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思い込みのタンデライオン

2015-12-08 07:00:35 | 日記
冬にもタンポポ

 初雪が降ったこの時期に公園の空き地ではタンポポの鮮やかな黄色が
目立ちます。
えっ?タンポポ?
それは春に咲く花でしょ!
大抵の方はそう思われます。
しかしそれは思い込み、冬にも咲くのがタンポポなのです。

 毎週火曜日はウォーキング中に見かけた山野草を取り上げていますが今週は、
キク科 タンポポ属 タンポポ です。

 在来種のカントウタンポポと外来種のセイヨウタンポポが存在する事は
広く知られています。
花の下側にある総苞片が反り返らないのが前者、そっくり返えるのが後者、
と見分け方もお馴染です。

 在来種は固有種を駆逐する、と一般に考えられがちな為に、タンポポの世界
でもセイヨウタンポポが在来種を絶滅に追いやっている悪者と言われ続けて来ました。
ところが研究者の観察により、それは勝手な思い込みで実は加害者は人間だと
判明しています。
 人間が在来種の生息地を開発によって破壊し種を根絶やしにしてしまった、
その後にその場所でも生息できる外来種が定着して繁殖地を広げた、それが
セイヨウタンポポ増殖の真相、と最近は広く報じられています。

逞しい外来種、ひ弱な在来種、って本当?

 では両者の繁殖力にはどんな違いがあるのでしょう。
カントウタンポポは春にしか開花しません。
実った種子は重いのであまり遠くまでは運ばれません。
土に落ちても秋になるまでは発芽をしません。
 一方でセイヨウタンポポは一年中花を咲かせます。
種子は軽いので遠くまで運ばれます。
舗装道路などのアルカリ性の土壌を好み、落下するとすぐに芽を出します。
しかも自家受粉までしてしまいます。

 他の植物が生きていけない厳しい環境でも繁殖できる強さを持っている
セイヨウタンポポに比べて、カントウタンポポは如何にもひ弱な存在に見えます。
 しかしそれも勝手な思い込みの様です。
例えばカントウタンポポが「土に落ちてもすぐに発芽しない」のはライバルの
多い春から夏にかけては休眠し、夏草が枯れた秋に発芽した方が有利だと判断
しての戦略です。
風で遠くまで運ばれないのも、あるいは近辺から群れを広げていく着実な
方法なのかもしれません。

 冬のタンポポは多くの思い込みに彩られた美しい花なのです。
コメント
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