世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●反中という日本病、反日という中国病 “反目”棚上げの知恵

2015年10月25日 | 日記
人間・始皇帝 (岩波新書)
クリエーター情報なし
岩波書店


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●反中という日本病、反日という中国病 “反目”棚上げの知恵

20年ほど前になるが、西新宿に近い代々木に住んでいた。都営地下鉄の駅も近く、都庁も近く、かなりの立地マンションだった。新宿東口にも徒歩10分程度、場外馬券場も隣接。新宿伊勢丹から歌舞伎町までが、徒歩圏内だったので、痛くご満悦だった。しかし、筆者のご満悦は長くは続かなかった。マンションの自治が上手く機能しなくなったのだ。何故かと言えば、その利便性は、格好の投資物件と化したわけだ。つまり、不動産投資価値が上がると同時に、住環境と云う意味では、低下の一途を辿ることになる。

全居室の1割程度が中国系の企業や個人が所有したようだったが、1割の所有権者に対して、居住者数がベラボーに増加し、感覚的だが4割の中国人居住と云う状況になった。それだけなら、我が居室にまで闖入はしてこないから大丈夫かと思っていたが、予測は外れた。彼らの話声と云うもの、言語の特長かもしれないが、やたらとデカイ。窓越しにバンバン聞こえてくる。ゴミ置場の収拾がつかない程度なら、手の施しようもあるが、エレベーター内、廊下、階段などに、一緒くたのゴミが放置される。民族独特の料理を含む臭いもバルコニーを通して、爽やかな明治神宮渡りの空気などと云う問題ではなくなった。

まあそんなこんなで、堪らず、かなり交通の便など不利だったが、都心から30分程度の町に、逃げ出したわけである。まあ、住んでいる分には問題ないが、交通はかなり不便で、車利用が大幅に増え、運動不足は目に余り、医者からジムに通えと命令が下された(笑)。それは余談だが、その代々木のマンションに長々と住んでいた友人に久々会ったが、遂に彼も力尽き、そのマンションを手放すことにしたようだ。小学校からのつき合いなので、ざっくばらんに話せるのだが、そのマンションの所有権は、5割方外国人のものとなり、居住者数に至っては8割が中国人中心のマンションになったのだそうだ。

それは大損害だな、と話すと、彼は、いやそうでもない、と言う。色々事情を聞いて行くと、築40年を超えているのに、未だに値上がりしているのだそうだ。特に最近の地上げ紛いの不動産屋の攻勢は凄まじいと云う。中国マネーだ。つまり、彼は、お釣りが出るほどの価格で、築40年超えのマンションを売却したと云うことだ。たしかに、乗ってきた車がカローラからBMWに変っていた(笑)。まあ、こんな私事を話すのも、人民日報の以下の記事を目にした所為なのだが、同じ人種であり、文化的共通性も多い民族でありながら、今の日本の感覚からいけば、最も遠い国の感さえある。

たしかに中国人と共通の社会で暮らすとなると、かなりの苦痛を伴うと考えておいて良いだろう。ただ、彼らの国が、様々な皇帝の歴史を繰り返し、永遠の室町時代のような時間を経た上に、英日などの支配を経て、たまたまだが独立できた。かなり、第二次世界大戦による漁夫の利を得た最大の国家だろう。そして、共産党一党独裁と資本主義の混合国家を営んでいるわけだが、この試みが成功するのか、崩壊するのか一面的考察で結論は出せないだろう。ただ、中国の長い歴史の中で、現在に至るも、大衆は事実上、国家と強く関わらない生き様を見せているようだ。

早い話が、我々が目にする中国には、三つか四つの顔があるのだろう。共産党の顔、貪欲な資本主義の守銭奴の顔、意味不明に不満や差別に鬱屈した大衆。世界NO1と叫びたい共産党指導層、愛国など関係なく、金儲けに徹する層、多民族においては中国と云う国を認めようともしない漢民族以外の大衆の個人主義(生きることにおいてだが)。食べていくだけで、日が暮れる生活が永遠と続く大衆。このような国や国民に対して、公共的マナーがなさ過ぎると批判の的にしても、あまり意味はない。もしかすると、待ち続けても、西側諸国のような振舞いを望むのは無理な地域かもしれない。まあ、欺瞞だらけで公共的マナーもどきより、どちらが質が悪いか微妙な判断だ。

しかし、日本で、中国社会の群れを離れて、中華街を形成するわけでもなく暮らしている中国人も大勢いる。彼らの多くは、幸運にも訪日後早い時期に、日本社会の公共ルールを伝授してくれる人々と出会った人たちだ。拒絶ではなく、包摂に触れた人たちなのだと思う。どうしても、隣接する国や人々の間には、利害関係が生まれやすいわけで、諍いも多くなるのは当然なのだ。ただ、遠い地域に住んでいる連中の口車に乗って、隣近所と喧嘩しようと云う発想は、馬鹿を見ることになるだろう。厄介な親戚なんて、どんな家庭にもあるわけだが、遠い知らない国の人々よりは関係性は多岐にわたる。

その意味でも、良いことは褒め、学ぶべきところは学ぶ、反論すべきことは反論する。逆に、認められている人間からの意見は、意外に受け入れられることが多い。おそらく、すべての始まりは、単なる人間関係でも似ているが、相手を認めることだ。認めてから、物事は動きだす。まあ、そんな感慨を持って、読んでみると、一味違う中国も見えてくる。トヨタの哲学を「独自の哲学」と褒めている部分、欧米価値観は日本独自の価値観じゃないのでは、と遠回しにチクリと刺されているのかもしれないが、穿ち過ぎかもしれない(笑)。


 ≪ トヨタが販売量世界一になったのは独自の哲学のため
 トヨタ自動車がまとめた最新のデータによると、同社と中国合弁会社の今年9月の中国での販売台数は約9万1100台に上、前年同月比26.1%増加した。1~9月は約71万300台で、前年同期比11.5%増加した。環球網が伝えた。

 中国自動車市場の新常態(ニューノーマル)の下、トヨタの販売量が高い水準を維持し、中国での販売台数100万台の達成が実現可能な目標になってきた。トヨタの好調な売り上げについて、メディアや世論はさまざまな解釈を試み、業界関係者は、「販売台数の伸びは技術面での成長に根源があり、トヨタの『小型車は量を追求し、大型車は利益を追求する』戦略と関係がある」との見方を示す。

 製品のグレードからトヨタの販売台数増加の誘因を説明するだけでなく、トヨタの最近の中国市場におけるいくつかの出来事から説明することもできる。その出来事とは製品の営業販売とは関係ないものだが、それがかえってトヨタの身体の奥深くからにじみ出る「ゆっくり」の哲学を明らかにする。この「ゆっくり」の哲学は、トヨタが販売台数世界一の座に安定して座り続ける根本的な原因でもある。

 1つ目の出来事は、遼寧省にある遼寧トヨタ金杯技師学院の25周年記念式典だ。同学院は中国の自動車合弁産業とともに成長してきたもので、トヨタが中国市場に進出した時に新車の普及拡大と技術者の育成という2つの道のうち、後者を選んだことを示す。

 25年の歳月の中で、トヨタは資源とパワーを間断なく投入して同学院の発展を支援してきた。これまで9期にわたる支援を行い、累計支援額は1億元(約18 億7千万円)を超えた。同学院のプロジェクトはトヨタが中国で持続的に展開する社会公益活動の中で最も歴史が古いものでもある。

 ますます競争が激しくなる自動車市場において、ライバルたちが製品の布陣をむやみやたらと拡大し、スローガンを大声で叫び、自動車産業のチャンピオンの玉座に座ったと喧伝する中、トヨタは常に「クルマづくりより人づくり」の理念を踏まえてきた。トヨタの目には、中国市場での真の国産化実現には、進んだ技術と製品を導入する必要があるだけでなく、人材の現地化を実現することがより重要なこととして映っていた。

 トヨタの「クルマづくりより人づくり」の戦略は大きな成果を収めた。これまでに中国人技術者260人以上がトヨタの自動車研究開発センターに入社し、ハイブリッド技術国産化の研究開発に参加してきた。

 2つ目の出来事はトヨタが新車4台を引っ提げて2015年の中国国際福祉博覧会に出展したことだ。トヨタは博覧会に参加した唯一の完成車メーカーで、出展したカローラ、ヤリス(ヴィッツ)、アルファードの新モデル、ハイエースのそれぞれの福祉車両には、身体が不自由な人の乗り降りに便利なように回転するデザインや車外に伸びるデザインが採用され、博覧会で大きな注目を集めた。

 世界の福祉車両市場をみると、障害者に対して日本人が最もきめ細かく配慮し、トヨタは日本で福祉車両を最も多く製造するメーカーでもある。

 トヨタが福祉車両を重視するのはなぜか。福祉車両は中国市場におけるトヨタにどれほどの営業利益をもたらすのだろうか。まずうなづけることは、福祉車両は中国にそれほど大きな市場があるわけではないということだ。この博覧会に出展したメーカーの顔ぶれをみると、自動車メーカーの多くが福祉車両市場を重視していないことがわかり、言い換えれば福祉車両市場には巨大な潜在力があるということだ。

 統計によると、中国には高齢者2億人と障害者8500万人がいるが、中国市場の法則と現状を踏まえ、多くの自動車メーカーは福祉車両市場を重視していない。もともと福祉車両技術に秀でるトヨタからみて、この市場の潜在力は十分に魅力的であり、そこで中国での福祉車両をめぐる取組を継続的に進めているのだ。

 中国での「クルマづくりより人づくり」戦略と同じく、中国市場での福祉車両の拡大には、トヨタ独自の「ゆっくり」の哲学が反映されている。この哲学は市場に左右されないリズムであり、自信の現れであり、1990年代に各メーカーが排気量の大きい車種を追求する中、トヨタがハイブリッドカー・プリウスの研究開発に力を入れ、最終的にハイブリッド市場で売上ナンバーワンになったことと似ている。強いライバルに相対して、トヨタは身体の奥深くから「ゆっくり」したリズムを奏で続ける。こうした「ゆっくり」の哲学により、トヨタは世界市場で覇者の地位をつかむことができたのだ。(編集KS)
≫(「人民網日本語版」2015年10月16日)

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