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梅田オーガニックと維新ジャンクフード

2011年11月10日 22時21分52秒 | 都構想・IRカジノ反対!
 今日、大阪府知事選挙が告示されました。この後に引き続いて大阪市長選挙もまもなく告示され、いずれも11月27日のダブル選投票日まで、白熱の選挙戦が展開される事になります。市長選が平松・橋下の一騎打ちとなるのに引き換え、府知事選の方はというと、こちらは7人もの候補者がしのぎを削る事になります。こちらは橋下の傀儡・松井が相手なので、市長選よりは当選しやすいだろうと、候補者が乱立したのでしょう。
 当初予定していた府知事選主要3陣営のビラ読み比べ記事の続編ですが、予定よりも一週間も経ってしまったので、もう簡単に書くに留めておきます。(第1弾の橋下・維新ビラについては前回記事参照)

 まずは自民・民主相乗りの前池田市長・倉田かおる(薫)候補のビラから。

 

 左が表紙、右が裏面です。ただ、ビラには民主党プレス民主編集部発行の「プレス民主 259号」とあり、表紙の下の方には民主党衆院議員・中川おさむ氏の記事も載っているのですが、発行日付が何と今年の7月1日になっています。何故こんな日付のビラを今頃(といってももう先週の事ですが)になって撒いたのか、今もって謎です。
 その表紙には、「市民連合で対立・混乱の府政に決着」「池田市長(前大阪府市長会会長)倉田かおるさんが府知事選挙に立候補を決意」「地方自治一筋40年~嘘はつかない。法螺(ほら)は吹かない」として、「反・中央集権、脱・東京一極集中、卒・維新」の3点を訴える、とあります。
 そして裏面では、府庁移転先のWTCが、海抜6m以下の津波浸水域(地図の赤色部分)のど真ん中にあり、実際に東日本大震災でも、左右に1.2mの横揺れが10分以上続き、49~55階が水浸しになった事が書かれています。しかも、災害時には阪神高速もニュートラムも液状化で通行不能になり、防災拠点どころか災害救助を受ける破目になりかねない、ビルの購入費・維持費も30年間で1200億円にもなる、何故そんな所に府民や議会の反対を押し切って府庁を移転しようとするのか、と断じています。

 以上、ビラに書いている事は至極最もな事ばかりなのですが、私がこの候補をイマイチ信用できないのは、(1)そのWTCなどの湾岸開発を推進してきたのが、他ならぬ自民・民主・公明やそれに担がれた倉田市長ではなかったのか?それを今頃になって俄か反対論に転じても、橋下・維新から「お前モナー」と突っ込まれたら全然反論できないじゃないか、(2)そもそもそれ以前に、反橋下を標榜しながら何故、平松市長を応援するなり、自ら市長選に出馬して橋下を打ち負かそうとしないのか?―という2つの根本的疑問があるからです。
 実際、この人は、以前は著書や自身の発言などで、橋下改革を散々持ち上げていましたから(参考記事)。所詮は、候補者乱立の今がチャンスと見て府知事選に出てきただけの、「俄か反橋下」で実際は「隠れ橋下」の機会主義者に過ぎないのじゃないか、と。

 次は共産党推薦の梅田章二候補のビラ。(10月20日発行「明るい民主府政 753号」)

 

 同じく左が表紙、右が裏面です。表紙には「安全・安心 やさしさの大阪へ」と銘打って、(1)防災・原発ゼロ:梅田北ヤードに避難用の森林公園を、公共施設・学校などの耐震化、脱原発・自然エネルギー日本一に、(2)雇用・経済:正規も非正規も人間らしく働ける大阪へ、自然再生・防災・生活密着公共投資と最賃・下請け単価引き上げで景気回復、(3)暮らしの安心:子ども医療費助成、国保料引下げ、保育所待機児童の解消、(4)教育:子どもたちが輝く教育を、35人学級・中学校給食の実現、教育助成復活、「教育基本条例案」反対、(5)府政運営:広範な府民参加で住民本位の町づくり、ムダな大型開発ストップで文教予算・中小企業融資を拡充、女性副知事の実現、などを謳っています。
 裏面には、橋下(松井)・維新の主張と対比する形で、(1)防災・脱原発vsWTC府庁移転・湾岸開発、(2)福祉・教育・中小企業振興vsカジノ・リニア等の外需頼みの巨大開発、(3)教育・職員基本条例阻止vs橋下ファシズム、の3点を争点として訴えるとしています。

 私もこの人の言う通りだと思います。俄か反橋下の「お前モナー」とは違い、この人の反ファシズム・反格差社会の主張は本物だと思います。市長選では、橋下ファシズムを阻止するには、平松候補への一本化で背水の陣を引かなければならないと私も思いますが、府知事選では、所詮は橋下のアバターにしか過ぎない松井何某や「モナー」相手に、何もそこまで引き下がる事はないでしょう。橋下陣営にとっては市長選だけが全てなのですから。逆に言えば、市長選での橋下当選だけは何があっても阻止しなければならない。
 しかし、せっかく良い事言っていても、今のご時世、府民にはなかなか浸透しないのも、残念ながら事実です。主要3候補とは言っても、松井・倉田とは大きく水を開けられている事も、はっきり言って認めざるを得ません。ここで一旦立ち止まって、その原因を考えてみるのも、時には必要かと思います。

 せっかく良い事言っていても何故すんなり認められないか。ここで話を分かりやすくするために、梅田さんの主張をオーガニックカフェに、逆に橋下(松井)・維新の主張をコンビニ・マクド・吉野家などのジャンクフードに敢えて準えてみます。
 高度成長期の公害問題などへの反省や食の安全意識の高まりから、エコロジーやスローフード、地産地消といった価値が見直され、生協の共同購入やオーガニックカフェなどが全国に広がりました。しかし、世の中がインフレ基調の高度成長からデフレ基調の長期不況へと変わり、共働き世帯の増加や少子高齢化の進行、非正規・細切れ・深夜労働の拡大によって、今度は生協やオーガニックカフェどころではない貧困層が増えてきました。その貧困層を引きつけたのが、24時間営業のコンビニや安売り牛丼チェーンでした。

 なるほど、コンビニや牛丼チェーンは便利です。値段も安いし、いつ行っても買い物が出来る。確かに、モノは良いが高価なオーガニックカフェや、煩わしい生協の共同購入とは大違いです。しかも、牛丼は安い割には美味しいし、更なる価格破壊(大阪維新w)にも挑戦してくれている。これらこそ庶民の味方だ、と。劃して、貧困層が猫も杓子もジャンクフードに靡くようになる。
 しかし「過度に安くて便利なものには必ず毒がある」。コンビニの商品なんて添加物まみれだし、牛丼の「美味しさ」も食材の粗悪さを濃い味付けで誤魔化しているだけだった。その事に、ようやく庶民も徐々に気付き始めたのです。
 ただ、そのオーガニックカフェや生協も、従来の「我が道を行く」路線のままでは、一旦離れた貧困層を再び顧客として呼び戻す事は出来ない。路線の「正しさ」には確信を持ちつつも、ただ「正しい」だけではいけない。「正しさ」に加えて適度の「値段の安さや便利さ」も必要だ、と。

 まあ、例として必ずしも適切ではなかったかも知れませんが、「当たらずとも遠からじ」じゃないかと。ポピュリズム(大衆扇動)やファシズムを克服するのが何故難しいかというと、それらが「楽したい」「自分だけ得したい」とか「自分だけは差別されたくない」などの大衆の劣情に媚び阿るからです。だから、橋下のようなポピュリスト・ファシストと戦うには、自分の中にあるそういう劣情をも克服しなければならないからです。それを、如何に自然破壊と引き換えに作られた農薬まみれの農産物や、ブラック企業の低賃金搾取によって作られたジャンクフードでも、とにかく「安くて腹が膨れればそれで良い」とする食生活からの脱却に準えて、考えてみました。
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