12/19(月)、急に誘われて「源氏物語~千年の謎」を観た。何と言っても「源氏物語」、今まで映画やTVドラマはたくさんあるだろうが、その都度光源氏は誰?となる。昔、長谷川一夫の源氏は見たと思うが、最近では天海祐希、東山紀之、片岡孝夫、ちょっと前には伊丹十三、中村扇雀などだそうだ。今回は生田斗真くんが演じると言うがあまり興味はなかった。ただ、”千年の謎”ってどんな謎かな?と思ったくらいだ。
数年前に、ヴァージニアウルフを主人公にした”The Hours”(めぐりあう時間たち)と言う映画を観た。ヴァージニアウルフ自身と、彼女の作品”Mrs.Dalloway"と同じ名を持つダロウエイ夫人、その本を読んでいる若い母親ローラ、時代も違えば、何のつながりもない3人の話が同時進行する。
この映画も、光源氏を巡る物語と、作者紫式部の話が同時進行する。パンフによると…”光源氏と紫式部の哀しくも美しい二つの愛の物語が交錯し、その誕生秘話に迫る・・・”のだ。(写真はネットから)
↓は光源氏(生田斗真)と紫式部(中谷美紀)
《あらすじ》 平安王朝の時代、時の権力者・藤原道長(東山紀之)は、娘・彰子(蓮仏美沙子)に帝(東儀秀樹)の心を向けさせるため、紫式部に物語を書くように命令する。物語の主人公・光源氏は、宮中の女性たちの憧れの的。義理の母・藤壺(真木よう子)への想いを断ち切れず、また、正妻・葵上(多部未華子)が冷たいので、年上の愛人(前東宮妃)・六条御息所(田中麗奈)や市井でひっそり暮らす夕顔(芦名星)の元に通う。
紫式部の綴る「源氏物語」は帝の心をつかみ、帝と彰子の間に男の子が生まれる(朱雀帝)。そして道長の栄華は確固たるものとなり、式部の役目は終わるはずだったが…。しかし、式部は物語を書き続ける…。
↓は、紫式部
光源氏の物語は、ほぼ原作と同じだが、肝心の「車争い」の場面は省略され、御息所が伊勢に下る時も娘の話は出て来ない。
ただ、御息所の生霊が、夕顔と葵上に襲いかかり殺してしまう場面が凄まじく、延々と時間をかけて描かれる。紫式部が道長を想う気持ちを、御息所が光源氏を想うあまり二人を殺してしまう気持ちに重ねている、と言う解釈のようだ。
雅楽や舞楽の美しい場面も見られる。源氏が「青海波」を舞う姿はほれぼれする。全体として分かりやすく、安倍清明(窪塚洋介)や藤原行成(甲本雅裕)の顔も見られて嬉しい。
最後に、Saさんの感想が面白かったので付け加える。豪華絢爛、華やかな、美しい映画かと期待したが、ドロドロの怖いイメージ。どの女性も、皆現代風のメーキャップで同じ顔に見え、特徴が分かりにくい。光源氏の話に濡れ場はつきもの、御簾の陰に隠れればそれでよい、後は想像に任せればいいのに…。衣擦れの音も大げさ。
ご覧になられたら、皆さんの感想をぜひお聞かせください。
へーえー。外国映画の手法を真似たのですかね。そんなのが有ったのですか。
ただの源氏物語では、もう散々描きつくされているでしょうから、どうすれば見てもらえるか難しいのでしょう。
六条御息所が登場となるとどうしてもドロドロというのは免れませんね。
上手に纏めてくださってよく分かりました。
「千年の謎」は千年も読み継がれる(映画にもなり続ける)のはどうしてか?という意味なのでしょうか。
私が仕事を辞めてから受けた講義で先生は、紫式部は「女性達がこういう扱いを受けていいのか」との憤りだ。だから女性たちは次々に出家した。したくてもさせて貰えなかった若紫の様な女もいるが。女性たちは光源氏に抗議したのだ。といわれました。
瀬戸内さんは道長と紫式部のことは、紫式部は道長を利用していた、とも書いていられます。このようにいろいろ異論があるところが「謎」なのでしょうか?
見たい気がしています。
高山由紀子と言う人の原作が角川文庫から出ているそうですよ。
彼女がこの映画を真似たかどうかはわかりませんが、新しいスタイルをと思ったのでしょうね。
中谷美紀の紫式部が熱演です。
いろいろな謎、解釈を含むと言うことかもしれませんね。
その先生が仰ったように、式部が女性達の扱われ方に抗議したと言うのは、そうかも知れませんね。瀬戸内さんの見方と同じような終わり方をしています(映画は)。私にはその辺がよくわかりませんでした。
また源氏が最後に高笑いをする場面も、意味が分かりませんでした。
観られたらぜひ感想を聞かせて下さいね。
美しい場面もいっぱいありますよ。雅楽や舞楽など。「青海波」を舞う場面は短いけど圧巻です。
お正月にぜひどうぞ。
↓は、原作のURLです。開いてみて下さい。
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201101000509
難しいのはきっと、私の説明が悪かったのでしょう。ごめんね。
ハリポタのような娯楽映画と思って見れば、十分楽しめますよ。
それに、謡の「夕顔」、「半蔀」、「葵上」、「野宮」あたりの話だけですから、そう難しくはありません。ただ、若者向けかもしれませんね。
いにしえの雅の世界へひととき1、000円でわたしも行ってきます。
姫様のコメントには大笑いさせてもらいました。
正倉院のガラス玉を見て、次は源氏物語を見ました。心か頭か昔に戻っていましたのに、姫のコメントで笑っています、一人でパソコンを前にして。
原作の所を見ました。重層的に見られるのが凄いです。紹介して下さるからです。するとまた、本も読んでみたいと思います。光源氏の死後にまで話が及んでいるのですね。
「青海波」は、朱雀院で舞うのをリハーサルで后や女房達に見せて上げるのですね。その場面ですか?藤壺は源氏を、源氏は藤壺を見る機会だったのですか?
みんな、さぞ頑張って作られた作品でしょう。
もし、行けたら行きます。
瀬戸内さんは、女性の中で「貴女は誰が好き」と問いかけられますが、好きな人がいるほど読んでいない、のです。「あの原文」を読まなくては、と思うと、姫様のように「難しいからパス」と言いたくなるのです。
でも、優しい訳文に親しめばいいのですよね。
世界中の人が読んでいるのでから。
ほんとに。いにしえの宮中の世界は、現実を離れ優雅に楽しめます。お正月にのんびりとどうぞ。
感想を聞かせてね。
市立図書館にはないようです。文庫本ですから安いでしょう。
「青海波」を舞う場面は、そのリハーサルの時でしょう。でも、前後省略しているようで分かりにくいように思いました。
私はもちろん読んでいないので、謡曲で知っている程度です。だからあと「玉葛」くらい。
テレビドラマで、明石の君を観たくらい、かな。
何と言っても、映画やテレビが分かりやすく、楽しめます。