今日は全国町村会が発行する町村週報5月19日号から、
東大名誉教授の大森 彌(わたる)教授の「自治体消滅の
罠」というコラムから。
単に未来のことを記述しているように思われる予想・予測が、
現在の人々の行動に影響を与え、現実化してしまうことを、
米国の社会学者R・K・マートンは「自己実現的予言」と呼んだ。
「銀行が健全でも、一度支払不能の噂がたち、預金者がまことだと
信じるようになると、たちまち支払不能に陥る」という例をあげている。
日本のことわざでは「嘘から出たまこと」である。
増田寛也元総務相を座長とする「日本創生会議」の分科会が、
2040年時点で、東京圏などへの人口減少が続くと、地方では
若い女性が50%以上減少して、523自治体は「消滅可能性が
高い」という。
自治体消滅の可能性が高まるというが、人口が減少すればする
ほど市町村の存在価値が高まるから消滅など起こらない。
起こるとすれば、自治体消滅という最悪の事態を想定したが
ゆえに、人々の気持ちが萎えてしまい、そのすきに乗じて「撤退
」が不可避だと思わせ、人為的に市町村を消滅させようとする
動きが出てくる場合である。
未来の予測を「自己実現的予言」にしてはならない。
先生は、先の「平成の大合併」で1600の町村が消滅しており、
再び市町村再編の流れが出てくることを警戒せよ、と言って
いるように思います。
「予想」という言葉はひらがなで反対から読むと「うそよ」となると、
以前聞いたことがあります。
一喜一憂せず、しっかりと町づくりを進めよとの激励だと受け止め
頑張ります。