Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

雪の日の「柏崎」

2012-12-11 | 能楽

 12/8(土)、雪のちらつく日、高岡市青年の家の能舞台で、「高岡能楽会会員謡曲発表会」があった。私にとっては今年の謡い納め、素謡「柏崎」のワキを務めることになっていた。当初の予定より2週間延期されたこともあり練習が充分できたのは幸いだった。落ち着いて気持よく謡えて嬉しかった。金沢の定例能で見た、お能の「柏崎」を思い出しながら謡った。

 《あらすじ》 越後の国柏崎で、訴訟のため鎌倉に上っていた領主が、病で亡くなります。一緒に行った子の花若(子方)は父の死を悲しみ遁世してしまいます。留守を守る妻(シテ)のもとに、夫に随行していた家人小太郎(ワキ)が帰ってきます。喜んで迎えた妻は、小太郎からことの次第を聞き嘆き悲しみ、花若の無事を祈ります。が、夫の形見と花若の文を受け取った母は、物狂いとなり、何処ともなく迷いでます。(中入り)
 花若は、善光寺の住職(ツレ)に養われていました。ある日一人の狂女が、御堂に入ろうとするのを住職が咎めます。狂女は極楽世界へ参ろうと仏説を述べ、夫の形見の烏帽子・直垂を取りだし、在りし日の夫を偲んで舞を舞い、我が子の行方を案じていると、念仏を唱えます。僧の引き合わせで、この狂女こそ花若の母であるとわかり、親子がやっとめぐり合います。

 私たちが素謡で謡ったのは、小太郎が柏崎に知らせに行く場面から、妻が善光寺へ入ろうとする場面まで。前回の「花筐」と同じように、女物狂いのお話だ。当時の人々は、柏崎、鎌倉、善光寺、それぞれ遠い距離を歩いて往来したのだろう。シテのSUさんが悲しみを押さえて謡われるので、私も、悲しい知らせを伝える家人の気持ちに思い込めた。(↓は、ネットから「柏崎」。夫の烏帽子、直垂を見につけシテが舞う場面   

 第二部は、素謡を聴く会。東京から来られた(「はくたか」が遅れ、10分ほど待った)金森秀祥師、息子さんの良充さん、金沢の高橋憲正さん、藪克徳さんの素謡「六浦」と、それぞれの仕舞、「江口」、「松尾」、「女郎花」、「是界」である。若い方々の舞も謡いも清々しく、緊張感が溢れている。「松尾」と「是界」は初めて。特に「是界」は、藪さんの飛び上がって足を組み、どんと座る所作があり、一瞬ハッとする。以前、藪さんの能「殺生石」を観た時も、この所作があり驚いたものだ。若いからだけではできない所作だろう。やはり訓練の賜物か。

 さて、帰宅するとよっしーちゃんからメールがあり、トップ写真が添付されていた。福島勤務のご主人が帰って来ておられ、ファボーレの織部へ買い物に出かけたそうだ。姫さんの玄関飾りに触発されたそうで、クリスマスの飾りを求めたとのこと。ガーベラの鉢(たぶん)とトナカイに乗ったカッコいいウルトラマンだ。拡大してみると… おや、下にいるのはサンタクロース?        

    


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (なは)
2012-12-11 16:29:51
清姫様
ほんとうに素晴らしいと思います。この12月8日が謡い納めと言うことですが、年間を通じてどれだけの舞台を踏まれたことでしょうか。数え切れないほどですね。頭が下がります。
「柏崎」金沢の舞台を思い出しました。お話を聞いてなるほど、と納得します。今度も大役でしたね。お仲間の方々とすっかりなじまれてお互いに切磋琢磨されているような感じが伺われます。
遠く東京から、金沢から先生方がおいでたのですね。あの日は石川県が強風で特急が何本も止まりました。
行けなかったですが、紹介してもらってさぞ盛会でしたでしょうと想像しています。
よっしーちゃんところのクリスマス飾り、可愛いですね。見せてもらってしばし心が和みます。ありがとう。
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Unknown (よっしー)
2012-12-11 16:44:49
清姫さん
今日も寒かったですね~娘さんも帰られて賑やかかな?こんな日はお鍋が良いですね。
1年間、いろいろな行事や舞台等お疲れ様でした練習も大変だったことでしょう。パワフルな清姫さんに忙しいと時間の使い方も上手ですね。素晴らしいですよ。
写真どうおありがとうございます。先月お友達にいただいたガーベラが今もきれいに咲いてるのでクリスマスもこの花を飾りました。姫さんふうに解説すると・・・ウルトラマンにトナカイを取られたサンタさん!ってところでしょうか・・・織部で新年の飾りもひとつ買ってきたので年末飾ってみますね~ぜひ清姫さんの玄関飾りも載せてくださいね。
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Unknown (風子)
2012-12-11 20:52:36
清姫さん
寒くなりましたね。
帽子が手放せなくなりました。
一年の行事を終えられたんですね。
気持ちよく謡え、大成功て良かったですね(^_^)v
来年もお互いに頑張りましょう。

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Unknown (清姫)
2012-12-11 23:35:49
なはさん
今年は、11回でした。一昨年だったか13回のことがあり、これじゃ月1以上になりプロ並みだと減らしたのですが…。ま、無理だけはしないで、と思っています。
第2部は盛況でした。会員の発表会は出る人が聴きあうと言う感じです。無料でプロの先生の謡が聴けると言うので、2部になるとぐっと増えますよ。当たり前ですね。
若い人の選ぶ飾りはユーモラスで、どこか違いますね。下にサンタさんがぼんやりいるのに気付き、写真をとり替えましたよ。
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Unknown (清姫)
2012-12-11 23:44:22
よっしーちゃん
日中ずっと寒かったですね。でも雪は積らなくて助かりました。
舞台はすべて終了です。ホッとしました。後は、聴きに行くのと忘年会ですね。
娘が帰り、賑やかと言うか生活にリズムが生まれますね。一人だとダラダラしますが…。
ウルトラマンにトナカイをとられたサンタさんですか。写真のトリミングをし直しました。
我が家の玄関飾りはクリスマスを飛び越えてお正月になるかも。右大臣左大臣を飾ってみようかと。
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Unknown (なは)
2012-12-12 16:35:46
清姫様
昨夜テレビのスポーツの時間にプロの若い野球選手が(名前は忘れましたが)「運良く打てたのではなく、練習したことが出せたと思う」と語るのを聞いて、清姫さんもそうなんだと思いました。
何回もある舞台に、それだけの練習を積んでいられるのですから、やはり頭が下がります。
一人より二人楽しいです。私もお昼はまごなはと「なんにする?」と楽しんでいます。
よっしーさんのコメントは可愛いものがいつも付いていて楽しんでいます。若い人らしいコメントで「私のもそんな時があったなー」と懐かしんでいます。
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Unknown (清姫)
2012-12-12 23:01:06
風子さん
帽子を愛用しておられるのね。私も好きですが最近は髪がぺしゃんこになるので避けてしまいます。手袋とふかふかマフラーです、特に夜の合唱練習は。
やはり練習ですね。怠けないで練習量を増やせば、上達しますよね。なかなかできませんけど。
では、来年も頑張りましょう。
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Unknown (清姫)
2012-12-12 23:11:35
なはさん
練習が楽しいうちはいいですが、苦痛になったらやめ時ですね。明日から「舎利」と言う謡を練習しますよ。どんな話でしょうか。
よっしーちゃんのコメントの返事には、私もできるだけ絵文字を入れようと努力しています。
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Unknown ()
2012-12-13 14:05:34
8日、謡収めでしたか。
8日、先生から、プロの素謡はなかなか聞けないよ、と券を頂いたのですが、何しろ、枕参りに行っていたので、いけませんでした。
トナカイに乗ったサンタクロースの話は、よっしーちゃんのコメントに書いてありました。
こんな、可愛いものだったのですね。
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Unknown (清姫)
2012-12-13 19:53:27
2012-12-13 19:49:59 姫ちゃん
お舅さんの枕参りでは、行けませんね。いろいろ忙しかったでしょう。
プロの素謡、なるほど瀬賀先生はそう仰いましたか。ホントにその通り。迫力があります。若手3人と金森先生、まさに競演と言う感じでした。2部は、見所も満員でした。
今日から気楽なお稽古で、「舎利」と言う本をもらいましたよ。
あなたのブログのコメントにも書いてありましたね。最初ウルトラマンだけトリミングしてアップしたら、トナカイを取られたサンタさん、とあり、やり直しました。
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