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ことわざ勉強会:「に」ではじまるのは

2019-03-21 06:29:39 | 日記
触れてはいけないことわざ

 毎週木曜日はことわざを学ぶ日。
特定の文字ではじまることわざを思い浮かべて、それにまつわるあれこれを探って行きます。
今週の文字は「に」です。
 「二階から目薬」「逃がした魚は大きい」「二度あることは三度ある」など「に」で
はじまるものはかなりあります。
個人的には「女房と畳は新しいほうがよい」を採用したいところですが、後々面倒なこと
になりそうなのでこれにしました。
「似ても焼いても食えない」です。

 <手に負えない、どうしようもないさまのこと。
食用にならないものは煮ようが焼こうが食えないことから。
同義のものとしては「箸にも棒にも掛からぬ」がある。>(故事ことわざ辞典 より)

ことわざの成り立ち
 
 現代社会では煮るも焼くも造作も無い調理の基本作業ですが、初期の人類にとっては
話が違いました。
 人類最古の調理は約100万年前に直火で肉を焼いた痕跡だそうです。
当時は食材を直接火にさらして焼き、熱した石をフライパンの様に使って物を焼きました。
火を使う事を覚えた人類にとって、焼く作業は比較的簡単だった様です。
 新石器時代になり土器が発明されて漸く焼く以外の調理が可能になりました。
煮たり茹でたり揚げたりができる様になったのです。(パンタポルタ より)
 調理法は焼く煮る揚げるの順に進歩していったのでした。
そこに至る苦労を思えば、今週のことわざは「焼いても煮ても食えない」と正しく表現
するべきなのかもしれません。

 故事ことわざ辞典には「煮ても~」を使った例文として<煮ても焼いても食えない
人物だと聞いてはいたが、ここまでひどいとは思わなかった。>とあります。
大抵の場合、このことわざは人に被って使われます。
そうなるとちょっと気になる事が出て来ます。

 同じような単語を使った表現として「人を食う」があります。
<人を人と思わない態度をとる。馬鹿にすること。>例文として<あいつの人を食った
ような態度が許せない。>が載っていました。(ことわざ・慣用句の百科事典 より)
 「食って掛かる」とも言います。
<激しい口調や態度で相手に向かって行くこと。>の意味で、<先生に食って掛かった。>
が例文です。(引用はいずれも ことわざ・慣用句の百科事典 より)
 どちらも「食う」相手は人間。
やたらと人を食べるたとえが出て来ます。
昔の人は随分とそこにこだわっている気がします。
 実際に人を食べたかったのかな?
今週のことわざの成り立ちにはそんな恐ろしい懸念を抱いてしまいます。
コメント
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