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雑草の日:コケを食べたら

2019-03-05 06:42:10 | 日記
糸くずのくせに

 地面に張り付いた地味な存在。
ほとんど関心を抱いた事が無かったけれど、そいつには驚くべき力が秘められていました。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 ミズゴケ科 ミズゴケ属 ミズゴケ です。

 驚くべきはその保水力。
自分の重さの10倍の水分を保つそうです。
 <ムラサキツユクサなどは多層表皮の2層以下が水分を蓄える組織になっている。
アロエなどは葉肉の細胞に貯水組織が混じっている。
サボテンなどは茎が多肉状の組織になって水を蓄える。>(コトバンク より)
 これらの植物は見るからにタップリと水分を保てそうな姿をしています。
しかしミズゴケは糸くずの集まりの様で、とてもそんな力がある様には見えません。
どんな仕掛けでそれ程の保水力を誇るのか不思議です。
 <枝葉は透明細胞と葉緑細胞で構成されている。
透明細胞には幾つもの孔があり、貯水性がある。>(Wikipedia より)
 糸くずのそれぞれが水を吸い込み、全体として途方もない量を蓄えるのでした。

 コケと言うとジメジメした場所に生えているので、雑菌がうようよしていそうです。
ところが第1次世界大戦ではミズゴケは脱脂綿の代用にされたと言うから驚きます。
 <抜群の吸水性と抗菌性を備える。
生のミズゴケをビニール袋に入れ室内に放置してもカビが生えず数カ月生きている。>
(ハッピーモス より)
こんな芸当ができるのは
<水素イオンを放出して酸性を保っている。
更にペニシリンの基になる青カビが棲みついている。
これによって雑菌から身を守っている。>(身近な自然と科学 より)
 糸くずなんて決して侮れません。

まさかの挑戦

 そんなミズゴケの分布は世界中、全部で150種あり日本では47種が確認されています。
しかし園芸用の植栽や培養土に混ぜる為に大量に採取され、生息域が急激に減って
いるそうです。
千葉など10の県では絶滅危惧種、長野など15の県では準絶滅危惧種に指定されています。
(苔アレコレ情報 より)

 貴重なコケを食べてしまう話がありました。
私は思いもしなかったけれど、世の中にはこれを口にするチャレンジャーがいます。
こんな記述がありました。
 <登山者向けの山小屋で食膳にのぼる例がある。
栄養価は低くない。>((元)京都にて より)
もっと積極的な挑戦もありました。
「苔とあるく」の著者田中美穂さんはミズゴケをてんぷらにして美味しく頂くと言います。

 それを知って私の食欲に支配された脳みそが俄然反応しました。
みずみずしいところを採って来て天ぷらで食いたい。
その純粋な取り組みは、でも周囲には決して理解されません。
「お父さんがコケを食べてる。」
「あいつ最近コケを喰ってるらしいよ。」
そんな噂がじわじわと広がりますが、それは決して誉め言葉ではありません。
コメント
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