世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

世の上澄みで騒ぎまくる“民自維新” 地下深く黙々選挙対策を練る小沢、どちらに軍パイ?

2012年09月23日 | 日記
戦後史の正体 (「戦後再発見」双書)
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世の上澄みで騒ぎまくる“民自維新” 地下深く黙々選挙対策を練る小沢、どちらに軍パイ?

 我が国の政治経済、外交防衛等々が、「凪」の状態に入った。賢明な諸氏はご存知だろうが、この「凪」は怒涛の嵐の前の静けさである可能性が高い。冗談ではない、なにが「凪」だ。領土問題が起きている、オスプレイ導入問題がある、野田が未だ首相を続ける、自民党総裁選もある、原発政策もすべてが玉虫色だ、総合エネルギー問題も意志決定がなされていない、国際収支が連続赤字を計上した、経済成長の基本路線も見えていない、来年から復興増税分が生活費から天引きされる、翌年14年からは諸費税は8%になり、15年10%になる、目に見えて福祉が充実するどころか支給の目減りが画策されている等々、「凪」等と云うのは冗談だと云う考えもある。

 しかし、筆者は「凪」だと感じている。一見勇ましく聞こえる発言も、毅然たる態度で臨むあらゆる政策も、結果的には実効性は乏しく、逆に現状よりも状況を悪化させる傾向さえ見せている。消費増税の決定が典型的だろうが、尖閣の国有化も“領土問題”と善かれ悪しかれ、世界に知らしめた点で悪化の方向に向けただろう。米国が日中の間を取り持つような構図を示した事で、ポイントをゲットしている。アメリカ戦争屋陰謀論の一つも語りたくなると云うものだ。国防長官が仲介に動いたのが味噌で、軍事だと云う印象を日中双方に暗に示している。日本に対しては“日米同盟”忘れるなよ、であり。中国には、安保条約の範囲になるので、時には嫌でも介入する事になる、とでも軽く言ったのだろう。

 まぁ、そんなこんなの我が国の喧騒なのだが、今さらながら、日本と云う国家に政治が不在だと云う事実を思い知らされている。時々、毅然として行う事は、常に“売国的行為”に結果的に至っている。政治の混沌と云うものは、どこの国でも存在するし、“雁字搦め”の利権構造の中で選挙を戦い、当選しなければならないのが民主主義国家の政治家なのだから、あらゆる主張を明確にする事は、現実的には困難なのだろう。ある程度の玉虫色は、最大公約な国益を政策化すると、どこか玉虫色になるものなのだろう(笑)。

 スッカリ秋めいて、体調の不具合を気候の所為に出来なくなって、何か言い訳を探さなければと思っているのだが、何にしようか?そうそう、その理由を「国民の生活が第一」がマスメディアからナッシング攻撃を受けている所為だ!と思う事にした(笑)。と云うのは冗談で、小沢一郎が深く地下に潜り込んだのだから、マスメディアの情報が枯渇するのも肯ける。必ずしも、意図的ナッシング攻撃と云うよりも、マトモな情報がひとつもゲット出来ないので書かない、書けない、と云うのが実情なのだと思う。

 小沢支持の筆者にとっても、気がかりな部分だが、断片的に耳に入っている情報を繋ぎあわせた情報が「週刊ポスト」(10/5)に載っていた。タイトルは≪ 小沢一郎 「一人っきりの選対本部」の秘策≫となっている。その前に、金曜日に行われた茶番・民主党代表選挙だが32万の党員サポーターの22万人が棄権か無効票を投じたのだそうだ。野田は7万票だそうだから、見方によると圧倒的に不支持が表明されたとみるべきなのだろう。しかし、民主主義のルールは棄権は無視されるので、粛々と不支持の代表が“圧倒的勝利”の名の下に闊歩するのである(笑)。

 そうそう、ポストの話だが、その記事の内容は概ね筆者が知っている情報と一致しているので、正しい報道になっている。既にネットに出回っているので、多くの小沢が気になる方々は読んでいるだろうが、読んでいない方の為に貼りつけておく。

≪ 民自“贖罪党首選”、橋下維新の国政進出の”蚊帳の外”でこの男は静かなる号令を発している
 小沢一郎 「一人っきりの選対本部」の秘策

 蝉の声が鳴き止んだと思ったら、永田町から聞こえてくるのは「代表は私だ」「我こそが総裁」の喧しい声。そんなお祭り騒ぎをよそに、”あの男”は沈黙を 続けている。 が、小沢一郎という政治家は水面下に潜っている時にこそ、政治を動かす大戦略をめぐらせてきた。民自両党の贖罪合戦は「小沢の目」にどう映っているのか。そして発せられた大号令は……。

代表選で1万超の”小沢票”  
 4人が争った民主党代表選挙には、「5人目の候補」がいた。民主党を離党し、いまや”過去の人”と見られている小沢一郎・元代表その人だ。  
 反野田の3候補たちは、口々に党を分裂に追い込んだ野田執行部の対応を批判した。  
 「野田首相は70人を超える離党者を出したことへの責任を取っていない」(鹿野氏)
 「離党した多くの議員を戻すべきだ」(赤松氏)
 原口氏に至っては、「党名を変えるような解党的な出直しをしなければならない」と民主党にサヨナラをロにした。代表選というより新たな党分裂のセレモニーを見るかのようだ。
 約33万人の党員・サポーター票にも異変が起きた。離党した小沢グループの議員たちが集めた民主党の党員・サポーターは岩手4区の約7700人を筆頭に 「全国にざっと数万人」(民主党事務局スタッフ)に上るとされる。「1人で600万票を持つ」といわれる小沢個人票の一部だ。しかも、小沢氏に近い民主党 支持団体には、組織的に「小沢票」を投じる動きまであった。
 その票を反野田の3候補が奪い合ったが、「投票を呼びかけると、『小沢一郎と書く』という人がかなりの数に上った。軽く1万票は超えるのではないか」 (反野田陣営の選対幹部)と驚き、野田陣営の議員は、「無効票である小沢票があまり多いと党内が動揺する。無効票の内訳は集計でも公表する必要はない」と神経を尖らせていた。
 野田首相の圧勝に見える代表選の裏側では、まさに”離党した小沢、残った野田を走らす”の光景が繰り広げられていたのである。  
 その間、当の小沢氏は新党「国民の生活が第一」(以下、生活)の選対本部で、総選挙とその後の政界再編戦略を練っ ていた。  
 「選対はオレー人でやる。みんな自分の選挙に全力をあげろ」
 小沢氏は党所属議員にそう指示を出し、代表と選対委員長を兼ねた。他の党では選対本部には幹事長以下の幹部がメンバーに並ぶが、この党は小沢氏が1人で 決める体制だ。「選挙の神様」と呼ばれる小沢氏の鞄には、300小選挙区の詳細なデータが詰まっており、党本部の代表室は手狭のため、個人事務所で候補者 の面接を行なっている。
 民主党離党前、支持派議員に「選挙になれば圧勝する」と語っていた小沢氏だが、NHKの日曜討論では「100人くらいの候補を立てたいと考えている」と 控えめな数字をあげた。具体的にはどんな準備をしているのか。  
 小沢選対の唯一の補佐役、三宅雪子・選対副委員長が語る。
 「目玉候補や新人候補選びまで選挙のことは小沢代表が全部―人でやってます。現在27人の公認を決定し、10月はじめまでに比例代表議員の選挙区を決定、次に新人候補です。代表は当初、『200人擁立する』といっていました。それが100人になった。すぐに選挙となった場合にはあまり準備期間がないけ れど、それでも最低100人は立てるという意味ではないでしょうか。  
 『勝ちに行くんだ』といって、緻密に選挙区情勢を分析して勝てるところに勝てる候補を立てていく方針です。そのために、どこと組むかという情報収集もやっています。わが党は現在、女性議員の比率が最も高い。新人候補は自然に女性が多くなるかもしれません」  
 三宅氏の指摘で重要なのは、小沢氏がダブル党首選の間に、「200人擁立」構想から100人擁立へと大きな戦略の転換をしていることだ。

 なぜ「候補者100人」なのか
 小沢氏は「オリーブの木」構想という政党連合による選挙戦略を提唱し、生活やきづな、新党大地、減税日本、社民党など7会派で国民連合を立ち上げた。 「反増税」と「脱原発」が政策の柱で、臨時国会最終日の9月7日には民主党の脱原発派も加わってまとめた「脱原発基本法案」を国会に提出(継続審議)している。(筆者注:小沢の「オリーブの木構想」は小沢色が強過ぎるので、「国民連合」と云う緩やかな連合体制を思考していると読む)  
 生活の小沢側近議員は、「民主党からの大量離党」が小沢流オリーブの木の第一歩になると語る。 「代表選後に民主党は確実に割れる。脱原発派や増税慎重派の議員たちは野田執行部と一緒にやれない。離党組が30入程度か、50人かはわからないが、いくつか新党が出来る。(筆者注:この30~50人の離党新党予測を潰すのが、今後の野田執行部の仕事。民主党執行部、及び内閣改造で離反予定者の取り込みを画策するだろう。原口など直ぐに乗りそうだが如何か?)その結果、野田政権は衆参で少数政権に転落し、いよいよ自公と組むしかない。  
 一方の自民党の総裁候補たちも原発推進、消費増税の3党合意は守るという路線は同じで、民自公による連合勢力の形成に動いている。小沢代表はそれを好都合だとみている。国民に民自公連合か、第3極かという総選挙の対立軸をはっきり提示できるからだ。生活が擁立する候補者を当初の計画から減らしたのは、民主党の新たな離党勢力をオリーブの木に取り込んで選挙に打って出るためだ」  
 民主党からの離党者を増やすための仕掛けが支持基盤である連合内部への工作だ。連合では電機連合出身の古賀伸明・会長と電力総連出身の南雲弘行・事務局 長という執行部が民自公路線による原発推進に動いているのに対し、日教組を始めとする旧総評系労組は反原発で路線が対立している。連合会館には推進派の執行部と「さようなら原発1000万人アクション」の事務局が同居するという股裂き状態だ。  
 小沢氏は水面下で反原発派の労組にアプローチしているという。
 「若手議員たちは民主党を離れれば労組の支援がなくなると不安がっている。そこで反原発派労組に民主党以外の議員でも支援するように働きかけ、反原発派の若手が離党しやすい状況をつくってきた」(同前)
 このあたりは、見えないところで工作を重ねる、得意の”アヒルの水かき”戦術といえる。  
 そのうえで、小沢氏は、地域政党の連合体による住み分け選挙を志向している。 生活は東北を拠点に北関東や東京をエリアにし、北海道は新党大地、東海は減税日本など各ブロックごとに、地域政党が独自に選挙を戦って民自の議席をひっくり返していこうというものだ。  
  生活と国民連合を組む新党大地・真民主の鈴木宗男代表は小沢戦略の狙いをこう受け止めている。
 「総選挙では消費税増税を止めるために地域政党がタッグを組む。互いに対立候補は立てない。小沢さんの頭の中には、全国300選挙区の事情がビシッと入っていますよ。生活が100人立てるというのは非常に現実的な数字です。そして選挙後は間違いなく政界再編になる。ヨーロッパ諸国の多くは地域政党の連合政権です。日本も北海道から沖縄まで、それぞれの地域政党が特性をぶつけ合えばいい。道州制は私も文句はない。小沢さんもそうでしょう。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は大阪のような都市はいいかもしれないが、第一次産業が多い北海道では難しい。地域ごとに持ち味を出し合い、全体としてのバランスをとった政治が日本に合っています。自民党は官僚、民主党は大企業の労組というバックがあって、民自が嫌だから国民は第3極に期待している。小沢さんや河村たかしさん、大村秀章さんとはそういう話をしています」

 小沢と橋下が協力する可能性
 同じ政界第3極でも対照的なのが橋下徹・大阪市長が率いる日本維新の会だ。小沢氏の地域政党連合路線に対し、橋下維新は国会議員には既成政党からの離党を条件に参加を募り、「全選挙区と比例代表に350人の候補を立てる」と、大阪の地域政党から全国政党への脱皮をはかって維新単独での国政進出を目指して いる。  
 橋下維新はここにきて自民党の安倍晋三・元首相に合流を打診するなど、一見、自民党への接近が目立つが、全選挙区に候補者を擁立するという戦略は民主、自民の2大政党を敵に回して戦うことを意味する。しかも、小沢オリーブやみんなの党など他の第3極政党も押しつぶして維新の覇権をめざそうという戦略である。   
 一方、小沢氏も「どの政党も、単独過半数を取って政権を担うまでの勢いはない。力を合わせて頑張ってほしいというのが国民の声だ。できる限り協力したい」と維新を評価しながら、総選挙では独自に候補者を擁立する路線をとった。   
 「小沢さんは維新との選挙協力は想定していない。独自に選挙を戦い、政界再編のあり方は選挙の結果次第で考えればいい」(前出の側近議員)  
 もっとも、そうした維新の覇権主義が逆に小沢オリーブ拡大につながると指摘するのは小沢氏に関する多くの著書があるノンフィクション作家・大下英治氏だ。「みんなの党の渡辺喜美代表や減税日本の河村氏は維新との共闘をめざしていたが、維新はみんなの党に条件として解党を迫っている。おそらく、最終的にはみんなの党は維新と決別する可能性があるし、河村氏も政策が違うから独立路線を取るのではないか。もしそうなれば、河村氏はオリーブにシフトする。みんなの党も反原発や反増税という基本政策が共通するオリーブの政党連合(筆者注:だから「国民連合」)に参加する可能性が出てきた」  
 そうなれば小沢オリーブと橋下維新は第3極の覇権をかけて正面から衝突することになる。(筆者注:橋下の「日本維新の会」は既に金属疲労を呈している。勢力圏は大阪中心に限定される方向なので、50議席取れるかどうかの政党になるだろう)  
 だが見落とせないのは、橋下氏が既得権に立ち向かう小沢氏の姿勢を一貫して高く評価してきたことだ。
 「統治機構を変えるという、強い思いを持った政治家なのは間違いない。自分の思いを突き進めようと思えば反対する人も山ほど出てくる。反対する人がいない政治家の方が役に立たない」  
 合流を打診した安倍氏を含め、橋下氏がそこまでの共感を示して個人名を挙げた政治家は他にはいない。目的のためにはどんな相手でも組めるという「現実政治家」である2人の接点が生まれるかどうかは、総選挙後に決まる。  
 自民党総裁選は政策の違いもない5人の候補が、「自民党は生まれ変わります」とロを揃え、民主党の代表選はマニフェスト造反の謝罪会議だ。いずれも。” 贖罪党首選”で、国のあり方は何も変わらない。これまで、新進党解党後の自白連立や自由党分裂後の民自合流など、小沢氏が政界の表舞台から姿を消し、隠密行動をとるときこそ、国を動かす大きな仕掛けを組んでいた。”過去の人”と思われている小沢氏の次なる一手は、果たしてこの国をどう動かすのか。 ≫ (週刊ポスト10/5号)

 以上だが、筆者が冒頭で語った「凪」は、野田が「解散!」と発言するまで続くだろう。勿論、その間は日本の政治はナッシング状態の継続で、日米中の関係において、さらに一層の“日本地位の劣化”が世界に行く渡る事になるだろう。この失地回復作業は、次期政権にとっても、大きな負の遺産の積み上げになりそうだ。野田が新聞人事を覆して、輿石幹事長に続投を要請した。小沢色排除の完結を望む勢力(今さらクダラヌ話だが)の考えに一旦は傾いた野田だが、最後は「離党・新党予備軍」への配慮に着地しようとしている。再び新聞人事だが、“輿石が日曜日に野田と再会談、受諾方向に”のようだが、結果はどうなのだろう。輿石が幹事長留任してだけで、「離党・新党予備軍」の勢いが治まると云う状況は考えられず、執行部の主たるポストや内閣改造によるポスト分配でもしない限り、取り込みは難しいのではないだろうか。現在でも民主党に居残る「離党・新党予備軍」の議員連中は、どのような屁理屈を連ねようと、次期衆議院選で勝ち抜く為の選挙事情が優先している人々なので、容易に転ぶかもしれない。まぁ、党人事と内閣改造は幾分愉しみである(笑)。


不惑の日中関係へ: 元外交官の考察と提言
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日本評論社


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