アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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規制緩和で逆に特権がのさばるという皮肉

2008年07月30日 22時06分36秒 | 福田第2次投げ出し政権
 もう既に少し前の話になってしまいましたが、下記のニュースについて感じていた事を少し。

・公用車でジム通い 橋下知事が釈明(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080719/lcl0807191105000-n1.htm
・ジム通いで釈明「特別職は時間に拘束されて働く立場でなく、問題ない」 橋下・大阪府知事(同上)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080716/lcl0807162359003-n1.htm
・橋下大阪府知事は勤務時間中にジム通いしても許されるのか?(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2008/07/post_ffcc.html
・橋下知事が「暗殺を避けるために公用車を利用」と説明(JANJAN)
 http://www.news.janjan.jp/government/0807/0807242764/1.php
・橋下知事公用車でジム通い(天翔龍聖)
 http://www.geocities.jp/amagake2006/index.html

 橋下徹・大阪府知事が勤務時間中に職場を抜け出して、公用車でフィットネス・ジムに通っていた、というニュースについて。知事曰く、「公用車使用は安全上の配慮から」「知事は24時間365日勤務の特別職なので、一般サラリーマンの様な勤務時間の拘束は無い」という事だそうですが。
 前者の「安全上の配慮」云々の言い訳に対しても、「では何故、ジムに着いた途端に公用車を返して、帰りは一人だけでタクシーで帰ったのか?」と思うのですが、それはまあ、ここでは敢えて言わないでおきましょう。私としては、それよりも後者の「知事は特別職」云々の言い訳の方にこそ、少々カチンと来るものがあったのですが。

 何か、如何にも「自分は特別な人間だから忙しいのだ」と言いたげな物言いですが。しかし、「24時間365日勤務」なのは別に特別職の知事だけではありません。他にも「24時間365日勤務」で頑張っている人はいくらでも居ます。例えば、学校の教師。確かにデモシカ先生も居ますが、生徒が事件を起こす度に街中を駆けずり回っている金八先生や「夜回り先生」も居られます。そういう先生にとっては、「公私の別」や「勤務時間」の概念はありません。或いは、救命救急医や一部のシステム・エンジニアの方なども、そうでしょう。そういう人たちも、急患が出たり機械トラブルがある度に、叩き起こされ職場に急行しなければならないのです。しかし、そういう人たちは、何処かの知事みたいに、それを殊更ひけらかしたりする様な事も無く、黙々と仕事をこなしているのです。 

 ただ、私としては、余りこの話題を取り上げるのも、どうかなという気がしないでもありませんでした。橋下ヨイショに余念が無い産経新聞が、この話題についても、「抵抗勢力と闘う遠山の金さん」の格好のネタとして、取り上げようとしているのが、余りにも見え見えなので。
 橋下なんて、所詮は「時期遅れで出てきた小泉チルドレン」にしか過ぎないのに。こんな「二番煎じ」政治家の、低次元の話題に、わざわざ時間を割かれるのも癪に障るので。しかし、同じ事を北朝鮮の金正日がやったら、格好のブーイングのネタになるのに、同じ事を橋下がやったら、何故「遠山の金さん」になるのだろう。

 この件に関しては、「さとうしゅういち」さんが、ミクシィの中で書いておられた事が、そのまま当てはまるのでは、と思います。曰く「小泉や橋下が言う所の改革とは、官僚主義を打破する振りをして、その実、公共性を破壊するものでしか無かった」と。つまり、「特権官僚打破」とか「自民党をぶっ壊す」と言いながら、実は特権官僚も自民党政治もそっくりそのまま温存・延命させて、福祉や庶民の暮らしをぶっ壊しただけだった。何のことは無い、「規制緩和で逆に特権がのさばってしまっただけではないか」と。
 同じ様な事は既に他の人も言っているので、読んだ当初は別に目新しくも感じなかったのですが、考えれば考えるほど、正しくその通りだな、と。「財政非常事態」だ何だと言って、元はと言えば全て己たちが散々今までこしらえて来た借金であるにも関わらず、下っ端や府民にその責任を一方的に擦り付けて、当人は何食わぬ顔でジム通い、とは。まるでグッドウィル会長の折口と同じじゃないか。

 あの「居酒屋タクシー」の話題にしても、そうでしょう。タクシー・ドライバーが、大口顧客として囲い込んでおく為に、公務員の乗客に、車内でビールや金券を振舞ってきたのが発覚した、という例のニュースです。乗客の立場からすれば「ネットカフェやホテルの割引券と同じ様なものだろう」という軽い気持ちだったのかも知れませんが、流石に許認可を受ける側(業者)とする側(官庁)との関係もなれば、そこはきっちり一線を引いておかなければなりませんね。
 しかし、これもとどのつもりは、タクシー業界の無理な規制緩和が、その背景にあるのでしょう。規制緩和で業界への新規参入が増え、ダンピングが横行する。その中で、収入減に見舞われた経営基盤の弱い個人タクシーが、国交省のお役人を囲い込もうとした。これも「規制緩和で逆に特権がのさばる」好例ですね。

 あの大分県教委を舞台にした教員採用汚職も、多分、基本的な構造は前記の例と同じでしょう。金は出さないが口は出す。教育予算や私学助成は出し渋るくせに、教育内容だけはガチガチに国家統制しようとする。上がそうだからこそ下も、教職を単に出世コースのステップとしか考えられない人が、どんどん増えて来て。それで、あんな「猟官行為」がのさばる事になってしまったのでしょう。それもこれも、偏に「規制緩和で逆に特権がのさばる」からでしょう。
コメント (1)
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