、(2)メタンガスの濃度は最近増加していない、(3)海洋の温度の平均値は最近下がっている、(4)南極の氷は最近増えている、などである。そして彼は、太陽黒点説が無視されているとか、2001年の報告書に比べていろんなデータが改善の方向にあるのに、報告書は温暖化の深刻さをむしろ強調しているから、この報告書は政治的だ、と論難している。彼は温暖化は人類の影響ではないと言いたいようだ。
しかし、彼の言う論拠はほとんど理由にならない。(1)海面上昇の予測が2100年までの約100年間の海水面上昇の予測値の平均値は、前回の報告書では48・5センチだったが、今回は38・5センチに減っている。それを彼は論拠にしているが、予測が48センチが38センチに減ったからと言って海面上昇の影響がないなどといったいどうして言えるのか。この予測だっていろんな科学的なデータと解析に基づいて行われているので、その解析理論や技術はどんどん向上する。前回よりも予測が減ったから海面は上昇しないなどということこそ、エセ科学でしかない。
田中宇は、「海水面は20世紀中に、人類が問題にしない間に20センチほど上昇している。今後あと40センチ上昇したとしても、大した問題ではない」と言い切る。20センチまで問題なかったからあと40センチあがってもたいした問題ではないなどといったいどうして言えるのか?ものごとには閾値というものがある。ある閾値まではいろんな事象は可塑性を持つ。しかし、一定の閾値を超えたら、カタストロフ(全面崩壊)に突き進む。その程度のこともわからない人に温暖化など問題ない等と言ってもらいたくない。20センチでも国の存亡がかかっている太平洋の島国もあるのだ。
彼の論拠とする(2)メタンガスが増加していないというのは1990年以降のことだという。(4)海洋の温度が下がっているというのは2003年以降という。たったそれだけの期間で下がっているか上がっているか等というのは、まともな科学者なら論拠にならないことは明白である。温度も濃度も氷の量も数年の間隔で増えたり減ったりしながら変動する。全体の傾向が増えているか減っているかは数年のデータではまったく判断できない。長年のデータを解析しないとそんなことは言えないのである。温暖化と言っても寒い冬もある。だから温暖化は嘘だという科学者がいたとしたら、それは御用学者かエセ科学者であろう。
温暖化を嘘だといいつのることで企業利益を最優先にする資本家とそれに依存する政治家以外にいったい誰が得するのだろう。もし千歩ゆずってそれが嘘だったとしても、温暖化対策を国際間で行うことによって人類の生存が少しでも保証される方向に進むことは間違いないだろう。「疑わしきは無罪」というのは、司法の常識であるが(最近常識になっていない怖ろしさについては別に書いている)、「疑わしきは罰する」のが環境問題で水俣病やイタイイタイ病などの深刻な公害を経験した日本いや人類の常識ではないか。
