acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

守門岳スキー周回

2013年04月18日 23時33分42秒 | 山行速報(山スキ-)
守門岳周回スキーツアー
多くの人が訪れる守門岳、一般ルートではトレースを辿るだけになると思ったので、距離は長くなるが緩やかで眺望の良さそうな藤平山を経由する尾根ルートで登り、帰りはひとつ北側の尾根を下ってくることにした。
メンバー Nak
装備:スキー、シール、スキーアイゼン、ピッケル、アイゼンなし
問題は、尾根への取り付き前アプローチの細かい起伏、急で細い854mピーク付近
前日に冬型になり、少し降雪が有った。

行動タイム:
二分(6:40)ー854mピーク(9:15)ー藤平山(10:22)ー守門岳(12:00)ーオカバミ沢650m横断(13:22)ー猿倉山夏道ー二分(14:46)距離16.4km 累積標高差1550m

小出ICで関越自動車道を降りてから、漫然と守門岳を目指して適当に車を走らせていると、なんとまあ道院の登山口方面へ向かう刈谷田川ダムのほうへ行ってしまった。290号を戻り西川沿いの道を上流へ石高沢出合を越えて少しのところで通行止めになっており、すでに2台駐車あり。雪面には新雪がうっすらとかぶり、空に雲多く天気の回復は午後からになりそう。と思うと準備の手が鈍る。

本高地沢出合の手前で台地へ上がり平らな湿地マークの雪原を越えて杉林の小沢を登る。杉林の中は見通しが悪く地形のひだが細かくルートを選ぶのが難しい。案の定、登りすぎて最低按部まで戻った。ここで先行者のトレースを見つけたが、北に回り込んでいる様子だったので、分かれて625m標高点のすぐ東を通っていった。林道のヘヤピン地点付近で方向転換するのを忘れてそのまま沢を登って下池すぐ西側の小高い峰に上がってしまった。そのまま下池の真南まで稜線上を回り込んで行く。


下池すぐ南のピークからは、意外と眺望が良い。池のすぐ北側におりてから、再び先行トレースに合流してから、854mピークの西向き斜面をシール登行した。計画で考えていたピークの南側斜面はクレバスが多くてずたずたであった。


854mピークから先はしばらく細い雪稜状になっていてちょっとスリリング、途中で薮がほんの10mほど出ておりスキーをはずして歩いた。


細い稜線から南西に見える池のほうを望む


880m付近で左から上がって来た浅い沢状に入る。二重山稜の中のようなルートになる。ラッセルはくるぶし程度。994m付近で先行トレースにしたがい、沢から尾根へ上がり、しばらくして先行者に追いつく。しばし談笑、向こうもここで人に会うとは思っていなかった様子。どちらも物好きということか。この方は、アルペンスキーで自作したステップソールの板をはいていてシールなしで登っていた。


藤平山のちょっと手前、うさぎの足跡がきれいに雪庇状の上に続いている。このあとは雪の砂漠のような稜線漫歩になった。


広い真っ白でゆるやかな尾根を進んでいく。


八海山


越後の山々、どこがどこだか、よくわからない。



これは浅草岳方面か


登ってきた、ゆるく長い尾根を振り返る。いくつものアップダウンを爽快にスキーで駆け抜けていくのが心地よかった。1228m付近でしばし休憩。守門岳南の大原スキー場から登ってきた数人のパーティが少し下方でルートに合流してくる。上の方は雲がかかっていて風が強そうである。広い尾根の中にはちょっとした窪地や雪庇状などの凹凸があり、2、3mの雪壁を越えるためにスキーを脱ぐこともあった。
 1345mの按部付近から尾根がやや細く急になり東側はブロックの崩壊やら雪庇やらクレバスやらで荒れているように見えた。山頂付近は雲に隠れてみえない。雪がそれほど堅くないので尾根の西側を絡みながらシール登行を続ける。


守門岳山頂は標識がエビのしっぽに覆われていた。


山頂から北へ続く山並みを望む。強風で視界も良くないのですぐにシールのまま西側へ稜線に沿って下る。ときどきカリカリの部分があり、シールのままでの歩行や滑降は足に堪える。下降に使う広い緩やかな尾根に十分に入ったところ、約1470m付近でシールをはがして滑降を始める。ちょうど、この尾根を登って来る人に会って、オカバミ沢徒渉地点付近の様子を聞くと、右岸斜面がずたずたになっていてスキーで下るのに苦労したらしい。


1325m付近、斜面は広くて緩やかなのでどうにでも滑れるのだけど、曇っていて雪面が見にくく酔いそうになる。
ときどき、雲が切れて、下降ルートがみえるようになってきた。1265m付近で上方を振り返ると、どうやら追ってくる人あり。登りの藤平山ルートで会った人が追いかけて来た。大岳まで縦走するつもりだったらしいが、天気がいまひとつで風も強いので、この尾根を降りることにしたそうだ。このあと、行動を共にする。皮肉にもこのころから晴れて来て雪面もよく見えるようになって来た。緩やかな斜面を快適に滑る。やがて1105mあたりから、尾根が細くなり慎重に滑らざるを得ない。樹林も密になって雪庇上が一番滑りやすいのだが、向こうは急斜面だ。雪が重くなって来て横滑りやボーゲンを多用する安全運転と忍の滑りに徹する。900m付近からはオカバミ沢へ下る密な林の急斜面になる。斜滑降すると腐った新雪表層10cmぐらいが何度かゆっくりと雪崩れた。オカバミ沢の標高650m付近で沢を横断する。雪はつながっており水面はところどころの穴から見えるだけであった。大休止の後、30分ほどかけてゆっくりと猿倉山東側の按部へスキーを背負ってつぼ足で登った。


さっき滑ってきた、おかばみ沢左岸の急な斜面を対岸から見上げる。ちょうど見えている崖のすぐ右側を降りてきた。
このあとは夏道に沿って進み猿倉山のやや急な南斜面を下る。雪が適度にやわらかく問題なく林道まで滑りおりることができた。


西川の橋をわたって、振り返る林道は傾斜がなくて滑らず暑くてヘロヘロになってひたすらアルペンモードで歩き、さいごに用水路の流れでスキーを洗って山行終了。すっかり春山になっていた。満ち足りた気分。守門岳、豪雪地帯のため、雪の砂漠のような光景が印象的だった。


ルート