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長寿国で笑顔と戸惑い―インドネシア人介護士

2009-03-28 17:32:03 | 福祉
 朝日新聞が、インドネシア人介護士が現場に入って1カ月余りになるのを、横浜市の特養「さわやか苑」で働く2人の仕事ぶりで紹介した。写真4枚挿入した1面の大部分を使っての大きな扱いである。2人はインドネシアの看護大学をでてから来日し、日本語研修6カ月を経てから、「介護助手」として働き始めたのである。
 「介護助手」という名称と職種はないが、新聞ではこの受け入れ条件である、4年間のうちに日本語で介護福祉士の国家試験を合格することによって、滞在延長して正規の採用される、ということにそった記述をしている。そのためタイトルにも「介護士候補」という表現である。
 特養の現場では、日本人の場合は職員不足ということもあって、無資格あるいはホームヘルパー資格でも介護福祉士と同じ内容の仕事をしているのが現実である。
 看護師の場合は、たとえば注射をするといった客観的技術のともなった仕事が含まれる。それに比べて介護は、生活文化という民族の歴史を踏まえたあいまいさも含んだ包括的な内容を介在にしたコミュニケーションの仕事であるだけに、同化するぐらいの慣れが必要とされる。見出しに「働くと勉強、がんばる」ともあるように、彼らはそうとうな努力をしていると想像できる。
 インドネシアにはなかった初めての体験で戸惑うことが多いだろうが、日本の高齢者年齢もそのひとつであろう。「お年寄りで動けなくなったら家族が見る。医療の力で生きるよりは、自然に亡くなるのが普通」とのことだ。それは平均寿命が68歳の国なので理解できる。日本は83歳のであり、初めて100歳の人を見て、さぞ戸惑いも大きいだろう。
 勤務時間は朝10時から午後6時45分。利用者の課題に沿ったケアやコミュニケーションは、今のところ困難と推測される。そのこともあって、入浴介助、オムツ交換、シーツ交換という仕事が中心のようだ。このような体の負担の大きい補助的仕事に固定しないようせねばなるまい。
 週2回の日本語の授業もこなすというが、賃金のうち仮に5万円ぐらい仕送りできるとすれば、おそらくインドネシアでの賃金の3人~5人分に相当するのではないだろうか。【朝日新聞3月27日(金)の記事を参考にしている】


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