右通路側のモザイク画
ギリシャ神話の
天を担ぐアトラス
オリンポスの神と戦って敗れ
世界の西の端で天空を支える罰を科せられた…
そんな頑張っているアトラス
2022.12.23撮影
床一面に描かれたモザイク画は、「Il racconto del 'libro di pietra'」/石の書の物語と定義され、実はとても意義深いメッセージが発せられていました。
そもそもロマネスク時代の芸術では、教会の床は地上に於ける、意識に浮かんだ姿や像を聖堂に捧げる空間とされていて、それがゆえに製作者のパンタレオーネは、中世の動物寓話にヒントを得、現実の動物はじめ、幻想的な生き物や、騎士道文学、神話、更には英雄たちをも描いたようでした。
中央身廊に描かれた
グリフォンにまたがるアレキサンダー大王
パンタレオーネは、アレキサンダー大王の姿を借りて、
「誇りと傲慢」を語っているのだとか
大王はグリフォンを操って
天空へ昇ろうと企てているらしい
両手に持つのはグリフォンへの餌
『ほれほれ肉をやるぞー
だから私を連れて天へ飛んでいけ』みたいな…
2022.12.23撮影
勿論、モザイク画には旧約聖書の登場人物やそのエピソード、預言者や天使や悪魔までもが登場します。しかし、本来歩くための床には、土足で踏みつけることになるキリストや聖母などの宗教上の人物は再現されていない…。決して無節操に描かれている訳ではないモザイク画。このことは、心を打ち妙に腑に落ちた思いでした。
聖堂内部の構成/サイトより
こうして見ると
モザイク画は
まるで聖堂に敷き詰められた
絨毯のよう
余談
忘れないうちにちょっとした注意事項を…午後3時、聖堂の扉は開けられはしましたが、と同時に係の人が聖堂の床掃除をし始めました。左通路からそれはそれは丁寧に。そのために左側のモザイク画はなかなか見ることが出来ず。仕方なく地下のクリブタへ降りましたが…戻って来てもまだ掃除中。
ここからは独り言…「オープン前に掃除は済ませておきましょうネ」…ってここはイタリアでした。開館してすぐは、こんなことがあるので、聖堂に入るのはお掃除の済みそうなオープン一時間後くらいがいいかも知れません。もっとも、何かの都合で今日(2022.12.23)だけのことだったかも知れませんが。
午後3時、係の人が車でやって来たけれど…
-続く-