むかーし むかしのことだ。
あるところに、ばぁさんとよめさんがいたと。
ばぁさんは えれぇー 食い意地が張っていてな、よそから なんかもらっても、
ちーっとも よめさんには やんねぇで、全部 自分一人で 食っちまうんだと。
ある時、ばぁさんが 用があって 出かけようとした時、
となりん家(ち)から、重箱に入った ボタモチをもらったんだと。
「おう、こりゃ、うんまそうな ボタモチだ。」って、すぐにでも食いたかったんだけどな、
ばぁさん、出かけなきゃなんねぇ。
「しょうがねぇ、あとで 食うべ。・・・それまで、嫁さんに見っかんねぇように、隠しとくべ。」
って 戸棚にしまいながら、ばぁさんは 重箱に向かって
「いいか、ボタモチ、おめぇーたち、よく聞けよ。
もし 嫁が重箱開けたら、おめぇーたち、カエルに化けるんだぞ。」
って言って、出かけて行ったと。
ところが、そのようすを、嫁さんが ずーっと見ていたと。
「なんだべ、ばぁさま、また 一人で 食う気だな。・・・どれどれ。」って、重箱 開けてみると、
なんとも うんまそうな ボタモチが一杯入っていたと。
嫁さん、思わず ひとつ つかんで、アングって 食ってみると、ほっぺた おっこちるほど、
うんまくって、アング アングって、とうとう 重箱まるごと 食っちまったんだと。
そしたら 嫁さん、裏の田んぼから カエルいっぱい 捕まえてきて、
重箱の中に ギッシッ ギッシッ つめこんで、暴れねぇように フタをして、戸棚に戻しておいたと。
しばらくして ばぁさん 帰って来て、
(どれどれ ボタモチ 食うべ)って、戸棚を開けて 重箱を取り出し フタを開けると、
中にいたカエルが ピョンコ ピョンコ 飛び出してきたと。
ばぁさん、あわてて、
「こら、ボタモチ! 飛ぶんじゃねえ! おら、嫁じゃねえ、・・・ばぁだ!
カエルになんなくていい! あぁあっ、そんなに飛んだら、あんこが落っこちまうべ・・・。」
って、あっちこっち 追っかけたけど、
とうとう ボタモチみーんな、田んぼに 飛び込んじまったんだと。
いきがポーンとさけた。
あるところに、ばぁさんとよめさんがいたと。
ばぁさんは えれぇー 食い意地が張っていてな、よそから なんかもらっても、
ちーっとも よめさんには やんねぇで、全部 自分一人で 食っちまうんだと。
ある時、ばぁさんが 用があって 出かけようとした時、
となりん家(ち)から、重箱に入った ボタモチをもらったんだと。
「おう、こりゃ、うんまそうな ボタモチだ。」って、すぐにでも食いたかったんだけどな、
ばぁさん、出かけなきゃなんねぇ。
「しょうがねぇ、あとで 食うべ。・・・それまで、嫁さんに見っかんねぇように、隠しとくべ。」
って 戸棚にしまいながら、ばぁさんは 重箱に向かって
「いいか、ボタモチ、おめぇーたち、よく聞けよ。
もし 嫁が重箱開けたら、おめぇーたち、カエルに化けるんだぞ。」
って言って、出かけて行ったと。
ところが、そのようすを、嫁さんが ずーっと見ていたと。
「なんだべ、ばぁさま、また 一人で 食う気だな。・・・どれどれ。」って、重箱 開けてみると、
なんとも うんまそうな ボタモチが一杯入っていたと。
嫁さん、思わず ひとつ つかんで、アングって 食ってみると、ほっぺた おっこちるほど、
うんまくって、アング アングって、とうとう 重箱まるごと 食っちまったんだと。
そしたら 嫁さん、裏の田んぼから カエルいっぱい 捕まえてきて、
重箱の中に ギッシッ ギッシッ つめこんで、暴れねぇように フタをして、戸棚に戻しておいたと。
しばらくして ばぁさん 帰って来て、
(どれどれ ボタモチ 食うべ)って、戸棚を開けて 重箱を取り出し フタを開けると、
中にいたカエルが ピョンコ ピョンコ 飛び出してきたと。
ばぁさん、あわてて、
「こら、ボタモチ! 飛ぶんじゃねえ! おら、嫁じゃねえ、・・・ばぁだ!
カエルになんなくていい! あぁあっ、そんなに飛んだら、あんこが落っこちまうべ・・・。」
って、あっちこっち 追っかけたけど、
とうとう ボタモチみーんな、田んぼに 飛び込んじまったんだと。
いきがポーンとさけた。