Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

県宝生会秋季能楽大会~能「巻絹(まきぎぬ)」

2012-12-01 | 能楽

 11/25(日)、冨山能楽堂で、県宝生会の秋季能楽大会があり、素謡「花筐(はながたみ)」のツレで出ることになっていた。なはさんが午前の部から見たいと仰ったので、一緒に出かける。前日の合唱コンクールに続く冨山行き、しかも丸一日それぞれの会場に座っていたせいですっかり風邪をひいてしまった。疲れがたまったせいもあり、11月と言うのに単衣の着物(暑かった10月以降ぶら下げたままの単衣)を着たせいもある。やはり怠け心は禁物。その季節に合った、昔ながらの着物を着なければならないと言うことだ。

 今日は、能「巻絹」について紹介します。
 最初に帝の臣下(ワキ)が登場し、「帝が不思議な夢を見て、千疋の巻絹を熊野に納めよと言う宣旨を出されたので、全国から巻絹を集めている。都からの巻絹がまだ届かないの待っている」と述べる。(↓の臣下は、当日とは別の写真です
    

 次に都から巻絹を持った男(ツレ)が登場し、熊野に着きまず音無の天神に詣でると冬梅の匂いがするので、男は梅に向かい心の中で歌を詠み、願をかけ、それから勅使の元へ参上する。(↓の男も、当日とは別の写真です             

 しかし、遅参したことを叱責され、縄をかけられてしまう。するとそこへ音無の天神(シテ)が巫女に乗り移って現れ、その男は昨日私に歌を手向けてくれた者であるから縄を解くように言う。しかし、勅使が信じないので、その者に上の句を詠わせたら、自分が下の句を詠いましょうと言う。男は、「音無にかつ咲き初むる梅の花」と詠み、巫女が「匂はざりせば誰か知るべき」と続けたので男は許され縄を解かれる。(↓は当日の舞台です。新聞の写真から             

 巫女は和歌の徳を述べながら舞い、祝詞をあげて神楽を舞う。最後には乗り移っていた神も離れ、元の巫女に戻り去っていく

 シテ(巫女・音無の天神):藪俊彦  ツレ(ワキ):山崎健
 ワキ(臣下):苗加登久治  間:清水宗治
 大皷:野尻哲雄、小鼓:住駒俊介、太鼓:麦谷清一郎、笛:瀬賀尚義
 地謡:前田晴啓 高橋右任 他

 ツレを演じられた山崎先生は私の謡の先生。お稽古の日に「巻絹」の見所を伺った。一つは、間狂言が縄をかけるのだが、動いても解けず、しかもシテがすぐ解けるように縛るのがコツ。
 もう一つは、シテの神楽の舞(特に今回は五段神楽)とお囃子をよく見、よく聞くように、とのことだった。大変長く優雅な舞で、瀬賀先生のお笛が美しかった。