世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●オバマとプーチン マネーの奴隷的政権&独自価値観の独裁的政権

2015年10月09日 | 日記
プーチンの実像 証言で暴く「皇帝」の素顔
クリエーター情報なし
朝日新聞出版

巧妙にアメリカンな解釈に偏っているが読んでも良いだろう

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●オバマとプーチン マネーの奴隷的政権&独自価値観の独裁的政権

米国オバマ大統領の初めての就任演説には、筆者も感動していた。彼の掲げた思想や価値観は、明らかに弱者に陽の当たるものだった。“弱きを助け強きを挫く”そのものだった。この大統領の出現で、アメリカの独善も幾分変わるのだろうかと期待したが、完璧に裏切られた。まあ、世界の警察であり、世界中から投資資金を流入させている経済大国であり、軍事大国なのだから、たかが大統領の力量で実行できることは、些細なことで、とても米国と云う国を変えることが出来ないことを知らされた。

そして、二期目に入ってからは、オバマの政治活動の源泉であった金融資本主義者の下僕と云う役割に完全に徹したのだから、第一期目のオバマと二期目のオバマは、別人だった。期の途中で「変節」した、珍しい大統領だろう。それ程、グローバル企業や金融資本の支配力は絶大で、結果的には政治家そのものをも支配している事が明白になってきている。筆者の感覚で理解する場合だが、アメリカ合衆国においては、統合的な意志を遂行する能力を失ったホワイトハウスがあるだけだ、と云う事が理解できた。つまり、アメリカの外交軍事内政は、マネーの支配下にあり、見せかけの民主主義の衣が被せられているが、「マネー独裁デモクラシー制度」なのだと決定しても良い。

アメリカに関しては、ウンザリするほどのプロパガンダ情報が日本中のメディアから垂れ流されているので、聞く気がなくても、読む気がなくても、知らない内に、日本と云う国に生きていること自体で、アメリカン・デモクラシーの水と空気に晒されている。そう、我々は、生きていること自体が、アメリカン・デモクラシーと云う胡散臭いWスタンダードが当然であるような、デモクラシーと云う衣を被った守銭奴や、人類の数を自分たちの都合で選別するような“闇の思想主義者”に支配されかかっているのだ。

され掛かっていると言うべきか、既に充分に支配されているのだろうが、アメリカ国内ではないので、国益と思われるカテゴリーの中に、今後土足で踏み荒らされる出来事が頻発する歴史のページに踏み込んだようだ。小沢一郎が、日本共産党の志位委員長とタッグを組んだのは、単に次期参議院選に勝つための野党連携だけが視野だとは、筆者は考えていない。無論、それが当面の目標だろうが、対米自立を本気で考えないと、日本はトンデモナイ間違いを冒す危険が増大したと考えた節がある。発言の中に、そのような含みはないが、米軍は横須賀の第七艦隊だけで結構です、といった言葉に象徴されているのだろうと推測する。

つまり、いま現在、日本の都市文化の中で生きている人々などは、殆ど東海岸に住んでいる米国人以上にアメリカンなのである。なにせ、現実のアメリカンより安全なのだから、言うことなしだ。しかし、そんな良い思いを敗戦国にさせておけるほど、戦勝国は優雅ではなくなった。アメリカはまだしも、英国もフランスも、経済的にはきりきり舞いしている。中露に至っては、戦勝国だったのか?と疑いたくなるような歴史的現実が、ここ50年で起きている。だいたいが、大敗戦国だったドイツと日本が、いつの間にか、戦勝国風な生活を定着させているではないか、そんな不条理があってはならない。実際に、英米露独で暮らす友人の話を総合しても、暮らし上は、日独が戦勝国になっている(笑)。

非常に前置きが長くなってしまったが、第二次世界大戦後の戦勝国と敗戦国の規律が、実はデモクラシーを強く標榜するアメリカの所為で、倒錯してしまったわけだ。ロシアは、戦勝国であったソ連邦から脱皮したので、米英仏は戦勝国ではないんじゃないの?と云う疑念を常に持っている。中国が戦勝したと云っても蒋介石の軍だから、毛沢東の中国じゃなく台湾じゃねえの?と云う大きな根本的疑問も残されている。現在の中国発信の情報は、ロシア以上に言論統制が厳しく、事実は常に闇の中だ。それに比べれば、ロシアのプーチンは、個人的魅力で、多くの世界の要人とのパイプもある。安倍との蜜月は、あれは別だが…糸電話暗いだろう。

そう云う訳で、プーチンの国連演説における発言は、非常に意義深い。安倍の国連演説と違い満員だった(笑)個人的には、プーチンのシリアにおける軍事的選択肢が正解かどうか未だ判らないが、演説での主張は、正論だったと理解する。国連を機能させることを主張した点で、アメリカ有志連合より数段、民主主義を感じる。オバマの演説と違い、リアリティーに裏打ちされていた。じっくり聞くと云うか読んでみておく価値がある。英語も怪しいし、ロシア語はまったくなので、“マスコミに載らない海外記事さんのブログ”を引用する形で以下に紹介する。この演説の後で、“と云う事実が判明し、確実になったので、シリアにおいて、暴力を輸出し、民主主義だと云う力の排除に乗り出す”とでも言わんばかりに、シリアにおいて露軍は“IS掃討作戦”に乗り出した。プーチンの大いなる“アメリカンデモクラシー”への反撃だろう。個人的には、このプーチンの決断で、国連やEUがアメリカの独善の歯止めとして機能することを期待したい。


≪ 民主主義でなく暴力:プーチン大統領
‘例外主義で全く責任を問われない政策’
を国連演説で糾弾
 国連総会での演説で、いわゆる‘民主的’革命の輸出は続いているが、民主主義の勝利でなく、貧困と暴力を解き放った、とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は述べた。
 イデオロギー上の好みに基づく変化を、他国に押しつけようとする企みは“悲劇的な結果と、進歩ではなく、劣化をもたらしました”月曜日、ニューヨークの国連70周年総会に集まった世界の指導者達や為政者への演説で、プーチンは語った。

 “我々全員、過去に学んだことを記憶しているべきなのです”とプーチンは述べた。“我々は、例えば、ソ連の歴史の教訓を覚えています。” ところが、一部の人々は人の失敗から学ぶことなく、失敗を繰り返しているように思えます、と彼は述べ“いわゆる‘民主的’革命の輸出が続いています。”と言い添えた。

  “この状況を生み出した人々に私は質問せずにはいられません。自分がしでかしたことを理解しているのでしょうか?”と彼は質問した。“しかし、この質問は未決のままになってしまうのではと私は恐れます。うぬぼれと、自分は例外で、全く責任を問われないのだという信念に基づく政策は、決して放棄されることはないのですから。”

 彼は、人々が変化を望んでいた中東と北アフリカにおける革命の例を挙げた。ところが、改革や、民主主義や進歩の勝利ではなく、“我々が得たのは、暴力、貧困や、生きる権利を含む人権の社会的災害で、これは全く重視されていません。”

 “改革をもたらすのではなく、攻撃的な外国の介入は、国家機関や、生き方そのものの恥知らずの破壊をもたらしました”と彼は述べた。

 冷戦時代が終わった後、世界に、単一の支配センターが出現したとプーチンは述べた。“このピラミッドの頂上にたつ”人々は“もし自分たちがこれほど強力で例外的なら、自分たちは、他の連中より、物事をうまくやれる"と考えがちなのです。

  “だから、彼らは自動的に承認したり、必要な決定を合法化したりする代わりに、障害を作り出すことが多い、言い換えれば‘邪魔になる’国連を考慮に入れる必要がないのです。”

 国連の権限と正当性を損なう企みは“極めて危険で”、国際関係全体の崩壊を招きかねないとロシアは考えていると、ロシア大統領は述べた。議場に集まった世界の指導者や政策立案者たちに語りながら、国連の更なる発展のための団結を彼は強く促した。

 ‘テロリストをもてあそぶのを止め、対ISISで、国連のもとに団結しよう’ 中東や北アフリカ地域における力の空白は、無法地帯の出現をもたらし、そこに即座に過激派やテロリストが入り込むことになったと、プーチンは述べた。
 イラクとシリアに足場を固めた「イスラム国」戦士(IS、旧ISIS/ISIL)は、今やイスラム世界全体を支配すようとしている、と彼は述べた。
  “[「イスラム国」]の兵士には、2003年のイラク侵略後、軍解体で放り出された旧イラク軍人がいます。多くの新兵は、国連安全保障理事会決議1973の重大な違反の結果として、国家としての状態が破壊された国、リビアからも来ています。”
  一部の欧米諸国によって支援されているシリアの‘穏健派’反政府勢力から寝返った過激派もいると、彼は強調した。
  “最初に、彼らは武器を与えられ、訓練されると、彼らは、いわゆる「イスラム国」に寝返ります。おまけに、「イスラム国」は、突然どこからともなく現れたわけではありません。当初、好ましからぬ非宗教政権に対する手先として作り上げられたのです”と彼は説明した。
 全世界に対し、彼らの脅威を宣言しながら、テロリストが資金援助を得ているチャンネルを見て見ぬふりをするのは“偽善的で無責任”たと彼は表現した。

 “テロリストをもてあそんだり、まして連中に武器を与えたりする取り組みは、近視眼的であるのみならず、‘火事を引き起こす危険’だと我々は考えます。これは世界的テロの脅威を劇的に増大し、世界の新たな地域を巻き込む結果になりかねません”と彼は述べた。
 ISはヨーロッパやロシアも例外でない多くの国々からの過激派を訓練していると彼は述べた。プーチンは現地のテロリストと戦っているシリア政府軍との協力を強く促した。
 “テロと真っ正面から果敢に戦っているシリア政府と、その軍隊との協力を拒否するのは途方もない過ちだと我々は考えます”と彼は述べた。
  “「イスラム国」やシリア国内の他のテロ組織と本当に戦っているのは、アサド大統領の軍隊とクルド民兵なのだということを最終的に認めるべきなのです”と彼は述べた。
  地域でのテロとの戦いを進めているイラク、シリアや他の国々に、ロシアは軍事的、技術的支援を行っていると彼は述べた。

 プーチンは、共同の取り組みと広範な国際対テロ連合の創設を提案した。国連安全保障理事会で、国連憲章の原則に基づき、ISや他のテロ組織に立ち向かう部隊を調整することを目指す決議に関する議論をするよう、彼は提案した。

‘難民危機に対する最終的な解決策は、中東の回復だ’

 もし危機に見舞われた国々の政治的、経済的安定化のための包括的戦略が開発されれば、難民危機問題に取り組む希望が生まれるだろうと、プーチンは述べた。
  “自国を離れることを強いられた人々の流れが、文字通り、近隣諸国、そしてヨーロッパに殺到しています” これを“新たな痛ましい人々の移動”と呼んで、彼は述べた。
  難民危機に対する根本的解決策は、破壊された国家の状態を回復させ、弱体な政府機関を強化し、民流出国に対し、包括的支援難を行うことに根差していることを彼は強調した。

  ‘ウクライナの領土的一体性は、武力によって保障することはできない’

 冷戦思考や、新たな地政学的地域を探し求めようという願望が、国際社会の一部に、いまだ存在しています、とプーチンは述べた。
  “最初、彼らは、NATO拡大政策を継続しました”と彼は述べた。ソ連崩壊後、“彼らは、ソ連後の諸国に偽りの選択肢を提示しました- 欧米と組むか、東と組むか。遅かれ早かれ、対決の論理が、深刻な地政学的危機に火をつける運命にあったのです。これこそ、まさに、当時の政府に対する国民の不満が利用され、軍事クーデターが外部から画策され、それが結果的に内戦を引き起こした、ウクライナでおきたことなのです。”
 2月にノルマンディー・フォーが仲介したミンスク合意の完全実施をプーチンは再度呼びかけた。合意は“文明国としての”ウクライナの発展を保障するだろうと彼は述べた。 “ウクライナの領土的一体性は威嚇や武力では確保できません。本当に必要なのは、ドンバス地域の人々の利益と権利に対する本当の思いやり、[と]彼らの選択の尊重です。”
記事原文のurl:http://www.rt.com/news/316804-putin-russia-unga-speech/  

≫(マスコミに載らない海外記事さんのブログより)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-957e.html



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