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朝マナ

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ヨハネの黙示録 16章

2023年05月03日 | ヨハネ黙示録
ヨハネの黙示録 16章
その苦痛とでき物とのゆえに、天の神をのろった。そして、自分の行いを悔い改めなかった。
(16・11)


神の御怒りが〝鉢〟と表現されているのは興味深いです。瓶とか壺のような注ぎ口の狭い器ではチョロチョロと注ぐことになりますが、鉢ですから傾けると一気に注がれるわけです。新改訳3版のぶちまけるという表現は、鉢に込められた神の御怒りが一気に地上に注がれる様子を表現しています。新改訳2017の「注がれた」では、その勢いが薄れます。

7つの鉢のさばきは次の通りです。
 ①腫れ物
 ②海の水が血になる
 ③川の水が血になる
 ④太陽の炎熱
 ⑤漆黒の暗闇
 ⑥全世界の軍隊の集結
 ⑦大地震と巨大な雹……と続きます。  

第1~5の鉢のさばき(16・1~11)

1~5の鉢のさばきは、獣を礼拝する人々にむけて災いがくだります。たとえば、腫物については「獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々との体にひどい悪性のでき物ができた」とあります(16・2)

この時点で、獣にひざをかがめなかった人々も残っていますが、彼らにはこの災いは及びません。かつてエジプトに下った災いも、イスラエル居住区のゴセンが守られていたのと同じです(出8・22、9・4、10・23)。患難期に獣礼拝を拒絶するユダヤ人も守られることは既に学んだ通りです(黙12・6)

第2と第3の鉢のさばきは、海水と陸水も血に変わります。文字通りの血液なのかどうか分かりませんが、これまで多くの殉教者の血が流されてきたことへの報復を意味していることは確かです(黙16・5~6)

また、殉教者たちも神による報復を支持し、かつ感謝しています。「私はまた祭壇がこう言うのを聞いた、『全能者にして主なる神よ。しかり、あなたのさばきは真実で、かつ正しいさばきであります』」とはそのことです(16・7)

律法ではいけにえの血は祭壇に注がれました。同様に殉教者の血は天にある祭壇に注がれたわけです。だから、先の黙示録6章9~11節で、殉教者たちの声が祭壇の下から叫んでいました。いつになったら神はおさばきになるのですかと。でも、もうしばらく待っておれという返答でした。その〝もうしばらくの結果〟がこの鉢のさばきに表れているのです。

第4の鉢では太陽の炎熱による災害、第5の鉢では漆黒の暗闇の災害と続くのですが、獣礼拝をする人々は悔い改めるどころか、かえって神の御名を汚し、呪ったのです(16・9、11)。これら一連の出来事は、あの出エジプトの時の災害に似ています。そして、心を頑なにするエジプトの王パロと同じです。でも、神は最後まで悔い改めを待っておられます。

第6の鉢のさばき(16・12~16)

第6の鉢が傾けられるとユーフラテス川の水が枯れてしまいます。その目的は日の出る方から来る王たちに対し道を備えるためです(16・12)

黙示録が記された当時の地理感覚で日の出る方とは、ユーフラテス川の東側のことです。従ってメソポタミヤ地方の王たちを意味しています。その首都はバビロンです。ところが、インドや中国、さらには日本海を越えて日本であると解釈するのは深読みしすぎです。ユーフラテス川の向こう側の〝オリエント〟から来る王のことを意味しています。

この日の出る方から来る王たちが進軍する目的は、ユダヤ人を殺戮するためです。王たちを突き動かす動機の背後には龍(悪魔)たちの働きがあります。だからこう記されています。

龍の口から、獣の口から、にせ預言者※の口から、かえるのような三つの汚れた霊が出てきた。これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。(16・13~14) この3つの汚れた霊とは、①龍(悪魔)②獣(反キリスト)③にせ預言者(地からの獣)らが派遣する悪霊です。 ※先の13章11節の「地からの獣」は、ここに至って「にせ預言者」とされている。

この悪霊たちは、全世界が一致してイスラエルを滅ぼすべき必要を各国のリーダーたちに説明し、説き伏せるのです。この巧妙な働きかけは、聖霊による以外に見破ることはできないでしょう。こうして各国は、反ユダヤ主義の旗の下に、全軍をハルマゲドンに集結させます。これが、反ユダヤ主義の最終的に行き着くところです。

この時すでに、世界は鉢のさばきによってかなり疲弊しています。腫れ物と水不足と灼熱の中で、それでも兵士たちが立ち上がるのは、それだけあの3つの汚れた霊たちの説得が巧みであったのでしょう。

つづいて、3つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に王たちを召集したと記しています(16・16)。ハルマゲドンとは「メギドの山」という意味で、ガリラヤ湖の西南に位置する山です。その眼下には北側にイズレエルの平原が広がっています。 ※ハルマゲドンで戦争が起きるのではない。イスラエルに敵対する軍勢の集結地である。また、某解説によると「ハルマゲドンはゴラン高原で、ここで世界最終戦争が起きる」とする説があるが、そこはガリラヤ湖の東側であって位置関係が矛盾する。聖書はそこまで明言していない。

15節には挿入句として注意喚起がなされています。

見よ、わたしは盗人のように来る。裸のままで歩かないように、また、裸の恥を見られないように、目をさまし着物を身に着けている者は、さいわいである」。鉢のさばきが始まると、いよいよキリスト再臨の時ですが、明確な日時は分かりません。だから、目をさましていなさいと命じられているわけです。

当時のローマ兵の決まりでは、夜番が居眠りをすると、その罰として素っ裸で歩かされたのです。そのような恥をかかないようにと警告されているわけです。と同時に、信仰によって義の衣を着ることを忘れるなという意味にもなります。どんな試練の中でもキリストを着ることを忘れてはならないという意味です。

第7の鉢のさばき
(16・17~21)

すると、大きな声が聖所の中から、御座から出て、事はすでに成ったと言った(16・17)。この声は天の神殿からの声、神の高らかな宣言です。新改訳では事は成就したです。つまり、キリストの再臨と救いの計画は完成したことを意味しています。正確には、わずかばかりの時間の経過を経なければなりませんが、神にとっては〝完了形〟です。第7の鉢にまで来たら、もう完了したも同然です。

ハルマゲドンに集結した軍隊は、逃げるイスラエルを追って進撃します。追い詰められたイスラエルはようやくイエスがキリストであると告白し、キリストの来臨を求めるようになるでしょう。この一連の流れは黙示録16章に記されていませんが、聖書各所の預言から次のように予測できます。

追い詰められたイスラエルは、かつて自分たちが突き刺したイエスがキリストであると認めるようになります。こう預言されています。わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈の霊とを注ぐ。彼らはその刺した者を見る時、ひとり子のために嘆くように彼のために嘆き、ういごのために悲しむように、彼のためにいたく悲しむ。(ゼカリヤ12・10)

この民族的な悔い改めは〝恵みと祈(嘆願)の霊〟とあるように、聖霊の圧倒的な働きの中でなされるのです。この民族レベルでの救いはパウロも預言しています(ローマ11・25~26)

こうして、ついにイスラエルはキリストの来臨を切望します。すると、イエスが預言されたことが成就します。思い出してください。かつてイエスは言われました。「『主の御名によってきたる者に、祝福あれとお前たちが言うときまでは、今後再びわたしに会うことはないであろう(マタイ23・39)

このように預言なさる前に、イスラエルの民は、ロバの子に乗って都入りされたイエスを歓迎して「ダビデの子に、ホサナ。主の御名によってきたる者に、祝福あれ。いと高き所に、ホサナ」と告白しています(マタイ21・9)。それなのに、その後、イスラエルはイエスを拒絶してしまうのです。

その拒絶を受けて、再びイスラエルが「主の御名によって来たる者に祝福あれ」と歓迎し呼び求めない限り、わたしと会うことはないと預言を残して、イエスは十字架につかれたわけです。

長い歳月を経て、イスラエルは民族を挙げてイエスを呼び求め、こうしてキリストの来臨となるのです。

さあ、黙示録の記述に戻ります。イスラエルにこのような出来事が進む最中、獣たちの国には大きな災難が降りそそぎます。かつてない大地震の発生です(黙16・18)。どれほどの甚大な被害になるのか。想像をはるかに超えています。

また、その地震でシオンの山が地殻変動を起こし、3つに引き裂かれるようです。イエス再臨のとき、オリーブ山が南北に引き裂かれるというゼカリヤ書14章4節の記述もこの出来事と関連しています。

また、1タラント35㎏ほどの巨大な雹が降って大きな災害になります(16・21)。一連の災害の大きさは歴史上経験したことのないものばかりです。

かたやこの神の御怒りの中で悔い改めず、神の御名をけがす人々もいます(16・9)。彼らは天の神をのろいます(16・11、21)。調子の良いときは神をほめたたえるが、災いのときは平気で神をのろう……これが罪人の性質です。私たちはどうですか。

「苦しみにあったことは、私に良い事です。これによって私はあなたのおきてを学ぶことができました」と告白する者は幸いです(詩119・71)

朗読配信_Spotifyhttps://open.spotify.com/episode/35re3Jsim3Cobp50YDUItP?si=_iQj47yTRnypW7xU4YxAww
You Tubehttps://youtu.be/oDSZmx5xjEk

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