acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

ケニア山その4の2

2010年01月21日 18時01分32秒 | 山行速報(海外)
ケニア山その4の2

その上は4級+の所など少々難しいところがあるが、ヨーロッパの岩と同じ花崗岩で、ガッチリしたホールドやクラックを使ってグイグイ登っていける。やがて平なところに出た。Kガイドが「ネリオンの頂上はどこ?」と聞くと「ここ」っと返事がきた。10時35分であった。トポには19ピッチと書いてあるが、私達はピッチを短く切って登ったので、ピッチ数は分からない。


頂上岩壁にトラバースする


快適なテラスで、今日の素晴らしい登攀に微笑むKプロ


我々のあとを追ってくるN氏


ネリオン頂上からのバティアン 手を伸ばせば届くような距離である


ネリオン頂上にて


ネリオン頂上のアルミシェルター(マットが敷いてあり使用可能)


バティアンピークはすぐそこ、手の届くところにある。このとき私は「バティアンは楽勝でいただきだな」と心の中で確信した。ネリオン頂上にもアルミ製のシェルターがあった。記念撮影したり小休止の後、バティアンに向かう。思ったよりたくさん雪が付いている。でも雪が丁度いい塩梅の硬さなので、キックステップでも怖さは感じなかった。やがて「霧のゲート」に続く懸垂下降の地点に着いた。ちょっとした作業があったのだが、最後に降りてきたケニア人ガイドが振られ足首を捻挫してしまった。


バティアンに向け下降開始


この懸垂下降でケニアガイドが捻挫してしまう


ケニアガイド君、無事降りられて良かったね


彼は「俺はここで待っているから、バティアンを往復してきてくれ」と言ってくれたが、まず彼を無事下すことを第一に考える、ということで意見が一致。私は、歩けない彼を見て一時ビバークを覚悟したが、アイゼンとピッケルをつけたら、なんとか歩けたので1時間くらいでネリオン頂上に戻れた。これでビバークはしないで済む。あとは、ラッペリングの繰り返しで、17時前には取り付き点に降りられた。


後続パーティと合流し最後の懸垂 これを降りれば取付点だ


すぐに荷物をまとめマッキンダースキャンプに向かった。小屋には19時頃に着いた。小屋は混雑していたが、お客達に「コングラチュレーション」と、たくさん祝福の言葉をいただいた。今日は14時間行動で、ちょっと疲れた一日だった。

ケニア山その5に続く      ガストンガニマタ

ケニア山その4の1

2010年01月21日 17時40分45秒 | 山行速報(海外)
ケニア山その4の1(写真が多いせいか、アップできないので2つに分けます)

12月30日、朝5時、オーストリアンハットを出発。取り付きに向かう。氷河手前でアイゼンをつけアンザイレンして対岸にトラバースする。そこから200mくらいガレ場を登るのであるが、ケニア人ガイドの登るスピードが速いこと、ついて行くのに、よくよく息が上がってしまった。この時が今回のアフリカ山行の中で一番苦しかった。Kガイドも「お前たち、どのくらい登れるんだ、と試された感じ」と言っていたが、私も同感だった。
取り付き着6時50分。ここにピッケルとアイゼンをデポ。


取付から遥かかなたにキリマンジャロが見えた(富士山のような形)拡大しないと見えない


登攀準備


ケニアガイドが1ピッチ目に取り付く


ラビットホール入口へトラバース


後続組も我々の後を追ってガリーを登ってきた


中間部付近にあるアルミシェルターは壊れて使用できそうもない

細かい理由は分からないが、パーティ編成が昨日の予定と少し変わった。Kガイドは多分、昨晩帰ってきたAクラブの人から情報を得て変えたのだと思う。ケニア人ガイドとN氏、Kガイドと私、この2パーティが先行することになった。7時10分、登攀開始。ルートを間違わなければ新しくハーケンを打つ必要はない。すべてナチュラルプロテクションで行ける。ケニア人ガイドにルートを聞き、Kガイドとケニア人ガイドが前後しながら登っていく。技術的には全く難しいと思わないが、とにかく息が切れる。やはり5000mの岩登りは呼吸が苦しい。中間部のアルミシェルターを過ぎ、岩稜に出たところで一休みする、8時30分。


やっと岩稜に出た。針峰の向こうにレナナ峰が見える
ほぼ同高度か?すると頂上までは、あと200mはあるはずだ


まだまだ垂直の岩壁は続く


見るとケニア人ガイドもフーフー言っているではないか。それを見たKガイドと私は、思わず顔を見合わせ「奴もやっぱり疲れるんだ、やっぱ同じ人間なんだよね」と笑ってしまった。


ここからは岩稜にそって登っていく


泣きたくなるほど素晴らしいクラックをノープロで登る

  ケニア山その4の2に続く   ガストンガニマタ