今月のさきがけ政経懇話会の講師は、元内閣官房副長官補の柳沢協二さんで、「戦争の危機と日本の安全」と題しての講演でした。
柳沢さんは講演の冒頭、戦後70数年のうちで、今が最も戦争の危機を身近に感じていると述べられました。
安保法制の制定で、安倍政権は専守防衛を逸脱し、米軍と一体化して海外での武器使用を可能にしました。
防衛省幹部を経て内閣の安全保障の要におられた方であり、戦争に対する見方は慧眼に値するもので感激しました。
憲法改正の議論が遡上に上り、自衛隊の存在を書き込むかが話題になっていますが、民主国家にあっては国民が望まないものは実現できない事になっています。
憲法にしろ自衛隊にしろ、そして戦争さえも国民の覚悟が決めると断言されました。
そして最後に、専守防衛という理念は「戦略」としても有効であり、今後も維持すべきだと結論づけました。
北朝鮮問題など近隣諸国との関係で、勇ましい論調がもてはやされていますが、敗戦国としての教訓は忘れてはならないと思いました。