世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●出鱈目尽くしでも問題なしの安倍政治 いつ来るのか天罰は?

2015年11月06日 | 日記
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中央公論新社


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●出鱈目尽くしでも問題なしの安倍政治 いつ来るのか天罰は?

今夜は体調不良と多忙が重なり、頭がまわらない(笑)。以下、安倍政権嫌いの鈴木哲夫氏の憤懣やるかたないコラムを掲載するにとどめる。日本社会の中間層が益々溶けていく中で、日本人は、本当にグローバル資本主義経済の世界に身を置く決意は出来ているのか、とても疑問に思う。ちっぽけな個々の力であっても、集合することで、官邸など一発で吹き飛ばせるのだが、まだ、日本人の多くは、本気で物事を考えていないフシがある。まあ、日本に限ったことではないだろうが、グローバル資本主義経済の世界が地球上に災いを呼び込むであろうことは、何となくだが想像がつく。なにせ、このような経済社会は、人の心を蝕み、凶暴にしていくだろうから……。


≪安倍政権「一億総活躍」の意味が、ようやく分かった
~なるほど、進次郎に逃げられたのも納得

■「船の名前を変えただけ。他はまったく同じだ」
安倍政権にも通じている経産省OBが、「一億総活躍社会」という第三次安倍改造内閣のキャッチフレーズについてこんな説明をしてくれた。

「発足以来の安倍政権を船に見立てれば、いまの内閣の問題がよく分かります。船長も船員スタッフも同じ、向かっている方向も同じ、船の大きさも同じ、スピードも同じ。ただ、船の名前や外側の色を変えているだけです。

船長は安倍首相、スタッフは経産省を中心にした側近たち。方向は長期政権維持や憲法改正、財界と連携した経済政策など。船の名前はこの前までは統一地方選挙を見据えた『地方創生号』でしたが、今は参院選へ向かって『一億総活躍社会号』と名前を変えただけです」

10月27日。第三次安倍内閣の発足を受けて新しい自民党のポスターが公表された。安倍首相の語りかけるような顔がほぼ全面に配置され、新内閣のスローガンである「一億総活躍社会へ」が中央下に書かれた。

このスローガンにかける自信のようなものが伝わってくるが、しかし安倍首相のこれまでの記者会見を見ても、「一億総活躍社会」については、従来の政策とダブる部分が多いうえ、あいまいな言葉が入り乱れているため、首相や新内閣がどんな理念、どんな軸、そして具体的に何をしようとしているのか分からない、という印象を多くの人が持つのではないか。

まず、安倍首相の説明はこうだ。

あらたに「新三本の矢」と銘うって、GDP600兆円、出生率1・8、介護離職ゼロを掲げ、これらを実現することで50年後も人口1億を維持し、みんながもう一歩前に出ることができるような日本に変えていかなければならない――、それが「一億総活躍社会」である、と。

ただし、具体的な中身を検討するのはこれからで、今後民間議員なども加えた国民会議を開き、11月中には緊急対策を打ち出すという。

やはり聞いていてもスッキリしない部分が多い。安倍首相は、「アベノミクスの第二ステージに移る」と言いながら、一方で「第一ステージの成果」は総括されていない。成長戦略の規制緩和などは十分に進んでおらず、道半ばだと指摘する財界関係者や経済専門家も多い。

また、「矢」という表現について言えば、前回の「三本の矢」は手段だったが今度の「新三本の矢」は具体的な数値目標で、そもそも「矢」の意味合いが違う。

私が特に矛盾していると疑念を持つのは、子育てや介護などの社会保障の部分だ。これらはすでにプログラム法を成立させて(2013年)、国の負担を減らし地方自治体や各家庭に押し付ける方向で進めていた。いまさら制度や施設建設や補正予算など手厚くするつもりだろうか。

 ■「政策」ではなく、「国民運動」だった
言うことがバラバラ。これでは安倍政権の政策理念の一貫性が問われるのではないか。

とにかく「一億総活躍社会」だと言ってやたらいろんなことをぶち上げたが、身内からでさえ「あまりにもとっ散らかっている」(自民党ベテラン議員)との声も出ている。

だが、こうした状態になっていることについて、冒頭の経産省OBの「名前を変えただけの同じ船」という解説は「なるほど」と頷かせるものがある。

「よく見れば分かるんですが、一億総活躍社会という概念は、第二次安倍政権になって出てきた様々な政策を言い換えているだけです。それを新たにまとめなおして、キャッチフレーズを作りたかったんでしょう。目的は参院選対策と世論対策という側面が大きいのです」(同OB)

確かに、安倍首相が記者会見で多少説明した「新三本の矢」なるものを見ても、たとえば「GDP600兆円達成」はこれまで進めてきた地方創生政策と関連するし、「出生率を上げる」点についても、これまでの女性活躍政策で同じようなことをやってきていた。

「つまり、新しい何かをやろうとしても、並べる政策がもう頭打ちという現状がありますね。(経産省の)現場からそんな声も聞かされます。新味を出すためには、今までのものを名前を変えて並べ替え、新たなキャッチフレーズを付け直すしかないということです」(同OB)

事実、10月19日には加藤勝信・一億総活躍担当相と、石破茂・地方創生担当相との間で初の政策のすり合わせが行われたが「そこで行われたのは、新しいものを考え出すのではなく、これまでにある地方創生政策のどれを一億総活躍に移動させどれを残すか、といったすみ分けに過ぎなかった」(自民党政調幹 部)という。

また、女性や介護など社会保障に関わる部分も、すでに厚労省が進めている政策について「一億担当とのすみ分け調整になると思う。新しいものをとはならない」(厚労省幹部)という。

さらに、この「一億総活躍社会」の官邸の狙いについて、ある自民党ベテラン議員は「国民運動」という言葉を使い、こう説明した。

「中身がないないとあなたは言うが、そもそもそれは当然、まったく不思議じゃない。だってこの一億総活躍社会は、官邸が『政策』ではなく、『国民運動』として考えたみたいだからね」

■キーマンは、進次郎だった
このベテランが言う「国民運動」とは、大きくスローガンだけ掲げ、担当大臣などが全国を回ってタウンミーティングや車座集会などを各地で開催し、国民の意見を聞きながら政権への期待や人気を高めていくというもの。

PR活動、世論対策が主たる目的で、「政策」として何かを実現しようというのではない。だから、そもそも中身はアバウトでいい。いろんなものをまとめ直して化粧して、「政権浮揚や来年の参院選にプラスになればいい」(同ベテラン)ということらしい。

加藤氏と協議した石破氏もその後「加藤さんと一致したのは(一億総活躍は)国民運動なんだよねということ」と本音を漏らしたという。

さらに、この「一億総活躍」の担当大臣には、官邸は小泉進次郎氏を充てることを想定していたというのだ。 

自民党の選対幹部経験者が言う。

「中身がないというのは、逆に目的が『国民運動系』だという証明ですね。ならば進次郎氏は適役です。私が首相周辺から聞いたのは、彼を一億担当大臣 にして全国を回らせ、若い人たちや若いお母さんなどと50年後の日本について対話集会などでムーブメントを起こす、というプランでした。

官邸がこの『一億総活躍社会』で狙ったのはやはり参院選対策。進次郎氏が入閣拒否したことで、結局加藤さんにお鉢が回った格好です。

加藤さんは仕事師ですから淡々とやるでしょうけど、それでも、『政策』でなく単なる『国民運動』的な意味合いが強いという辺りのことは分かっていて、人事の直後に『何やるんですかね』と不満げに言っていたという話も聞きました」

中身を議論する国民会議の民間のメンバーも、選ばれてみれば15人のうち7人は政府のほかの会議との兼務。野党幹部は「これまでの政策や路線を整理 し直して選挙用にデコレーションするだけだからメンバーは同じでいいということ。いい加減さが、この人選で証明された」(民主党幹部)と指摘する。

安保法制成立後、ひたすらアジア外交などで点数を稼ぐ安倍首相。だが、内政の目玉である「一億総活躍社会」のほうは、参院選や世論対策のための単なる「大風呂敷」にすぎないのかもしれない。(了)  ≫(現代ビジネス:オトナの生活・賢者の知恵―鈴木哲夫)

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