世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

「貧乏人は麦を食え!」(池田勇人)

2009年08月26日 | 日記
「貧乏人は麦を食え!」(池田勇人)


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麻生首相の「金がねえなら結婚しない方がいい」というトンチンカン発言を聞いていた80歳の親父が「昔、貧乏人は麦飯を食えっていった政治家が居たね」と言うと「池田勇人とは言っている意味が違う!」とブリブリ怒っていた。

怒りだした、事の発端を紹介する朝日新聞記事を以下に掲載。

『 麻生首相は23日夜、東京都内で開かれた学生との対話集会で、参加者から「若者に結婚するだけのお金がないから結婚が進まず少子化になるのではないか」 と聞かれたのに対し、「金がねえなら結婚しない方がいい、おれもそう思う。うかつにそんなことしないほうがいい。おれは金はない方じゃなかった。だけど結婚は遅かった。稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい」と話した。  この発言について、河村官房長官は24日の記者会見で、「表現は直截(ちょくさい)的だが、むしろ若者の就職対策を進めなくてはいかんという思いが出たのではないか」と釈明した。」(朝日新聞)


池田勇人は 1950~1960年代に活躍した自民党代議士。京大卒の初の大蔵事務次官、難病にかかり休職を余儀なくされたにも関わらず大蔵事務次官まで昇りつめた力量は説明の必要はないだろう。
吉田内閣では衆議院議員一回生でありなが大蔵大臣、石橋内閣、岸内閣で要職大臣を務め自民党のエリート中のエリートと言われ、1960年第4代自民党総裁に就任、内閣総理大臣となった人物。

以上のことから現麻生首相とは雲泥の差の良かれ悪しかれ世襲に一切関係のない大政治家だが、真実を国民に隠すことを嫌い、物議を醸すことも多々ある政治家だった。

「中小企業の一部倒産もやむを得ない」、「貧乏人は麦を食え」(「金持ちは白米をたらふく食うがいい。寿命を縮めるだけだ。貧乏人は麦飯を食うから長生きができる」という趣旨も含まれていたらしい)、「経済原則に違反して、不法投機した人間が倒産してもやむを得ない」、「正常な経済原則によらぬことをやっている方がおられた場合において、それが倒産して、また倒産から思い余って自殺するようなことがあっても、お気の毒でございますが、止むを得ないということははっきり申し上げます」、「私は正直すぎた。政治家として終戦以後色々あったが政治家には向いていないのかもしれない。」首相になると低姿勢に徹し「所得倍増」をスローガンに経済重視の内政主義政治を打ち出した。「私は嘘を申しません」等など。

現実嘘はなく、60年代以降日本人の所得は二倍三倍と膨れ上がった。彼の信条は現実の厳しさを国民に認識して貰わずに、政治が出来るかと云う堅い信念の持ち主だったようだ。時代が産んだ名政治家とも言えるが、この池田勇人という人物に急に興味がわいてしまった。今度、何か自伝的本を探して読んでみよう。

あぁそうそう、麻生首相の発言は学生の質問の主題は少子化であり、就職難は原因の一つであり、首相の返事もピントがずれ、河村官房長官の弁明もピントがずれると云う二重の失態のようだ。世界各国のメディアもこぞって日本の首相の発言を報道している。世界のメディアを騒がしたのは中川財務相朦朧会見以来のようだ。やれやれ。

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