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Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

鵺(ぬえ)ってどんな動物?

2013-07-11 | 能楽

 「夜」の横に「鳥」を書いて『鵺』、「ぬえ」と読む。 万葉集や古事記にも出て来る妖怪で、伝説の生物。平家物語では、猿の顔、狸の胴体、虎の手足を持ち、尾は蛇と書かれている。「ヒョーヒョー」という、鳥のトラツグミに似た声を出す。↓は、この鵺を描いた絵。       

 この鵺を主人公にしたお能がある。題名も「鵺」。毎月第一日曜日に、金沢の県立能楽堂で定例能が催される。能が2番、狂言が1番演じられるが、7/7(日)は、能「籠太鼓(ろうだいこ)」、狂言「伯母ケ酒」、と能「鵺」だった。源三位頼政に退治された鵺がシテとは、どんなお能だろう?と興味があり、なはさんと観に行くことにした。チケットは謡の先生からいただいた。

 JRの時刻を私が早とちりで10分遅く覚えていて、出だしからなはさんに迷惑をかけた。ギリギリ間に合ったものの、きっとヤキモキされたことだろう。オマケに金沢に着いたら、またまた先日同様切符が見当たらない。財布の中、バッグの中を何度もかき回し、結局お願いして改札を通らせてもらった(後で、何度も見た小袋の中から出て来て、帰りの改札で渡して来た)。最近はこんなで事ばかりが続き、すみません、ゴメンナサイの連発である。

 時間に余裕があったので、駅百番街「つづみ亭」で昼食。加賀野菜を使った料理で人気の店。観光客のグルーも一緒だった。↓はヘルシー定食。      
 
駅から、土日100円のシャトルバスで能楽堂前へ。

 「籠太鼓」も珍しい能だったが、今日は「鵺」についてだけ書きます。

 《あらすじ》 
諸国一見の僧(ワキ:北島公之)が熊野詣りの帰り道に芦屋の里に着き、川渡しのお堂に泊まります。夜更けに、空舟(うつおぶね=丸木舟)に棹さして不思議の者(前シテ:藪克徳)が漕ぎ寄せ、僧に心の闇を弔ってほしいと頼みます。自分は、近衛の院の時に源三位頼政の矢先にかかり命を失った鵺の亡魂だと名乗ります。僧の求めに答えて、その時の有様を物語った男は、空舟に乗ると夜の闇の中に姿を消してゆきます。(中入り)
              

 その夜、鵺の読経をしている僧の前に、頭は猿、尾は蛇、足手は虎という恐ろしい姿の鵺(後シテ)が現れ回向を喜び、自分が討たれた時の有様を再現して見せます。そしてまた遥かな闇の中に消えていきます。             

 近衛天皇の御代(在位1142年〜1155年)に、真夜中清涼殿に現れる怪物がおり、天皇を病魔に陥らせたと言う。崇徳院の怨霊だとも言われた。弓の達人の源三位頼政(げんざんみよりまさ)が呼ばれ、警護を命じられる。頼政は見事に怪物を射抜き、退治した。この頼政の「鵺退治」の話は有名だが、この能では、退治された鵺の立場で、「自分は、空舟に押し込められ、暗い水底に流された」と語る。能では、よく敗者や退治される者を主人公にする。そして、滅ぼされる側の悲哀を通して人間世界の影や人生の暗い側面を描くことがある。私が観た能では、「藤戸」や「鵜飼」もそうではないかと思う。

 見どころは、後場。赤頭(あかがしら)に猿飛出(さるとびで)の面をつけた鵺が、頼政の矢に射抜かれて落命する場面を再現する。言わば1人芝居、パントマイムだ。猿飛出の面の眼が光る。動きはダイナミック。射抜かれる様を激しい所作で演ずる。装束の袖がしなやかに翻る。高価な衣装なんだろうな~と思う。藪さんの鵺は見ごたえ十分だった。ただ、習ってなく、本もないので言葉がサッパリわからず、想像で観ていました。

 シテ:藪克徳  ワキ:北島公之  間狂言:鍋島憲
 大皷:飯島六之佐  小鼓:住駒充彦  太鼓:前田孝雄
 笛:桧垣勇  地謡:藪俊彦 他     の皆さんでした。 
             (写真はネットからで、当日の能と関係ありません)

 ↓は、金沢駅前。久しぶりに夕闇の鼓門を撮ってみた。七夕の夜だったが、金沢駅はいつもと変わらない。戸出は今日も七夕まつりで賑やかなことだろう。 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ()
2013-07-12 09:57:55
まだ、習っていない謡です。
あなたが、のめりこみ感激しながら見ている気持ちがよく分かります。
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Unknown (清姫)
2013-07-12 10:44:51
姫ちゃん
あなたのコメントを読み追加しましたが、私も本も持っていない曲です。だから言葉がまったく聞きとれなかった。山崎先生にあらすじを聞いたのと、以前YAさんの講座「頼政」で鵺退治の話を聞いただけ。ただ、藪さんのシテだから、切れ味のいい動きが見られる、とは思っていました。
いろいろ裏話もあるのですよ。
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Unknown (なは)
2013-07-12 17:05:30
清姫様
丁寧なお話で見てきたお能を思い出しながらゆっくり見ました。
「鵺」は前シテからオドロオドロ・・・と言う感じで、今まで見たのとは一寸変わっていて興味深く見ました。
私はいつも「言葉」が分からないのですが、こんなことなのかしら?と思いながら、笛の音、小鼓、大鼓、太鼓の音を楽しみ、地謡を楽しみしています。
今では舞台に出演の方々のお名前にも親しみが湧きます。「面」も衣装も素晴らしかったですね!
「鵺」は大曲なのでしょうが、見ている人を捕えて離さない魅力がありました。
前のお能「籠太鼓」も狂言の「伯母酒」もよかったです。ありがとう。  
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Unknown (清姫)
2013-07-12 17:57:29
なはさん
「籠太鼓」のシテの佐野さん(息子さん)は、声がよく通りましたね。
「鵺」の前シテは、気味の悪い面と思ったら「怪士」と言うそうです。それと、地謡の後に窓があるのを知っておられましたか?プロンプターの声が客席後部から聞こえると思いましたが、その窓からだそうですよ。
太鼓は、出羽だけで短かったですね。大小の鼓の掛け合いがテンポよく面白かったです。
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Unknown (なは)
2013-07-13 18:18:02
清姫様
昨晩、能の見学記を書きたいと思いましたが、難しく途中で止めました。
でも、折角見せてもらったのですから頑張って書きます。貴女のを参考に・・・。
今日も有難う御座いました。お誕生日のご相伴に与りましてありがとう。おめでとう御座います。
もう一つは大切な方を亡くされてご愁傷さまです。
あなたも一人何役も引き受けねばならず、大変、悲しみに浸っている間もありませんね。
でも、貴女のお体には気をつけてください。
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Unknown (清姫)
2013-07-14 00:47:21
なはさん
なはさん独特の語り口で書かれるのを楽しみにしています。写真よかったら使ってください。最初の絵は歌川国芳の絵だったと思います。
今日はバタバタとすみません。早く着き少しゆっくり話せてよかったです。お料理も飾り付けも素晴らしかったですね。あのようなお店はちょっとないですね。
通夜のことをブログに書くのはどうかと思いますが、彼のことを書きたい気分でいます…。
今夜弟が高岡へ着きました。二晩泊りますが、何年ぶりでしょう。高岡駅が変わっていて驚いていましたよ。
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Unknown (なは)
2013-07-14 17:14:12
清姫様
お疲れ様でした。
お能のこと、話しは違っているかもしれませんが、思いのままに書きました。
貴女の絵も写真も雰囲気がよく出ています。写真を貸してもらえるようになるといいのですが、息子がパソコンを買わなくては・・・と言っていますので、そのときに習うことにします。

彼の思い出や弟さんの事など書かれたら喜んで見せてもらいます。弟さん浦島太郎みたいものでしょうね!
妹もたまに来ると驚いてばかりです。
疲れを直してくださいね。
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Unknown (清姫)
2013-07-16 17:34:19
なはさん
なはさんの籠太鼓と鵺のブログ、拝見しました。
籠太鼓が詳しくて楽しく読みました。
写真は、写真を右クリックすると、写真の保存という項目があり、場所を指定して保存できます。でも古いパソコンだと言うことですからわかりませんが試してみてください。
弟は2泊しましたので、フィリピンの時以上に話せました。今年4月にJICAを辞め、地域の世話をしているので話したかったようです。
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