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身近にあった森に分け入る

2005-05-08 18:13:42 | 身辺のこと・自然
身近にあった森に分け入る

 気分転換と思って、地図を広げて3、4キロぐらい近くの自然公園に出かけた。平地にしただけのグランドでは少年野球をしていたが、一帯は大規模な森が残されていた。その中を歩けるように、獣道のような道が整備されていた。高さ10メートル以上の木々の葉で覆われて、陽が知面に届かないぐらいであった。そしてあちこちから鳥の鳴き声が終始聞こえた。
 この市はすべてがフラットで山のない地形なので、自然は川、雑木林、ゴルフ場、大規模な公園ぐらいだろうと思っていた。しかしそこは十分に深い森であった。下草を刈るなどの手入れはされていたが、木は何十年もその地に根付いた姿のいいものだった。ガマズミが花盛りだったし、珍しいシラカバの巨木を1本見つけた。シラカバは、この地より寒い地域に林を形成していると思っていたので、発見した思いだった。

 しばらく歩いていたら、鳥獣保護員という腕章のつけた人に出会った。わたしはこのときとばかり、この地の自然について質問を試みた。
 キジ、コジュケイなどが今もいるが、オオタカはいなくなったとのこと。カラスによって巣が荒らされて、野鳥が減少しているとのことである。それでも野鳥はいくつかの緑地をテリトリーとしていているので、まだよいほうとのことだ。
 以前はノウサギやキツネなどの動物がいたが、現在は見えなくなった。しかしそこから少し離れた川の側に小ギツネを見つけた人がいるので、わずかに残っているだろうとのことである。

 階段を下りたら、そこには墓地があった。広い湿地だったのを埋め立て市営の墓地にしたとのことである。そういえばヤナギの巨木が一列に並んでいた。そこが土手だったとすると、墓地のところはさらに低いので、大きな沼で魚もすんでいたことが想像できた。そういえばそこから地続きの東側一体は大沼という地名である。昔の地形を考えてみた。さらに「溝」「淵」のつく地名もあると連想がふくらんで、人が農耕地を求めて開拓に入植しただろう頃のことを想像してみた。
 それに大規模な土器が埋蔵されている地で、それを保護しているところでもあるとのことだ。全体にフラットの地形に大きな湿地や沼があって、その上部の日当たりのよい場所に古代人は住んで狩猟や採集あるいは農耕をして暮らしいたのだろうと、しばし眺望のよいところに立ち止まって、はるか昔の人々の営みに思いをはせたのだった。

 帰宅して改めて地図を広げたら、足を踏み入れたところが歴史公園であり、その地続きに○○遺跡とあった。その付近には寺と神社があり、西側が大きな川であることから、昔から人々の暮らしの要所であったのだろうと、いっそう想像を楽しんだのだった。
 この地に住んで6年なのに、近くに巨大な自然が残されているのは知らなかった。また機会を作って、この地の自然を探索してみようという思いが、募ったのだった。

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