アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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原発の嘘を打ち破れ―6.11脱原発アクション(大阪)参加報告

2011年06月12日 17時44分30秒 | 福島の犠牲の上に胡坐をかくな
  
 6月11日の全国一斉「脱原発100万人行動」は、私は地元・大阪のものに参加した。当日14時からの中之島剣先公園での出発集会には、労組・生協・環境団体以外に、大学自治会や学生有志、病院看護婦の人たちも大勢来られていた。集会には、宮本岳志(共産党:右側)・服部良一(社民党:左側)の元・現参院議員が駆けつけて下さった(右上写真)。新左翼の一部(革マルなど)も会場周辺でビラを撒いていたが、そんな場違いで鬱陶しいビラは全部途中で捨てた。
 
 
 同じく出発集会でのひとコマ。左上写真はアースデー、右上はチェルノブイリ救援関西の垂れ幕。
  
  
  
 上の続き。一番左上の写真は壇上での西アフリカ・セネガル民謡の演奏風景。曲名は忘れたが非常に元気の出る曲だった。
 
 
 いよいよ15時からデモ行進出発。心配だった雨も降らず、逆に薄日が差し始めるまでに。私がいたのは先頭に近い部分だったが、それでも前にこれだけの人がいた。後ろは終わりが見えず。デモは淀屋橋から御堂筋に入る。

  
 純粋に考えれば、原発が割に合わない事は誰にでも分かる。だから最近は、保守系や財界の一部人士も脱原発を言うようになった(左上写真の橋下徹以外にも、河野太郎・孫正義・鈴木邦男など)。
 でも依然として原発に固執する人たちは、放射線規制値を緩めるなどの辻褄合わせに終始し、更に事態を悪化させている(真ん中上の写真)。
 危険なのは浜岡だけではない。福井県若狭湾岸の原発群も「地震の巣」の上に立地している。とりわけ中でも高速増殖炉「もんじゅ」は、事故続きで再開の目処も立たず。こんなのが事故ったら、琵琶湖は一発でアウトだ(右上写真)。

  
 デモは心斎橋・大丸の前をかすめ、やがてゴールの難波へ(左上写真)。近鉄難波駅前交差点の阪神高速ガード下では、「外国人排斥」を呼号する右翼(在特会)が、10名ばかり「日の丸」を掲げながら、「生活保護もらいながら政治活動なんかするな!」と、デモ隊に意味不明の罵倒を繰り返していた。じゃあソフトバンクの孫や大阪府知事の橋下も生活保護受給者かよ?寧ろ、行政を脅かしてタクシー代にまで生活保護を使いまくっていたのは、右翼崩れのヤクザの方だろう。そうやって、生活保護切捨ての口実にうまく利用されているのも知らずに、バカな奴らだ。
 第一「生活保護」が「反原発」と、どう関係あるのか?それ以前に、こんな「貧乏人には人権がない」と言わんばかりの事を、堂々と言える無知が凄い。今から90年も前の大正デモクラシーの時代に、普通選挙権獲得の闘いを始めた先達も、当時こんなバカを相手にしていたのかと思うと・・・(わら)。この右翼については、警察も正直持て余し気味で、押さえ込むのに苦労していた(右上写真)。

  
 ゴールのJR難波近くの公園では、人数が余りにも多すぎて、まとめの集会は各団体ごとに簡単に。私のような飛び入り参加の人たちは、適当に流れ解散。帰りの道すがらも、次から次へと後続の隊列が。デモの最後尾は、まだ淀屋橋で足止めを食っているそうな。そんな訳で、参加人数については一切分からず。ただ、大盛況だったのは確かだろう。後日の発表に期待したい。

 ここでひとつ「原発の嘘」について考えてみた。
 その1「安全の嘘」。そもそも地震大国の日本に54基も原発を作って、安全な訳がなかろう。幾ら安全装置を備えても、電源が途切れたら全く用なしだ。
 その2「エコでクリーンの嘘」。実際の原発は、「トイレ無きマンション」「海暖め装置」の異名通り、放射能も核廃棄物も温排水も垂れ流しだ。CO2もウランの採掘・精錬の過程で大放出。そもそも温排水で周囲の海水温を7度も上昇させといて、「温暖化防止の切り札」も糞もあるか。その核廃棄物(プルトニウムなど)処理の決め手として推進されてきた高速増殖炉やプルサーマル計画も、相次ぐ事故で頓挫したまま、今や再開の見通しすら立たなくなっている。
 その3「安心の嘘」。本来「これ以下なら安心」という絶対的な放射線量許容値(しきい値)なぞ存在しない。それでも「せめてここまでに」という事で定められたのが、1人年間1ミリシーベルトの従来規制値だった。それを根拠も曖昧なまま、福島の子どもは20ミリ、原発作業員は何と250ミリシーベルトにまで引き上げられた。50ミリシーベルトの被曝で白血病を発症した作業員も現にいるというのに。 
 その4「低コストの嘘」。実は原発ほどコストのかかるものはない。熱効率は最低だし(火力4割に対し原発は3割)、出力調整もままならないのだから。原子炉の制御棒は、謂わばコンロの元栓と同じで、フル運転か全停止かの、どちらかしか出来ない。チェルノブイリ事故も、それを無理に手動で出力調整しようとしたから起こったのだ。日本の電気料金が世界一高いのも、地域独占の料金体系と共に、高コストの原発建設にまい進してきたからだ。
 その5「電力不足の嘘」。「原発がなくなれば電力不足になる」どころか、寧ろ原発こそが電力不足の元凶。石油・石炭より埋蔵量が圧倒的に少ない核燃料の方が先に枯渇する。また原発は、先述したように出力調整(融通)が利かないし、電気自体も貯め置きが利かないので、余剰電力は遊ばせておくしかない(火力発電の休止)。だから「日本は電力の3割を原発に依存」も大嘘で、実際の依存率は18%ぐらいしかない。それ位なら節電努力や企業保有の自家発電、今後も拡大一途の代替エネルギー(風力・地熱・潮力など)発電で充分対応可能だ。計画停電は、原発の巻き返しを狙う電力会社の世論操作に他ならない。
 その6「情報公開の嘘」。今までの大事故は全て情報隠蔽やデータ改竄の結果だ。チェルノブイリ・スリーマイル・東海村JOCの事故然り。中越地震から未だに復旧出来ない柏崎刈羽や、「もんじゅ」のナトリウム冷却材漏れ、美浜2号機の全体の1/3にも及ぶ細管破断、そして過去にその脆弱性が国会質問で指摘されながら、「想定外のウソ」で誤魔化そうとした福島、然り。
 その7「行政規制の嘘」。政府も裁判所も、原発を規制するどころか、一緒になってもみ消しに躍起となっている。そもそも原子力安全委や保安院からして、経産省の一部局にしか過ぎない。これでは泥棒に警官をさせているようなものだ。
 その8「賠償の嘘」。当然ながら、公害等のツケは当事者企業がその責を負う。その上で今回の福島事故のように、賠償額が巨額に上る場合は、当事者企業にトコトンその責を負わせた上で、不足分を保険や公的資金から拠出する場合もあるだろう。ところが原子力損害賠償法(原賠法)には、「異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によつて生じたものであるときはこの限りでない」とする抜け道が用意されていた(第3条)。その場合は、「異常に巨大な天災地変や社会的動乱」の定義も曖昧なまま、被災者はただ泣き寝入りさせられて終わりだ。
 その9「生活向上の嘘」。迷惑施設の原発誘致と引き換えに下りた電源三法交付金で、地方の地元自治体には、過疎地帯には不釣合いなまでの役場の建物や公民館、図書館などの巨大な箱物が次々と作られた。全国から来る作業員目当てに、旅館や飲食店の開店なども相次いだ。でも、その好景気も、地場産業の発展に支えられたものではなかったので、一時のバブルで終わってしまった。後に残ったのは汚染された環境と、衰退する地場産業、ますます原発依存にはまり込んで行く自治体財政だけだった。その挙句に、今回の事故で全てを失ってしまった。原発で潤ったのは、大都市にある電力会社とその社員だけだった。
 その10「平和利用の嘘」。原発の歴史はそのまま核開発の歴史だった。原子炉を実用化したのは米国の軍需企業GE(ジェネラル・エレクトリック)とWH(ウェスティング・ハウス)、それを戦後日本に持ち込んだのも防衛族の中曽根康弘と読売社主の正力松太郎。核保有国やイラン・イスラエルが原発に固執するのも、ひとえに核開発に転用できるからだ。
―以上、小出裕章「原発のウソ」(扶桑社新書)、安斎育郎「福島原発事故」(かもがわ出版)、久米三四郎「科学としての反原発」(七つ森書館)などから参照。

 これが原発の正体だ。その犠牲になるのは、今までは地方過疎地帯の住民や、仕事にあぶれた日雇い労働者などに限られてきた。しかし、福島第一原発の事故以降は、もはや「勝ち組」も無傷では済まなくなった。放射線は人を選ばない。格差社会の壁も、放射能を完全に食い止める事は出来ない。
 放射能の前では、もはや「右」も「左」も、「勝ち組」も「負け組」もない。「左」であっても、中国や北朝鮮が未だに「核」に固執する一方で、逆に「右」の保守派・財界人でも、多少とも目端の利く人間は、次々と反・脱原発にシフトしてきている。未だに原発に固執しているのは、「反原発=左翼」との固定観念に凝り固まった「化石右翼」(石原慎太郎・産経新聞・在特会など)と、それを陰で操る原発利権族(電力企業に天下る官僚、軍需利権に群がる兵器産業、スポンサーと一蓮托生のマスコミ)だけだ。
 重ねて言う。放射能の前では、もはや「右」も「左」も、「勝ち組」も「負け組」もない。みんな一刻も早く「原発の嘘」に気付かなければならない。
コメント
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