acc-j茨城 山岳会日記

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南アルプス・仙丈ケ岳

2024年01月13日 17時53分25秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2023/12/27‐28 南アルプス・仙丈ケ岳


人には捨てられないものがある


雪山用のハードシェルを新調した
これまで使っていたのはたしか1999年に型遅れをセールで購入したものだ
シームテープは何度となく張り替えたし、壊れたジッパーのツマミもなんとか開閉できるように細引きで補修した
今となっては重くて嵩張るし、素材の機能性もおそらく何世代も前のものだろう

とかく、登山は装備で快適性が格段に向上する
その快適性を得るためには経済的な裏付けが必要なわけだが、どちらかというとこれは性分

登山道具の修理や補修、カスタマイズはとかく楽しい
継ぎ接ぎだらけのマイザックは使い込まれた様子が実にカッコいいと思っている
接着剤で補修・補強した沢靴に至っては見た人がドン引きするレベルだ

とはいえ、価値を見いだしたなら衝動的に購入してしまうのも人の理
欲望には抗らえない、今回の新調もそれが理由だ
さすれば、さっそく使ってみたいと思うもの

どうせなら行ったことのない山がいいな♪
いつになく心は弾む

呼応してくれたのはazmさん
柏木登山口から地蔵尾根で仙丈ケ岳を目指す
距離は長いが2日あるので、冬季小屋を利用しての快適な雪山泊を楽しむ計画となった

空が少し明るくなってきた頃に登山口を出発
枯葉を踏み、緩やかな道を辿っていく

時に林道を交えながら、明るい落葉松の森を行く
南側斜面は雪が消えているが、そうでないところはうっすらと積雪が残る

次第に登り行程が増えてくると重荷が堪え、息も上がる
そして歩きながらも眠気に襲われる
これは寝不足が理由ではない
軽い高山病の症状だ
高山に入るのは久方ぶりで、身体の反応は正直だった

それはそれで泊付行程だから日暮れまでに小屋につければいい
自分のペースで歩が止まらぬように行くだけだ
とは思えど、後に続くazmさんには心配をかけたと思う

そして森林限界を越えると岩峰の先に仙丈ケ岳
来訪者に驚き、冬毛の雷鳥が這松から飛び立つ
見回せば日本の屋根が一面に見渡せた


人には捨てられないものがある

理屈じゃない
結局、私たちは好きか嫌いかで動いている

辛い時だってある
悔しくて泣きたい時もある
それでも続けているのは、結局「好き」だからだ

敬意を払い、尊重し享受する
そして、価値は自分で決める
それを手放すことはないだろう


雪面に延びる影
未だ思わしくない体調に、千丈の峰へは明日立つことにする

まだまだ元気なazmさん
彼も「明日にします」と言ってはいたが、彼なりの気遣いであることはわかった
だからこそ、厚意に甘えた

仙丈小屋の一夜

オリオンも霞む寒月の輝き
千丈峰の黒き光彩

光と影
山と谷

深窓と向き合えば、澱が舞う
嬉しいのは知らぬ自分に逢えたとき

 

山と共に歩む喜びがここに


sak


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